kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

リベラルなのに「平沼一派」のシンパの方には「正論」11月号を読んでほしい

やっぱ、東国原はガチガチの保守?+平沼グループ&「抹殺するぞ」発言+☆、清原 : 日本がアブナイ!平沼赳夫の話が出ているので、反応してしまう。

まず、平沼の自民党復党に反対する山本一太を、「お前抹殺するぞ」と脅した件。これは、当時(2006年)、結構話題になった。

http://ichita.blog.so-net.ne.jp/2006-09-07-1

ここに描かれている、山本を「抹殺するぞ」と脅した人物は、誰が読んでも平沼赳夫であることが明白だ。

平沼は、もちろん3年前に自民党を追われた時からずっと、自民党に戻りたくて戻りたくてたまらなかった。だが、その度に平沼の天敵であるコイズミ一派が邪魔をしてきた。

当ブログ管理人は、このところコイズミ批判に傾斜していることからわかるように、反ネオリベだが、極右も同じくらい大嫌いなので、「敵の敵は味方」の論理には従わない。特に平沼赳夫は、日本でもっとも嫌いな(おそらく安倍晋三とコイズミの次くらいに嫌いな)政治家である。

そんな平沼だが、現在は自民党への復党を棚上げしている。「正論」の11月号に、平沼が書いた極右論文が載っているので、リベラルなのに「平沼一派」にシンパシーを感じておられる方には、是非目を通してほしい。ここで平沼は、自民党改憲論を「右」から批判している。現行の日本国憲法に、環境権やプライバシー権を加える形で改正する「加憲」は、比較的穏健な改憲派が唱えているものだが、平沼はこれを厳しく批判する。そもそも、平沼にとっては憲法は「改正」するものではなく、棄却して自主憲法を「制定」するものなのだ。平沼は、「改正」ではないならどんな憲法にするのかについては、はっきり書いていなかったと思うが(私も飛ばし読みしかしなかったけれど)、明治憲法のような復古的憲法を念頭においていることは間違いない。

平沼は、そんな(平沼にとって)ふざけた「改憲」を論じている自民党を厳しく批判し、「真正保守の結集」を呼びかけている。ちなみに、この「真正」というのは私の大嫌いな言葉だ。全体主義のにおいがする。

「日本がアブナイ!」が、

 平沼氏は、昨年10月の会見で、当面は自民党に復党しないと
表明して、こんなことを言っていた。
『「民主党で健全な保守を目指す人が乗りやすい船を作ることが
先輩の使命だ」』
『「無所属になり、民主党の若手に優秀な人がたくさんいることが
分かった。衆参のねじれ国会を解消するには民主党に手を突っ込ま
ないとダメだ」と明言。「先の参院選民主党が割れると踏んでいた
が、勝ちすぎたので足が止まった」と残念がった』(ーー゛)
産経新聞07年10月24日より・全文*1>

と指摘するように、平沼は前々から民主党右派の議員を引き抜こうとしていた。
このあいだ「改革クラブ」に参加した渡辺秀央大江康弘は、以前から「平沼新党」への参加が噂されていた人物で、それがなぜ「改革クラブ」に参加したかは謎である。新聞では、「改革クラブ」結成には二階敏博の働きかけがあったとされているが、テレビ朝日のワイドショーでは「平沼新党」への合流を前提としているとコメンテーターが観測していたようだ。その「改革クラブ」と平沼が結局合流しなかったのは、「改革クラブ」と民主党があからさまな敵対関係になったからではないか。

もっとも、議員を引き抜かれたら敵対関係になることなど当たり前なのだが、上記の産経新聞のインタビューにあるように、平沼赳夫はもともと民主党に手を突っ込むと公言していた人物なのだ。それなのに、民主党が岡山3区に平沼への対立候補を立てないというのが、私にはどうしても理解できない。広島6区には自民党亀井静香への対立候補を立てないし、民主党が平沼に遠慮し、自民党が亀井に遠慮するという図式は、実に気持ち悪い。

一番恐ろしい想像は、平沼が接着剤になって自民と民主が大連立を組む「平沼内閣」ができるケースで、この場合、自民党からはカイカク派、民主党からは左派が離脱するだろう。そうなったら、ネオリベの程度こそ低減されるものの、おそるべき右翼政権ができてしまうと思うのだが...

もっとも、平沼新党に限らず国民新党などが蝶番になる形での「大連立」は、小沢一郎も望まないところらしく、民主党首脳はこれら民族主義的勢力にイニシアチブを握られないように立ち回っているように見える。それは、おそらく小沢が田中角栄の流れを汲んでいるところに理由があり、小沢は福田康夫となら大連立を組みたかったが、民族主義系の勢力に主導権を握られるのはどうも嫌がっているように見える。

おかげで、平沼赳夫の無力化はうまくいっており、最悪の政権ができる可能性はほぼ回避されていると私は見ている。