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古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

歴史的な南北首脳会談と「蚊帳の外」安倍晋三との目も眩む落差

昨日(4/27)、歴史的な朝鮮半島の南北首脳会談が行われた。

「完全非核化」目標、年内に終戦 南北首脳が板門店宣言:朝日新聞デジタル

「完全非核化」目標、年内に終戦 南北首脳が板門店宣言
高陽〈韓国北西部〉=武田肇
2018年4月27日22時27分

 韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領と北朝鮮金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は27日、南北の軍事境界線をまたぐ板門店で11年ぶりの首脳会談を行い、朝鮮半島の「完全な非核化」実現を目標に掲げた「朝鮮半島の平和と繁栄、統一に向けた板門店宣言」に署名した。1953年7月から休戦状態にある朝鮮戦争を年内に終わらせる意思を確認。文氏が今秋、平壌を訪問することでも合意した。

 南北首脳による会談は、2000年に金大中(キムデジュン)大統領、07年に盧武鉉ノムヒョン)大統領が、それぞれ北朝鮮金正日(キムジョンイル)総書記と平壌で会談したのに続いて3回目。北朝鮮の指導者が韓国側に入ったのは史上初めてだ。

 会談は、板門店の韓国側の施設「平和の家」などで行われ、うち約30分間は野外のベンチで2人だけで協議した。宣言への署名後、両首脳は共同発表した。正恩氏にとっては、韓国など西側メディアの前で初めての記者発表だった。

 会談では、①朝鮮半島の非核化②恒久的な平和の定着③南北関係の進展が主な議題になった。

 最大の焦点である非核化について宣言は、「南北は完全な非核化を通じ、核のない朝鮮半島を実現するという共同の目標を確認した」と明記した。ただ「完全な非核化」の具体策やその手法、期間は記されなかった。正恩氏は共同発表では、非核化や対米関係などに一切言及しなかった。

 正恩氏は6月初めまでに、「非核化の唯一の交渉相手」とみなすトランプ米大統領と会談する見通しだ。「完全で検証可能かつ不可逆的な核廃棄」を短期間に行うよう求めるトランプ氏との会談で、正恩氏が非核化にどのように応じるかが注目される。

 一方、宣言には南北の平和構築と関係改善に向けて多くの要素が盛り込まれた。

 朝鮮戦争の「休戦協定」を「平和協定」に転換するため、韓国、北朝鮮、米国の3者、または中国を加えた4者の会談開催を積極的に進めていくとした。軍事的緊張を緩和するため、5月から軍事境界線一帯での敵対行為を中止し、幅4キロの非武装地帯(DMZ)を、「実質的な平和地帯」に変えることも掲げた。

 「南北関係の進展」をめぐっては、8月のジャカルタアジア大会での南北共同入場や、北朝鮮・開城(ケソン)への南北共同連絡事務所の設置などが記された。南北の鉄道や道路の連結といった経済協力にも触れたが、国連安全保障理事会による経済制裁北朝鮮に科せられているため、今後、国際社会の反応をみながら南北で協力のあり方を模索するとみられる。両首脳は定期的な会談と直通電話を通じて、課題について議論を続けることでも一致した。

 共同発表で文氏は「朝鮮半島でこれ以上戦争は起きない」と強調。過去の数々の合意が実現しなかったことを念頭に「我々は決して後戻りしない」と話した。正恩氏も「歴代の合意のような残念な歴史が繰り返されないようにする」と語った。

 日韓はじめ各国のメディアが会談や共同発表の模様を生中継した一方、北朝鮮の国営メディアは27日夜時点で宣言の内容について報じていない。(高陽〈韓国北西部〉=武田肇

朝日新聞デジタルより)


南北首脳会談の背後にはもちろん米中の駆け引きがあるのだろうが、力を失って東アジアに手を出す余裕がなくなってきたアメリカにとっても、2013年に親中派とされた張成沢が処刑されて以来「自主独立派」(と思われる)金正恩に怒り心頭だった中国にとっても、金正恩を無力化することによって朝鮮半島の核の脅威を抑えるメリットがあるし、それは日本にとっても大きなメリットになる。そんなことは当たり前だろう。

一方、「北朝鮮の脅威」を政権維持のエネルギー源にしてきた安倍晋三にとって、南北首脳会談は大きなデメリットになる。この点では、安倍はトランプとも利害が対立している(笑)。

