kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「風評被害」ではなく「東電被害」だ

金子勝がTBSの「サンデーモーニング」に出演する頻度が減っているような気がするのだが、今後、再生可能エネルギーの問題に視聴者の目を向けさせまいとするテレビ局が、ますます出演を減らすのではないかと私は予想している。

逆に、「原発のスイッチを入れよ、入れさせたら小沢一郎を支持する」などと意味不明のことを書いて、東電をはじめとする電力会社に尻尾を振った電波芸者森永卓郎あたりはテレビ出演が増えるかもしれない(笑)。

金子勝Twitterで「風評被害ではない、東電被害だ」と繰り返し叫んでいる*1

本当にその通りだと思う。東京電力の責任については、毎日新聞が震災2日後の13日に早くも、厳しい東電批判の記事を大きく載せていて、あれっと思ったが、テレビに出てくる毎日新聞の人間といえば主筆岸井成格論説委員の福本容子であり、福本などはテレビ朝日の番組で「東電の社員や幹部を批判するのを慎んでほしい」などと論外な言葉を口にしていた。冗談じゃない。東電社員はまだしも、なんで東電の幹部なんかまで免責しなければならないのだ。福本に限らず、大新聞の経済記者は経団連べったりだと認識すべきだ(朝日新聞一色清の顔を思い浮かべられたい)。一部の新聞記者の奮闘はあっても、東電批判をエネルギー政策の転換までにつなげる議論の流れは、まだ世論の主流になるにはほど遠い状態だ。

韓国では、雨が降ると「放射能が降ってくる」として学校が休校になり、東電が海に放射性の汚染物を垂れ流した時には、日本から情報を事前に得ることができなかった政府が「無能」だとして厳しく批判されているという。もちろん韓国政府が「無能なのは日本政府のせいだ」と反論していることはいうまでもないし、その反論は正しい。

原発を推進してきた日本政府、民主党もそうだがそれ以上に自民党、その中でも「保守本流」よりも中曽根康弘や読売新聞の正力松太郎といった「保守傍流」を強く批判すべきことは当然だ。もちろん、経産省も同様に厳しく批判しなければならない。

だが、今回の原発事故は、第一義的には「東電被害」なのだ。まず何より第一に、東電の責任を厳しく追及し、最終的には戦時中から続いてきた電力9社(のち沖縄電力を入れて10社)の体制を改める電力業界の再編を行い、再生可能エネルギー推進に重点を置いた政策転換につなげなければならない。