kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

福島原発をめぐる報道情報がどんどん悪くなっているのだが

なぜか福島原発の危機に注目する人が少ないが、報道情報はどんどん悪くなっている。それに、ある時点から原発に関する報道量が目立って減った。

なにしろ、日本発の「原子力緊急事態宣言」(非常事態宣言)の発令なのだから、必要以上に事態の深刻さを過小評価するようなNHK以下の報道姿勢は大いに疑問だ。新聞の方はNHKと比較するといくぶんまともである。

以下、産経と読売の記事より。


http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110312/dst11031211440171-n1.htm

福島原発1号機で燃料棒が露出の可能性 放射能漏れの恐れ
2011.3.12 11:43


 原子力安全・保安院は12日、福島第1原発1号機の減圧作業で、原子炉内の水位の低下が続き、燃料棒が露出している可能性があると発表した。

 燃料棒が露出すると、原子炉内の温度が高まり、最悪のケースでは炉心が崩壊し、放射能が漏れる恐れもある。

 保安院はこれまでに消防車のポンプを使い、原子炉内に6千リットル以上の水を注入している。このため、水位を測定する機器が正常に作動していない可能性もあるとして、慎重に状態を調べている。


http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110312-OYT1T00387.htm

福島第一原発の緊急事態、想定上回る危険水域


 原子炉格納容器内の圧力を下げる作業が始まった福島第一原発1号機の緊急事態は、経済産業省原子力安全・保安院の当初の被害想定を上回る危険水域まで達していることが12日わかった。

 政府の緊急災害対策本部が公表した資料によると、昨日午後10時の時点で最悪の事態が想定されたのは、原子炉の水位が異常低下した同原発2号機。想定では、水位低下で、核燃料棒が露出し、溶融。最悪の場合、格納容器内の圧力が通常運転時の1・3倍程度の527・6キロ・パスカルに達し、爆発を避けるため水蒸気を放出するシナリオを描いていた。実際は、水位が安定し、放出は不要だった。

 燃料損傷の危険が迫っていたのは、実は1号機だった。12日午前2時半に、格納容器内の圧力は、通常時の2・1倍の840キロ・パスカルに達していたことが確認された。想定をはるかに超え、燃料の溶融が起きていてもおかしくない事態だった。

 圧力を下げる作業が行われる同原発1号機では、施設内の中央制御室の放射線量は、通常の1000倍に達している。現時点では放射線量は少なく、燃料の損傷を示すような異常は検知されていない。すぐに炉心溶融につながる最悪の事態(過酷事故)に発展はしないものの、放射性物質の漏えいの原因につながるような内圧の上昇、何らかの燃料棒の損傷や異変が起きている可能性がある。

 このような状況では、炉心が過熱している恐れがある。それが圧力上昇の原因とも考えられる。圧力が異常に高まると、緊急用の冷却水を原子炉内に注入する緊急炉心冷却装置(ECCS)の稼働もできなくなり、制御がますます困難になる。微量の放射性物質を含む水蒸気が外部に放出される程度なら深刻ではないが、燃料棒が損傷して露出し、水蒸気と反応して爆発するような事態になれば、大量の放射性物質が外部に放出されることになる。1979年の米スリーマイル島原発事故と同様の最悪のケースになる恐れもある。
(2011年3月12日13時21分 読売新聞)