しかし、どうしようもないと思うのは、「リベラル」系とされるTBSやテレビ朝日を含めたあらゆるメディアが、そんな安倍に忖度するような妄論を垂れ流し続けていることだ。あれに接していると文章を書く気力が萎える。

そもそも朝鮮半島が2つの国家に分断されていることに、日本は大きな責任がある。それどころか植民地支配時代からの加害責任もある。

38度線での分断は、言ってみれば糸魚川静岡構造線新潟県の親不知から静岡県の安倍川までを結ぶ断層)を境に日本が分断されたようなものだ。日本にも敗戦時に4分割される構想があった。朝鮮半島で親族が南北に分かれてしまったための悲劇は数知れない。しかし、そんなことに思いを致そうとする「ニッポンジン」は決して多数派ではないとしか思えない。多くの「ニッポンジン」は、TBSやテレビ朝日など「リベラル」系を含めてメディアが垂れ流す安倍晋三とその政権への忖度を込めた宣伝放送にうなずいている。その心性は戦前といくらも変わらないのではないかと思われる。

それらへの毒消しとして、『広島瀬戸内新聞ニュース』から記事を2本引用しておく。

朝鮮半島が平和になれば日本の米軍基地に朝鮮のミサイルが飛んでくる可能性もなくなる。 : 広島瀬戸内新聞ニュース(社主:さとうしゅういち)(2018年4月28日)

日本がミサイルで攻撃される可能性があるとすれば、朝鮮半島で武力衝突があって、朝鮮が米軍をたたくために、日本の米軍基地を攻撃するケースだろう。

だから、朝鮮半島での「65年ぶり終戦」については、少なくとも、全日本国民が素直に歓迎すべきだろう。

もちろん、本社社主個人としては、南北分断の間接的な原因を日本がつくったことは申し訳ないと思っているが、それを抜きにしても、全ての日本人が歓迎すべきだと思う。

「朝鮮の脅威」が消えてしまうことで、「飯の食い上げ」になってしまう人は別にして。


日本は邪魔をしただけである【朝鮮半島緊張緩和】 : 広島瀬戸内新聞ニュース(社主:さとうしゅういち)(2018年4月27日)

朝鮮半島の平和を願う全てのコリアンの皆様にはお祝い申し上げる。


それとともに、以下の点は指摘したい。
正直、今回の南北首脳会談に至る緊張緩和については、日本(安倍ジャパン)は途中までは邪魔をしただけであるといってもいい。


緊張緩和を最も嫌った国が日本だったと言うことは忘れてはならない。
日本は植民地支配により、間接的に南北分断の原因をつくった。そのことの反省もなく、緊張緩和を嫌っていたのは事実。


最後になってあわてて文在寅安倍晋三が拉致を取り上げてくれるよう頼んだだけである。


日本が制裁したから朝鮮が交渉に応じた、というのも「大本営発表」だ。


中国の制裁しか効いていない。
朝鮮が核放棄を決断した理由は2つ。
アメリカの朝鮮への脅威がなくなる算段がついたため。
そして中国に制裁を解除してもらい、中国の経済発展のおこぼれにあずかるため。
日本は関係ない。

今朝テレビ朝日の番組を見てたら、対話の枠組がアメリカを入れた3か国になるか、さらに中国を入れた4か国になるかという話が出ていた(これは後者以外考えられないと思う)。いずれにせよ日本は「蚊帳の外」に置かれるわけだが、「緊張緩和をもっとも嫌った国なんかお呼びじゃない」のはあまりにも当然だ。

安倍晋三といい、その安倍を首領様として崇め奉る自民党議員(未明の朝生も半分ほど見たが押されっ放しの山本一太片山さつきは実にみじめだったなw*1)やネトウヨといい、いい加減でかい顔してのさばるのはやめてほしい。こいつらのせいで今後の日本には暗い展望しか持ちようがない。南北首脳会談との落差の大きさには目が眩むばかりだ。

*1:あと、中日新聞東京新聞論説委員長谷川幸洋の凶悪さは本当にひどかった。長谷川の前では三浦瑠麗もかすむほどの極悪ぶりだった。あんなのを脱原発派や「小沢信者」どもが一時崇め奉っていたのかと思うと、口元に黒い嗤いが浮かんでくるのを抑えられなかった。中日新聞東京新聞は今年度もこいつを飼い続けるのかと思うと、この新聞社への怒りが改めて込み上げる。