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クルーグマン教授が安倍晋三と会談、消費増税反対を表明(ロイター)

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0IQ0LL20141106

クルーグマン教授が安倍首相と会談、消費増税反対を表明
2014年 11月 6日 17:04 JST

[東京 6日 ロイター] - 安倍晋三首相は6日、来日中のポール・クルーグマンプリンストン大教授と首相官邸で意見交換し、クルーグマン教授は消費税の再増税延期について、その必要などを説いた。首相経済ブレーンの浜田宏一本田悦朗内閣官房参与が同席した。

同席者らによると、クルーグマン教授は米欧の経済情勢などについて見解を述べ、黒田東彦総裁による日銀の金融政策運営を支持すると語った。

また、日本については、デフレ脱却前の増税の危険性を明言した。首相は自分の意見をコメントせず、興味深く聞いていたという。

クルーグマン教授は、従来からデフレ脱却途上における昨年4月*1の消費税増税を強く批判し、ニューヨーク・タイムズ紙上などで持論を展開してきた。今回は国内大手証券のイベント出席などで来日。本田参与がこの日の会談を設定したという。

消費税再増税をめぐっては、政府内でも実施派と延期派の対立が目立っている。首相周辺の延期派は、再増税による日本の景気悪化が世界経済に悪影響を与えると。米国が懸念している点を強調してきており、きょうの会談におけるクルーグマン教授の発言は、延期派への援護射撃になったとみられる。

(竹本能文)


安倍晋三が消費税率再引き上げを延期するかどうかは正直微妙だと思う。浜田宏一本田悦朗は強硬な再引き上げ反対だが、黒田東彦は再引き上げ賛成で、先月末(10/31)というタイミングでの追加金融緩和も、株価を吊り上げて税率再引き上げの環境作りをする狙いがあったことは明らかだ。

昨年10月に安倍が消費税率引き上げを決断したのは明らかな失敗だった。消費税率引き上げ以降、景気回復にはっきりブレーキがかかり、安倍政権の経済政策を手放しに賛美する風潮も後退した。

前の民主党政権時代は、鳩山由紀夫から菅直人野田佳彦と総理大臣が代わるにつれて、どんどん財政再建至上主義に傾いていった。それは財務省の意に沿うとともに、民主党政権のスポンサーとも言われた朝日新聞の社論とも合致するものでもあった。朝日の財政再建至上主義は(毎日もそうだが)、もうずいぶん前からの社論だったが、野田政権時代は特にひどかった。あまりに頻繁だったので当時の朝日の社説を当ダイアリーで取り上げた記憶もあまりないが、民主党政権自民党との歩み寄りを強く促していた。朝日の要人では、民主党政権終了後、名誉職ともいうべき「特別編集委員」に就いた(=事実上お役御免となった)星浩が一時論説主幹代理の肩書きを持っていたが、その頃の朝日の社説はひどかった。現在は、今夏の朝日の自爆テロによって、安倍晋三を筆頭とする右翼からの朝日批判が全盛になっているため、朝日の「財政タカ派」的社論への批判は世間から忘れ去られてしまっている。だが、そうした朝日的「財政タカ派」言論を安倍晋三が受け入れたのが、昨年の消費税率引き上げの決断だったと思う。

今回は、山勘だが安倍晋三は消費税率再引き上げを見送るのではないか。そんな予感がする。少し前の内閣改造の時点で、安倍は再引き上げに踏み切るだろうと予想したが、考えを変えた。内閣改造直後と現在では、空気がずいぶん変わったからだ*2。もし税率再引き上げを見送った場合、それについては安倍晋三を批判することはしない。そうならずに、安倍晋三が消費税率の再引き上げを決断した場合は、当たり前だが安倍晋三を批判する。つまり私は消費税率の再引き上げに反対である。

*1:「今年4月」の誤記=引用者註

*2:安倍晋三は、政治思想面では極右思想に凝り固まった頑迷極まりない人間だが、経済政策には元来関心が薄く、周囲に影響されやすいと私は見ている。