石原慎太郎が東京都知事選への四選出馬をしないと報じられた。後継には神奈川県知事の松沢成文を指名する方針だという。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110222/lcl11022216030003-n1.htm
松沢は民主党の出身だが、松下政経塾出身の政治思想右派にして新自由主義者として悪名が高く、4年前の統一地方選では石原と松沢が相互に選挙を応援した。そのせいもあって、東京都知事選で民主党が推薦した浅野史郎氏と、神奈川県知事選で自民党が推薦した杉野正氏は、それぞれ石原と松沢に完敗した。民主党東京都連と自民党神奈川県連は、ともに顔を潰された形であり、特に神奈川県知事選においては、杉野氏は松沢の3分の1しか得票できず、屈辱的な惨敗を喫した。当時、自民党神奈川県連の河野太郎が石原に激怒し、自身のブログで激しい言葉遣いで石原を非難していたことを覚えている。
石原が出馬しない可能性は半分くらいはあると私は予想していた。昨年、石原が異様に入れ込んで名付け親にまでなった「たちあがれ日本」が参院選で惨敗し、与謝野馨が石原を裏切って菅内閣入りした時点で、もう石原の神通力は失せており、都知事選で橋下徹や河村たかしが東国原英夫を応援し、それが名古屋トリプル選挙のような旋風になったら、石原とて安泰とは限らない。石原は、誰よりも選挙で負けるのを嫌う人間であり*1、ましてや東国原ごときに負けることなど、石原にとってはその可能性を想定するだけでも耐えられないだろうから、必ず勝てると確信を持てない限り石原は出馬しないのではないかと想像していたからだ。逆に言うと、石原が出馬表明した時は、必ず勝てると確信した場合であり、そうなったら誰も石原には勝てず、橋下や河村も東国原を応援せずに見殺しにして、石原が四選されるだろうとも思っていた。
今回、石原が四選を断念するのは、やはり必ず勝てる自信が石原にはないということだ。都知事選が東国原、渡辺美樹、松沢と小池晃の戦いとなれば、私は個人的には小池晃を応援するし投票もするけれど、現時点で当選に一番近いのは誰かといわれると、ちょっと想像がつかない。石原が出ないとなれば、蓮舫が出馬する可能性も出てくる。
私が一番気になっているのは、「民主党A」などと自称している連中のことで、東国原は原口一博と連携して「維新の会」に参加の意向を示しているとのことだから*2、「民主党A」とやらは東国原を応援するのではないかとひそかに予想している。
いうまでもなく、東国原は一昨年には自民党から衆院選に立候補することを熱望していた人間だ。当時、東国原は「俺が自民党から立てば、自民党は衆院選に勝てる」とまでうぬぼれていたように見えた。そんな人間が原口一博に接近している。東国原が東国原なら、原口も原口だ。とんでもないポピュリストの野合。
そして、ブログのアクセス数累計が4千万件に達したという植草一秀は、下記のように絶叫している*3。
なんと植草は、「正統民主」（原口の言うところの「民主党A」）は、河村たかしのみならず橋下徹とも連携せよと言っているのだ。
なぜ、かくもひどい暴言に、3年前の大阪府知事選で橋下をこき下ろした現「小沢信者」たちは沈黙を守っているのだろうか。
おそらく、内心では植草の絶叫に疑問を感じながら、「小沢信者村」から「村八分」にされるのを恐れて何も言えない人たちもいることだろう。そんな小心な人たちが、「勇気ある自エンドクラブ」を気取っていたのだから笑うほかはなく、彼らについて行けない人たちには「鍋パーティー」への参加を強くおすすめする次第だが、それはおいといて、「地域新党」に東国原までもが加わることになれば、「民主党A」どもは東国原を応援し、「民主党B」は石原慎太郎の後継・松沢成文を応援するか、さもなくば蓮舫を立てるのだろうか。いずれにしても、ろくな候補ではない。「民主党A」と「民主党B」は、同じ穴の狢に過ぎないのである。
悪いことは言わない。心ある東京都民は、小池晃氏を応援しようではないか。松沢、東国原、渡辺が立候補し、これに蓮舫が加わったところで、これらの面々は一人残らず性質の悪い新自由主義者だ。格差の縮小と貧困の解消を目指す都政を実現できる候補者は、小池晃氏しかいない。
*1:1975年の東京都知事選で石原は美濃部亮吉に敗れたが、その時の屈辱は今でも石原のトラウマになっているといわれている。
*2:http://www.asahi.com/politics/update/0221/TKY201102210406.html
*3:http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2011/02/post-d026.html
