kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「原発5基、予測超す劣化…運転延長基準に影響も」(読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20120211-OYT1T00846.htm

原発5基、予測超す劣化…運転延長基準に影響も


 国内の商業用原発全54基のうち5基で、原子炉圧力容器の脆(もろ)さの指標となる「脆性遷移(ぜいせいせんい)温度(関連温度)」が、予測値を上回っていたことが読売新聞社の調査でわかった。

 炉が予測より早く脆くなっている可能性がある。予測値のズレは圧力容器の劣化の正確な把握が困難であることを意味するだけに、古い炉の運転延長に向けた国の基準作りなどに影響を与えそうだ。

 原発を持つ電力会社10社に関連温度などをアンケートで尋ね、取材で補足した。

 鋼鉄製の圧力容器は、原発の最重要機器だが、中性子を浴びて次第に脆くなる。関連温度が高いほど、衝撃に対する強度は低い。関連温度は対象に衝撃を与えて破壊する実験で推定するため、圧力容器本体での測定はできない。電力各社は容器と同じ材質の試験片を炉内に置き、数年〜十数年おきに取り出し実験している。
(2012年2月12日03時00分 読売新聞)


これは玄海原発1号炉で以前から問題とされてきた件だが、こんな記事が読売に載るとはとまず驚いた。

そして思ったこと。まずこの5基とはどこなのか。読売新聞本紙には書いてあるのか。

もう一つ。40年を超えて稼働している敦賀(日本原電)、美浜(関電)の各1号機や危険が指摘されている玄海1号機など一部の原子炉を切り捨てて他の原発の再稼働に結びつけようという意図が読売にあるのではないかという陰謀論。おそらくこの憶測は間違いで、記者は粛々と取材を行い、記事にしただけだとは思うが、読売の幹部がそういう動きに結びつけようとする可能性はある。

実際、浜岡原発の停止はそれと引き換えに他の原発を再稼働させようとする経産省とその意を受けた当時の経産大臣・海江田万里の方から当時の首相・菅直人に働きかけたものだといわれている。そのもくろみ通り海江田は玄海原発再稼働へと動いたが、菅に阻まれた。これが国会で海江田が泣いたり、海江田が民主党代表選で小沢一郎に担がれる理由になったと私は考えている。今にして思えば菅が海江田を阻んだことは大きかったが、代表選が「野ダメ」(野田佳彦)対海江田という原発推進派同士の戦いになったことは、国民に民主党への失望感を与える結果になった。

読売の報道を読んで思い出したのはそんなこんなのあれこれ。今回も、報道の意図はどうあれ、原発推進派がどんどん追い込まれてきていることは間違いないと思うのだ。