kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

平均株価上昇局面でなければ、株式の売買で金儲けはできない

ブログを始めた頃に書いた記事より。
きまぐれな日々 株で儲けるには (2006年5月2日付)

バブル崩壊後、日本の株式市場は2000年に一時日経平均株価が2万円を超えたことがあったが(いわゆる「ITバブル」の頃)、この当時、「金融工学」なる言葉がもてはやされたことがあった。だが、専門家でも何でもない私の理解では、金融工学とは単なる確率論の応用問題でしかないのだ。理論的には、株価にはその時点までの情報がすべて反映されて決まっており、次の時点で株価がどういう動きをするかは、ランダム・ウォークの問題だ。つまり、ランダムな動きをするのであって、金融工学の理論からは、リスクを低減することはできても、大儲けすることなど決してできないという結論しか導かれない。

株で大儲けする方法はただ一つ、インサイダー取引を行うことだ。もちろん、違法行為だ。超人気サイト「きっこの日記」が、4月27日付の記事で、堀江貴文自民党を利用してインサイダー取引をやっていた噂があると書いているが、それは事実に違いないと私は思う。堀江貴文にせよ村上世彰にせよ、自らは何の価値も生み出さず、他人から金を巻き上げることでのし上がった人間だといえるだろう。彼らを「成功者」と呼ぶのが、小泉純一郎であり、竹中平蔵であるが、このこと一つをとっても、私は小泉や竹中を信用することができない。

付け加えると、平均株価が持続して上昇している期間中であれば、幸運によらず株式売買によって金儲けをすることは可能である。これは、1980年代末に日本人が熱中していたことでもある。

そうでない局面であっても、たとえば平均株価が横ばいの期間であれば、配当収入による金儲けは可能である。しかし、たとえばサラリーマンの給与所得に匹敵する収入を配当収入で捻出しようと思うと、莫大な投資が必要になる。基本的に、株式を売買すると手数料がかかるから、売買は最小限に抑えることが望ましい。

平均株価の下落局面にあっては、もはやお手上げである。この局面においては、幸運による一時的な儲けはあり得ても、インサイダー情報も得ずして持続的に株式売買で生計を立てることは不可能である。

新自由主義者が依拠する金融工学の理論により、株で儲けることなどできないことが示される。たとえば新自由主義系の経済学者である野口悠紀雄の著書などを参照されたい。

新自由主義者にとってさえそうなのだから、ましてや社会民主主義福祉国家などへの指向性を持つ人間が、株式投機に対していかなるスタンスをとるべきかは明らかだろう。

断っておくが、私は株に手を出すななどとは言っていない。自らが育てたいと思う企業への出資であれば、お金に余裕のある人はむしろやるべきだと思う。しかし、株式売買で金儲けしようなどと考えてはならない。そんなことを考えるのは投資家ではなく、投機屋に過ぎない。