kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

共謀罪、小泉純一郎、東京都知事選、東国原英夫、鳩山邦夫などなど

石破茂の「秘密報道『抑制される』」の暴言は、保守派ばかりか一部「リベラル」までもが「政策通」だのなんだのと持ち上げてきた「ゲル」とやらの正体を露呈する以外のなにものでもないが。過去に石破を持ち上げてきた「リベラル」の人たちには、重ねて猛省を求めたい。

他にまたぞろ「共謀罪」創設の構想が報じられ、朝日新聞(12/12)の政界面を見ると、特定秘密保護法の不評で腰が引けた安倍晋三自身、これには及び腰だなどと書かれている。一部に「共謀罪」創設は「安倍晋三が一度もくろんだが挫折した」などと書いているブログもあったが、「共謀罪」創設の法案は過去3回、いずれも小泉純一郎政権時代に国会に提出された。第1次内閣時代の2003年、第2次内閣時代の2004年、そして第3次政権時代の2005年と3度提出された。つまり全3次の小泉内閣時代にいずれも提出され、衆議院の解散に伴って廃案になったのであった。つまり第3次小泉内閣のあと、第1次安倍内閣福田内閣麻生内閣と続いたが、その間、法案は「継続審議」の扱いだった。

それなのに、今頃になって「小泉が共謀罪の創設法案の強行採決を止めた結果、法案は廃案になった」などと書いていたやはり「リベラル」系のブログ記事があり、これには呆れてしまった。

Wikipedia「共謀罪」で審議の推移を確認しておこう。

  • 2005年10月4日、第163回国会(特別会)に内閣提出法律案として再提出される。継続審議。
  • 2006年4月21日、第164回国会(常会)法務委員会での審議入り。同日、与党修正案提出。
  • 2006年4月27日、民主党修正案提出。
  • 2006年5月19日、与党再修正案提出(4月21日修正案は撤回)。
  • 2006年6月1日、与党、民主党修正案の受け入れを発表。一方、法務大臣民主党修正案では条約批准が不可能であるとし、さらに与党の委員会理事から次期国会での改正を前提とした受け入れであることが示唆された。
  • 2006年6月2日、民主党は次期国会で改正される可能性があるとして、この日の委員会での採決を拒否。与野党間での協議は決裂し、与党は今国会での法案成立を断念した。
  • 2006年6月16日、与党は法務委員会で法案を継続審議とすることを議決した。その後、与党第三次修正案(正式な議案とはなっていない)について議事録に添付することを議決した。法的には全ての修正案は廃案に。
  • しかし、2007年1月19日安倍晋三首相は首相官邸長勢甚遠法相と外務省の谷内正太郎事務次官と会談し共謀罪創設を柱とする組織犯罪処罰法改正案について、25日召集の通常国会で成立を目指すよう指示したが、第166回国会、第167回国会とも審議に入らないまま継続審議となる。
  • 2009年7月21日衆議院解散、第171回通常国会閉幕により廃案となった。

つまり、事実を言えば、安倍晋三は確かに一度共謀罪創設をもくろんだことはあったが、なぜか第1次安倍内閣時代には法案の審議には入らなかった。2007年1月というと、改正教育基本法成立の翌月であり、ホワイトカラー・エグゼンプション(事務方労働時間規制適用免除制度)を規定する法案を舛添要一が「家庭団らん法案」などと詐称して批判されていた頃でもある。おおかた、世論の反発を恐れて法案の審議入りに入らなかったものであろう。
さらに、もっと強く言いたいのは、第3次小泉純一郎内閣時代には確かに修正案は廃案にはなったけれども、法案の原案を廃案にはしなかったことである。小泉は後継者、つまり安倍晋三にバトンを渡した。安倍晋三が第1次内閣の当初、「通常国会で成立を目指すよう指示した」のは、小泉純一郎の意を受けてのこととも解釈され得る。
こういう事実があるにもかかわらず、「小泉さんは偉かった、それに引き替え安倍晋三は」と言わんばかりの記事を「リベラル」のブロガーが書くとは、一体何を考えているのかと思う。「脱原発に頑張る小泉元首相を応援しよう」とでも言いたいのであろうか。それはそれで(私は反対だけど)一つの立場だが、そういう小泉へのシンパシーに発する思い込みで事実をねじ曲げてもらっては困るのである。実際には3度も共謀罪創設の法案を国会に提出した小泉純一郎政権は、その後の安倍晋三福田康夫麻生太郎のどの政権よりも共謀罪創設に前向きであった。これが事実である。


