kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

検察庁法改正案の今国会成立を断念、継続審議に

 今週の政治ニュースの焦点になると思われた検察庁法改正案の成立が見送られ、国家公務員法改正案などの「束ね法案」もろとも継続審議とされることが決定した。以下時事通信記事へのリンクと引用。

 

www.jiji.com

 

検察庁法改正、今国会断念 政府・与党―世論が反発、求心力低下必至

 

 政府・与党は18日、検察官の定年を引き上げる検察庁法改正案の今国会成立を断念した。安倍晋三首相が自民党二階俊博幹事長に伝えた。同改正案に対する世論の強い反発で見送りに追い込まれた形で、求心力低下は必至だ。

 当面は新型コロナウイルス感染対策に集中し、秋に予定される臨時国会での成立を目指す。

 首相は、二階氏と首相官邸で会談、同改正案について「国民の理解なしには進められない」との認識で一致した。この後、自民、公明両党の幹事長、国対委員長は、「束ね法案」となっている国家公務員法改正案などとともに継続審議とすることを確認した。

 

時事通信 2020年05月18日 16時29分)

 

出典:https://www.jiji.com/jc/article?k=2020051800607&g=pol

 

 与野党で改正に関して意見の相違がない、「束ね法案」の他の法案である国家公務員法改正案もろとも継続審議にしてしまうあたり、今回の「法改正」の真の目的が、政権が検察トップの人事をほしいままにすることにあると自ら白状しているようなものだ。

 実にふざけた話であって、「人の噂も七十五日」を狙っているとしかいいようがないが、今後安倍政権の「コロナ後」もしくは「間コロナ期」の経済政策が批判を浴びることは必定だから、政権の狙い通りにはならない可能性が高い。

 問題は、安倍政権批判の世論が維新支持へと誘導されつつあることで、これは政権を大いに助けてしまう。大阪腐知事・吉村洋文のバブル人気など有害の一語に尽きる。今回の検察庁法改正案に対しても吉村は「反対ではない」と明言したし、維新は採決されれば賛成票を投じるつもりだった。

 「笛美」氏の投稿から始まったツイートのデモが与党に強行採決を躊躇させ、朝日新聞およびANNの世論調査安倍内閣支持率急落の結果が出たことで、今国会では危機一髪で難を逃れ、自民党内からもようやく二、三人の議員が安倍政権批判を始めたが、これが大きな流れになるかどうかは全く予断を許さない。

 ただ思い出すのは、13年前の2007年に第1次安倍内閣の支持率が「消えた年金」問題浮上から急落したのも5月だったことだ。支持率急落の世論調査が報じられたのは、今よりもう少し遅い5月下旬だったと記憶するが。

 とはいえ、あの頃には維新などの「第三極」の政党は存在しなかった。維新だの小池百合子だのといった新自由主義政党及び人士のいかさま性に対する徹底的な批判が必要だ。

 なお、今回の与党の方針転換は読売新聞が先行して報じ、他のメディアが読売に追随したが、NHKの報道が遅れた。これについて、方針転換に安倍晋三が抵抗したからだとの観測があるようだが、大いにあり得る。というのは、検察庁法の「改正」は、安倍晋三が自らが逮捕される可能性を低くして枕を高くして寝られるようにするという身勝手な欲望によるものだから、その野望を挫かれまいと安倍が方針転換を渋ることは、独裁者としてはごく自然な心理だからだ。だから安倍晋三と強く癒着しているNHK記者の岩田某が、安倍が方針転換する確信を持てず、それで報道が遅れたと考えられる。一方、最近は安倍との距離が大きくなったとされる菅義偉や、もともと検察庁法「改正」に何のメリットもない自民党幹事長の二階俊博らから取材すれば、強行採決なんかをやったら政権支持率がさらに下がって衆院選が危なくなるから、彼らが今国会での法案成立断念に傾くのは当然だ。おそらく菅や二階は、その理屈で安倍晋三を説き伏せたものだろう。逆にいえば、その程度のことさえ理解できないくらい安倍晋三心理的に追い込まれているともいえる。