kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

mewさん事実誤認ですよー。与謝野馨は「保守本流」や「保守リベラル」じゃなくて、中曽根康弘系列の「保守傍流」、旧「タカ派」ですよー。

平沼新党の件となると、このブログが取り上げるだろうとは思っていたが、今回の記事には疑問が多い。

平沼新党は、真正保守ではなく、人数集めの烏合保守新党になるのか? : 日本がアブナイ! より。

  前記事でも、少し触れたのだけど・・・。いよいよと言うか、「やっとかよ〜」という感じで、平沼赳夫氏が、今月前半にも新党を立ち上げることを表明した。(**)

 そして、mewは、日本会議系の超保守派の代表格である平沼氏が新党を作るからには、当然にして同志の議員や候補を結集して、バリバリの超保守<彼らいわく真正保守(真性保守?)>の政党を
結党してくれるものと思っていた&願っていたのだけれど。
 何だか昨日の報道記事を見ると、そうでもないようなのだ。^^;

 昨日、与謝野馨氏や園田博之氏が、来週にも自民党を離党することが決めたという報道も出ていたのだけど。
 2日に、この2人+藤木孝夫氏が平沼氏と会談して、共に新党を結成する話が出ているというのだ。(-"-)
<後述するように、与謝野氏や園田氏は超保守仲間ではない。>

 しかも、新党のメインの目的も「真正保守の結集+日本再興」というよりも、民主党参院選過半数をとることを阻止することに重点が置かれているようで。
 とりあえず「保守系」で、反民主党反小泉改革派、今の自民党に失望している人を集めるという感じなのである。(゚Д゚)

 ってことは、これは、かつてアンチ自民党が集まった細川連立政権や新進党などのように、(今の民主党にも多少言えることだが>「烏合の衆」ってやつになってしまう可能性も高いのである。(@@)

 もしそれが本当だとしたら、mewもガッカリだけど、超保守新党を待ち望んでいたウヨ保守の人たちは、め〜っちゃ失望してしまうのではないだろうか?_(__)_

平沼グループでずっと一緒にやって来た城内実氏や小泉龍司氏は、新党結成時には参加しないとのこと。これは広く人を集めるためなのか、それとも平沼氏の姿勢に失望したからなのか?>


小泉龍司は、なぜ平沼一派にいるのかよく分からない政治家で、極右政治家ではなく、もともと考えが合わなかったことも考えられるが(平沼一派には昨年香川3区に立候補して落選した真鍋健など、同様の政治家は結構いる)、平沼赳夫と思想の近い城内実の場合は、本当に平沼赳夫に失望したのではないかという気がしている。

 自民党は、岸信介氏など一部の首相を除けば、国民の支持を得るために、戦後体制&平和主義、自由主義を守りながらも、戦後の復興&経済成長、国民生活や社会の安定を目指した国政を行なっている時期がかなり長かった。
 これは「保守本流」「保守リベラル」「穏健な保守」などと呼ばれていて、mewが見る限り、与謝野氏や園田氏は、このような理念を持っている政治家ではないかと思われる。(・・)


これはちょっと違う。与謝野馨中曽根康弘の直系である。与謝野は、東大法学部卒業後、中曽根康弘の紹介で日本原子力発電に入社した。そこで民社党の議員と親しくなり、退職後は中曽根康弘秘書を経て政界入りした。つまり、万人が認める「保守傍流」・中曽根康弘の直系であり、吉田茂池田勇人大平正芳宮沢喜一加藤紘一ら「保守本流」との接点はほとんどない。一方、中曽根直系であることから当然ながら、ナベツネとも近い。

ここで不気味なのは、与謝野は以前から民社系と親しかったことで、この点で鳩山由紀夫と共通点がある。鳩山も旧民社系労組をその勢力基盤にしている。

近年は、自民党の政治家たちの右傾化が激しく、かつてタカ派で鳴らしていた、やはり中曽根康弘系列の山崎拓も、最近では「ハト派」呼ばわりされるようになっていた。与謝野も同じで、中曽根派の政治家を「ハト派」呼ばわりすることは、昔なら絶対にあり得なかった。

 そして06年から政権を引き継いだ安倍元首相は、平沼氏と同じく戦後復古主義の超保守派で。彼らは、基本的に戦後体制や憲法を否定していて、戦前のような国体(天皇国家)や伝統、文化、富国強兵を重視して、日本の国家体制や教育をその方向に沿って、変えることを目指しているのだ。(-"-)
<この派は、経済的には修正された自由主義の人が多いのだが、安倍氏は、「小さな政府」&新自由主義に引かれているようだ。>


「修正された自由主義」は、普通は「修正資本主義」と呼ばれるが、ブログ主はあるいは「資本主義」という用語にマルクス主義臭を感じて「修正された自由主義」と表現したものだろうか。しかし、新保守主義新自由主義は背反する関係にはなく、レーガンサッチャーらに見られるように、むしろ補完的な関係にある。とはいえ、新保守主義者が必ずしも新自由主義者であるわけではなく、ヒトラーを思わせる国家社会主義的な方向に走る者があり、それが平沼赳夫らの一派であると私は考えている。

なお、新自由主義者新保守主義者を兼ねるのは、新自由主義による格差の拡大などで傷ついた人々の心を癒す役割を共同体に求めるためだが、日本ではその共同体が徹底的に破壊されてしまってその役割を果たすことができないため、小泉純一郎のような新自由主義に特化した政治家が現れたのではないかと見られている。コイズミの新保守主義は人気取りのパフォーマンスに過ぎず、首相就任以前にはコイズミは靖国神社に参拝したことなどなかったともいわれる。

この文脈から言えば、一方で共同体への依拠の方向性を持つ安倍晋三新自由主義に走ったことは不思議なのだが、単に安倍の頭が悪くて、「右」といわれるものなら何でもかんでも全部取り入れようとしただけの話だろう。そのあげく安倍は自己矛盾を招いて、早々に政権を投げ出す羽目に陥った。

記事の記述の順番は前後するが、

 しかも、新党のメインの目的も「真正保守の結集+日本再興」というよりも、民主党参院選過半数をとることを阻止することに重点が置かれているようで。
 とりあえず「保守系」で、反民主党反小泉改革派、今の自民党に失望している人を集めるという感じなのである。(゚ Д゚)


たしかに民主党参院選過半数獲得阻止を目的としているのかもしれないが、その次に来るのは民主党に取って代わることではなく、与謝野らが民主党と「大連立」を組むことであると私は考えている。その場合、国民新党社民党民主党のパートナーから追い出されることになることはいうまでもない。代わって、与謝野新党のほかに公明党が連立に加わるだろう。

与謝野や公明党民主党の連立だけでもぞっとするのに、それに平沼赳夫なんかが付録としてついてきたら目も当てられない。だから、私は与謝野馨平沼赳夫がもくろむ新党結成を徹底的に批判する次第である。はっきり言って、与謝野馨なんかより、腐っても「保守本流」の看板だけはある谷垣禎一の方がよほどマシだ。谷垣は政策も存在感も希薄な政治家だが、負の方向性を持つ与謝野馨ほどには、世に害毒を流す存在ではない。