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柿沢家が欠けた「三国志」の行方は…都議補選・江東 山崎家、木村家の孫、共産、無所属が激突へ(東京新聞)

 多忙につき更新できない状態に憮然とする今日この頃で、下記記事に書かれている都議補選の討論会も、自宅からそんなに遠くない砂町銀座でやってたし、酒井菜摘衆院議員もゲストに来ていたらしいから暇があったら行きたかったが暇がなかった。

 

www.tokyo-np.co.jp

 

柿沢家が欠けた「三国志」の行方は…都議補選・江東 山崎家、木村家の孫、共産、無所属が激突へ

2024年6月26日 18時30分

 

昨年4月の区長選で公選法違反事件が発覚した東京都江東区では、1議席を争う都議補選(6月28日告示)が7月7日に投開票される。その区長選で敗北した自民党の元職は返り咲きを狙うが、国会議員や区議らが相次いで立件された上、派閥パーティーの裏金事件も追い打ちをかけ、「最大のピンチ」にある。(井上真典)

 

◆大逆風の自民は

 

6月16日に江東区内であった、立候補を予定する4人を集めた討論会。自民党公認で立候補を予定する元職の山崎一輝氏(51)は派閥パーティーの裏金事件を踏まえ、「なぜ自民党が責任をしっかりと取らないのか。(政治資金規正法の改正案で)なぜ一番厳しいものを提案・提示できないのか。これは国民の信頼を取り戻すことなんて到底難しい。国会議員とわれわれ地方議員は目指すものが違う」と、来場者に理解を求める場面もあった。

 

その翌17日、区内のホテルで山崎氏の決起大会があった。「ともに再出発」とのシールを胸に貼った陣営スタッフが、詰めかけた2000人超の支援者らを会場で案内していた。

 

同じ自民でも、都議補選足立区の新人候補予定者の決起大会の来場者は約300人。応援に来ていたある都議は「都議の候補者レベルではない。やっぱ特別だ」と圧倒されていた。

 

◆木村、柿沢両家がつまずき…残った山崎家

 

一輝氏の父親は、江東区長を4期務めた孝明氏(在任中の2023年4月12日、79歳で死去)。来場者は、孝明氏の代から山崎家を支援する人たちだ。

 

江東区に影響力のある政治勢力は、山崎家のほか木村家と柿沢家。昨年4月の区長選の直前に急逝した孝明氏に代わり、都議を辞職し長男一輝氏が挑んだが、約1万3000票差で木村弥生氏(58)に敗れた。その後、区長選を巡る公選法違反事件が発覚し、立件された木村氏や柿沢未途衆院議員(53)は公民権停止となった。

 

木村、柿沢の両家がつまずき、残った山崎家。しかし、安泰ではなかった。事件で、自民党の3区議が公選法違反(被買収)罪で在宅起訴され、離党。19年12月以降、地元では自民党の国会議員や重鎮だった元区議会議長が汚職事件で逮捕されるなど、自民への風当たりは強い。

 

◆決起大会に自民国会議員を招かず

 

自民党は4月の衆院東京15区補選で、地元から候補者を出せない状況にまで追い込まれた。そこで、党江東総支部で「再出発」と決めたのが、今回の都議補選だ。

 

「今回の都議補選が駄目だったら、一輝は終わる」。複数の自民党関係者はこの選挙を「背水の陣」とみる。決起大会にいたある後援会幹部は「来場者は多いが、これがどこまで票に結びつくのか」と複雑な心境をのぞかせた。

 

会場には、「最大のピンチ!かつてない逆風!」との垂れ幕を掲げた。選挙に悪影響が出ることを懸念し、現職の国会議員は招かなかった。支援者に向けて、都議補選の各立候補予定者の特徴を紹介し、選挙情勢を説明する場面を設けると言ったかつてない光景も見られた。「厳しい情勢を支援者と共有するためだった」と同党の区議は振り返る。

 

都議時代には、党内で反小池(百合子都知事)の先頭に立っていた一輝氏だが、「行政の継続性の観点では、小池知事しかいない」と支援する姿勢を鮮明にした。

 

◆共産「エース級」、無所属「トップ当選」、木村家は孫を擁立

 

江東区では、共産党公認候補で「エース級」(自民党区議)と目されている元会派幹事長大嵩崎(おおつき)かおり氏(57)も出馬を予定。「江東区では自民党政治家による汚職や不正が相次いでいる。なんとしても利権政治にまみれた今の都政を変えていきたい。物価高騰から若者、高齢者の暮らし、中小企業を守るために全力で頑張る」と訴えている。

 

また、不正に厳しい姿勢で臨み、昨年の区議選でトップ当選を果たした三戸安弥氏(35)=昨年12月の区長選出馬のため辞職=も出馬する。会見で、「元区長の不正をしっかりと(議会で)追及してきた。これ以上区民の皆さまの生活をないがしろにする、特定の国政政局の争いになるような選挙は終わりにしたい」と強調した。

 

さらに、木村勉元衆院議員(84)=木村弥生元区長の父=の孫で、若さを前面に出す法政大3年の高橋巧氏(25)も立候補を表明。会見で「若者は政治に無関心。自分が架け橋となって、これからの世代の閉塞感を打破しなければいけない。諦めではなく、希望を持てる社会にしたい」と述べた。

