kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

読売と朝日の社説に見る「ねじれ現象」

各紙とも一斉に福田首相を批判している。これは当然だが、各紙に微妙な論調の違いが見られる。

読売新聞は、自民党総裁選において、麻生太郎を積極的に支持するようだ。
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20080902-OYT1T00145.htm

 ただ、麻生氏の政策については、国民には十分に知られていない。いわゆる小泉構造改革を続けるのか、当面の景気浮揚を優先するのか。消費税率の引き上げの道筋をどうつけるのか。

としながら、

 日本の景気は後退局面入りが確実視されている。政府・与党は、事業規模11兆円超の総合経済政策をまとめ、補正予算で1兆8000億円の歳出を決定している。この経済政策の実効を上げることが、喫緊の課題である。

と書いており、つまり積極財政支持の立場だ。

一方、朝日新聞は、またしても「ネオリベ社説」を書いた。
福田首相辞任―早期解散で政治の無理正せ:asahi.com

この社説の末尾部分は看過できない。

 政治がいま迫られているのは、社会保障の立て直しと財政の再建を両立させる方法を国民に示すことだ。さらに、効果的な景気対策をどう講じるかという難題も重なっている。

 場合によっては、国民に痛みを強いる選択も避けられまい。民意を体した正統性のある政権を一日も早く日本に取り戻さなければならない。

国民に痛みを強いる選択。どこかで聞いたセリフではないか。朝日新聞は、「コイズミカイカク」の再来を期待しているとしか読めない。

政治ブログを見ていても、「反自公政権」系ブログの間に、自公政権の政策を「バラマキ」として批判する声が強い。
自公政権財政出動は、ハコモノに偏重するなどの使い道に問題はあるのだが、「バラマキ」というレッテルは、財政出動そのものを否定するニュアンスを強く持っている。7年前、こうした声の高まりによって、小泉純一郎は歓呼をもって迎え入れられたというのに、また同じ誤りを犯そうとするのか、と思ってしまう。

ちょっと前までは、「バラマキ」とは自民党民主党など野党の政策を批判するのに使われたレッテルだった。それが、いつの間にか立場が入れ替わっている。

こんな様子を見ていると、新自由主義の脅威はまだまだ健在だなと、暗い気分になる。