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古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

北朝鮮、張成沢氏の死刑執行 「国家転覆を画策」(朝日)

朝日新聞は、昨日(12/13)の夕刊、今朝の朝刊ともこのニュースが1面トップ。下記の2本の記事は、最終版では昨日の夕刊に掲載された。


http://www.asahi.com/articles/TKY201312130003.html

北朝鮮張成沢氏の死刑執行 「国家転覆を画策」


 【ソウル=中野晃】北朝鮮朝鮮中央通信は13日、失脚した張成沢(チャンソンテク)・前国防委員会副委員長(67)が処刑されたと伝えた。12日に開かれた特別軍事裁判で、張氏がクーデターを画策する「国家転覆陰謀行為」を認めたとして死刑判決が下され、ただちに執行されたとしている。事実上のナンバー2だった張氏の処刑で今後、側近らの粛清が続くとみられ、金正恩(キムジョンウン)第1書記の独裁体制が強まる見通しだ。

 故金正日(キムジョンイル)総書記の妹の夫で、正恩氏の義理の叔父にあたる張氏は正恩氏の「後見人」とされてきたが、反党反革命的な分派行為や不正・腐敗行為があったとして、8日の朝鮮労働党政治局拡大会議で党行政部長などすべての職務から解任された。

 その4日後の軍事裁判と処刑の即時実施について韓国の情報機関・国家情報院は「公正な手続きを経たと示すための演出だ。張氏の勢力の反発の芽を事前に摘み、恐怖感を作り出すのが目的だ」と分析。韓国政府は、北朝鮮が武力挑発行為に及ぶ恐れもあるとして警戒を強めている。

朝日新聞デジタル 2013年12月13日11時49分)


http://www.asahi.com/articles/TKY201312130039.html

正恩氏、「金王朝」の絶対権力示す ナンバー2の処刑


 【ソウル=貝瀬秋彦】北朝鮮金正恩(キムジョンウン)第1書記は、義理の叔父であり、後見人とされてきた張成沢(チャンソンテク)氏を処刑することで、自らの「唯一指導体系」に挑む者は誰であろうと絶対に許さないという意思を、内外に鮮明に示した。

 張氏の処刑を伝える北朝鮮メディアは、張氏が「政権への野心」に狂ってクーデターを起こそうとしたと糾弾。「党と国家、軍隊と人民は金日成(キムイルソン)、金正日(キムジョンイル)、金正恩同志以外は誰も知らない」と強調した。

 張氏は2011年12月に金正日総書記が死去した直後から、若い正恩氏を支える形で事実上のナンバー2となった。正恩氏の意向に異議を唱えることもあったとされ、正恩氏はその権力の肥大化を恐れていたとみられる。北朝鮮では金日成主席、金総書記の時代も、権力を持ちすぎた者は失脚・粛清の憂き目に遭ってきた。

朝日新聞デジタル 2013年12月13日11時33分)


北朝鮮は「報道の自由」がない国だから、上記2本の記事はいずれもソウルの特派員が伝えている。

このような「恐怖政治」を行う北朝鮮の政治体制はもとより論外であるが、この件で私が思い出したのは、昨今とみに「反中」よりも「反韓」を好む傾向の強い日本の右翼たちのことだ。『週刊文春』は、安倍晋三は中国と韓国のどちらと先に首脳会談を行うべきかというアンケートに、大多数の読者が「中国」と答えたと書いている。実際、「もし朝鮮戦争がもう一度起これば、俺は北朝鮮を応援する」と言い放つネトウヨは少なくない。

報道の自由」のない北朝鮮とは、ある意味「特定秘密保護法」を強行採決で成立させた安倍晋三や、その安倍を熱烈に支持するネトウヨたちにとっての「理想郷」と言っても過言ではない。

実際、安倍晋三が回帰を目指す戦前の日本においても、権力による残虐かつ理不尽な殺人は、日常茶飯事として行われていたのである。