 

◆立候補予定者(五十音順)

 

大嵩崎かおり(おおつき・かおり)氏 区議・共産

三戸安弥(さんのへ・あや)氏 元区議・無所属

高橋巧(たかはし・たくみ)氏 法政大3年・無所属

山崎一輝(やまざき・いっき)氏 元都議・自民

 

東京新聞より)

 

URL: https://www.tokyo-np.co.jp/article/335672

 

 私は2012年衆院選で紙面を挙げて「日本未来の党」を応援した前科があり、長く長谷川幸洋が論説副主幹を務めていた東京新聞ははっきり言って大嫌いだが、こういうニュースは朝日や毎日ばかりか下町では強いらしい読売でもなかなか読めないので、その点だけはありがたい。

 私は江東区民ではあるけれども十数年前にやってきたよそ者なので、山崎一輝が再起を期す決起集会に2000人もの人が集まった、対して2期連続区議選トップ当選の立民候補を迎え討つ足立区では300人に過ぎなかったなどと聞くと、滅びつつあるとはいえ江東区の旧勢力はまだまだ侮れないんだなあと感心する。

 しかしこの山崎一輝、世襲政治家にありがちで、かつ失脚中の柿沢未途とは対照的な「押しの弱さ」があるように思う。

 昨年末以来の政局の震源地はここ江東区ではないかと私は密かに思っているのだが、あの時萩生田光一がおそらく彼の地元・八王子市長選での苦境を救うために代わりに小池に差し出したのが江東区ではなかっただろうか。だから、普通なら春の区長選に負けた山崎一輝が再び出てくるはずだった出直し区長選に、小池直系の大久保朋果が出てきた。つまり、萩生田は江東区小池百合子がコントロール可能な地域として差し出し、その代償に八王子市長選で助けてもらったのではないかというのが私の見立てである。弊ブログではもう使わないと決めた「萩生田百合子」という呼び方だけれども、あれは実にうまいこと言うなとは思った。

 でも、あの区長選では山崎一輝が突っ張って「俺が出る」と言って萩生田にごねる一手ではなかっただろうか。仮に大久保の代わりに山崎が立ったら酒井菜摘が勝てたとは私には思えない。酒井は区長選で名を打ったからこそ衆院補選では選挙前から区内での認知度が高く、そのために選挙戦を有利に戦えた。しかし区長選の時点では知名度はそれほど高くなく、選挙の情勢調査でもお膝下の立民支持層もそれほど強く固められずにいた*1。つまり山崎が出ていれば普通に勝ったのではないか。

 しかし山崎は萩生田に唯々諾々と従った。その結果、区長選に反小池で売る上田令子一派の三戸安弥を引っ張り出してしまった。今回の補選ではおそらくその三戸が山崎当選を阻む一番手の候補と見られる。衆院補選に当選した酒井と同様、三戸も昨年末の区長選で名を売ったことが選挙戦での大きなメリットになると思われる。

 そう考えると、昨年の出直し区長選に山崎を出さなかったことは、江東区自民党にとって大きな失策だったと思われる。もちろんそこから政局になったのだから、反自民の私などにとっては大いに歓迎できる情勢の変化だったが。

 それにしても、江東区というのは伝統的に自民も立民も弱いという不思議な区だ。

 現在は城東に立民の都議は他区も含めて一人もいないらしいが、小泉純一郎が郵政総選挙を仕掛けて大勝した2005年に、その郵政総選挙の2か月前に行われた都議選江東区選挙区で民主党候補が2人も当選していた。しかし2人とも右派で、1人は柿沢未途、もう1人は大沢昇といってのちに民民に移った人物だ。つまり江東区で伝統的に強かったのはむしろ反自民系の右派であって、それは柿沢家と木村家の親玉がともに新自由クラブに属していたことに起因する。だから自民も立民もこの区が苦手で、自民は前述の通り萩生田が江東区の自民を裏切ったし、立民はこれも私の憶測に過ぎないけれども、泉健太が代表になってしばらくの時期には江東区日本維新の会に譲り渡そうと検討していた可能性がある。そんな地域だから、先の衆院東京15区補選で右派新自由主義系候補が乱立し、酒井菜摘が漁夫の利を得ることができた。よそから来た区民としては、これほど興味をそそる地域の特性も珍しい。前に住んでいた香川1区は自民と立民のガチンコで、それに維新が絡もうとして失敗したというありふれた対立構図だった。

 だから明日告示の補選も興味津々だ。私としては「一輝が終わる」選挙結果を待望していることはいうまでもない。そうなればまたしても「時代の変わり目」を目撃することができる。

 だからといって「戦略的投票」で三戸安弥に入れるような真似は間違ってもしないけれども。あんな石丸伸二の支持者にして右翼の人士には死んでも投票しない。そういえば三戸は現在またかなりお腹が大きいらしいけれども。

*1:現在行われている都知事選の蓮舫も、知名度は抜群に高いににもかかわらず同様らしい。私の見るところ、立民右派支持層に相当離反されてしまっている。