北朝鮮のナンバー2処刑の報に接して、タイトルに記した、昔の「素粒子」(朝日新聞)か「近事片々」(毎日新聞)ふうの文句が思い浮かんだ。
北朝鮮の件は措くとして、今回の特定秘密保護法成立は、安倍晋三の本性をまざまざと示すものであった。
2007年の第1次安倍内閣の自滅は、その1か月あまり前に行われた参院選での自民党惨敗が直接のきっかけになっている。この時、それまで「安倍政権打倒」を叫んでいたあるブログが、下記の記事を書いた。
- 喜八ログ: 安倍首相が辞意(2007年9月12日)
2007年09月12日
安倍首相が辞意
安倍首相が自民党幹部に辞意伝える
[2007年9月12日12時59分]
(「時事通信」より転載)
これが事実であれば「安倍さん、お疲れさまでした」と言おう。
俺(喜八)は水に落ちた犬は叩かない(人間が「甘く」できているので)。
今回の特定秘密保護法成立は、上記がいかに誤った態度であったかを如実に示すものといえよう。
あまつさえ、その後ブログ主が血道を上げたのは「平成の松岡洋右」にして「××は氏ななきゃ治らない」城内実の支援であった。これまた大間違いであったことは、数え切れないくらい繰り返し指摘してきた通りである。
私は、何も安倍晋三の命まで奪ってしまえと言っているのではない。それでは北朝鮮の金正恩と同じになる。
私が非難したいのは、これまた何度も書くけれども、たとえば第1次安倍内閣が倒れても「改正教育基本法」は残ったにもかかわらず、政権交代で成立した民主党政権の初代首相・鳩山由紀夫が「尊重するのは当然のことだ」とほざいて同法を堅持した*1ことである(もちろん、これはほんの一例に過ぎない)。そんな状態だったのに、それまで安倍政権を批判してきたブロガーが「水に落ちた犬は叩かない」と言い出すのでは、安倍晋三の思う「壺」であった。そればかりか、かわいい子分の城内実まで熱烈に応援してくれて、安倍晋三はさぞかし笑いが止まらなかったであろう。
今回も同じである。安倍政権を再び打倒するだけではなく、第1次、第2次を通じて安倍内閣が成立あるいは改「正」させたあらゆる悪法を、廃止するなり元に戻すなりしなければならない。
政権交代を「無血革命」と呼ぶなら、そこまで主張してしかるべきであろう。民主党政権に交代した時、「無血革命」だなんだとはしゃいでいた連中(その大半は「小沢信者」だった)のうち、いったいどれくらいの人間が、教育基本法を元に戻せと主張しただろうか。
彼らは「革命ごっこ」に興じていた己の愚かさが現状を招いたことを思い知るべきである。