さて、話は変わって東京都知事の件。猪瀬直樹の進退、都知事選が行われる場合の候補者などが話題になっている。

昨日(12/11)書いた 東国原英夫、議員辞職の意向。宮崎県知事に出戻り狙うのか、それとも都知事選狙いか(追記あり) - kojitakenの日記 のコメント欄より。

http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20131211/1386715819#c1386731715

id:nessko 2013/12/11 12:15
石原慎太郎は長男を出したがっているのではと妄想したりしますが。
私の最悪の予想は、小泉純一郎が反原発派として出馬したりせんだろうか、というもので、反原発派やリベラル派の方たち(自民党的なものに対抗したい人たち)は、いまから有望な候補者を探していて欲しい、と切に願います。

石原伸晃ですか。そりゃ大いにありそうですね。石原伸晃東国原英夫だと、実質的に石原慎太郎橋下徹の維新の怪「東西対決」になります。いちおう「東京都」なので東軍が勝つかも。私はもちろん東軍、西軍ともに負けてほしいですけど。
横須賀の小泉純一郎が出馬することはいくらなんでもないのでは。ただ、小泉が出馬したら、(もしかしたら)上記のブロガー氏を含む「リベラル」の少なからぬ人たちが応援しやがるかも、とは思います、というより応援するんでしょうね。そうでなくとも、やれ小沢一郎だとかやれ山本太郎だとかやれ三宅洋平だとか、「リベラル」には「偶像大好き」の人たちが少なくありませんから。TBSの世論調査で「小沢一郎首相待望論」が10%もあったとかで狂喜乱舞しているおめでたい人たちもいますしね。


http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20131211/1386715819#c1386748549

id:surohnin 2013/12/11 16:55
>>東京都民のことだから、東国原を知事にしてしまうだろう

いくら何でも、都民を馬鹿にしすぎです。
それよりかは舛添がなる方がまだしもリアリティがあります。
実際には鳩山弟か谷垣あたりで落ち着くでしょうが。


ああ、あと猪瀬はもう絶対に持ちません。来年中に選挙でしょう。

そうですかね。もしかしてあなた、2011年になぜ石原慎太郎が突如都知事選に4選出馬したかお忘れなんじゃないですか。
石原は、当初松沢成文を後継者にして都知事を辞めるつもりだったのが、松沢と東国原の対決では東国原が圧勝するとの予測が出たので急遽出馬したんですぜ。
東国原と舛添、鳩山弟、谷垣あたりの対決なら、東国原勝利で決まりでしょう。それにあなたが挙げられた3人の中では、谷垣禎一はともかく、舛添要一鳩山邦夫あたりは人品骨柄から言っても東国原といい勝負でしょう。特に鳩山邦夫は、こいつと東国原のどちらかを選べと言われたら困ってしまうほどで、こいつが都知事になるくらいなら東国原の方がまだマシかもしれないとすら思います。詳しくは「鳩山邦夫 裏切りの人生」をご参照あれ。
ただ、nesskoさんの挙げられた石原伸晃であれば、応援に「石原軍団」とやらが繰り出されるだろうし、東国原に勝つ可能性があります。っていうか勝つでしょう。私は石原伸晃なんか鳩山邦夫東国原英夫と同じくらい大っ嫌いですけど。