kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

プロ野球交流戦、パ・リーグの方が強い理由

プロ野球交流戦が終わった。昨年はパシフィックリーグの6球団がAクラス、セントラルリーグ(読売リーグ)の球団がBクラスに分かれたが、今年は読売リーグの中日が14勝10敗と勝ち越して4位に食い込んだ。しかし、読売リーグの他の5球団はすべて負け越しで、同リーグで人気の高い読売と阪神は昨年より成績を悪化させたほか、リーグ首位のヤクルトも最終戦に敗れて勝率5割に届かなかった。横浜と広島は昨年同様大きく負け越した。結局、パシフィックリーグの方が圧倒的に強いという印象は今年も変わらなかった*1

衣笠祥雄(元広島)や広澤克実(元ヤクルト、読売、阪神)といった読売リーグ出身の解説者は、ドラフトのくじでパシフィックリーグのチームが良い選手(特に投手)を引き当てたからだ、などと言っている。しかし、それだけではないと私は思う。

セントラルリーグというのは、読売ジャイアンツあってのリーグであり(だから私は読売リーグと呼んでいる)、せいぜい読売のライバルとしての阪神と中日はそこそこ強くても許容する、という硬直した体質を持っている。1997年にはその秩序が崩れ、ヤクルトと横浜が優勝を争い、広島が3位に食い込んだが、リーグの偉いさんは「三大都市のチームが不振だったからリーグが盛り上がらなかった」とほざいたのである。ヤクルトはいったいどこのチームなのかと呆れたが、それ以降読売、阪神、中日の3球団に偏重した運営を行った結果、ヤクルト、広島、横浜の下位3球団との力の差が広がり、Aクラス3球団とBクラス3球団がほぼ固定されるようになった。すると、リーグ全体のレベルが下がっていったのである。それが、昨年途中からヤクルトが上位3球団と互角に戦えるようになって、やっと少し活性化しはじめてきた。しかし、広島と横浜はいまだにクライマックスシリーズに出場したことがなく、今年の交流戦でもこの両チームはパシフィックリーグのチームに惨敗した。

一方、パシフィックリーグでは、主に西武とダイエー(当時)ばかりが強かった時代から、ロッテや日本ハムが上位に加わって日本シリーズ制覇も経験するようになり、どのチームが優勝してもおかしくない状態になった。現在は星野仙一が足を引っ張る楽天も、野村監督時代にはクライマックスシリーズ第2ステージに進出した。オリックスもその前年にクライマックスシリーズに出場しており、パシフィックリーグでは全球団がクライマックスシリーズ進出を経験している。

何より違うのは、パシフィックリーグの場合、特定の球団が優勝することが「予定調和」になんかなっていないことだ。だから、選手にせよ球団経営にせよ、モチベーションがセントラルリーグ(読売リーグ)の球団より高いのではないか。

交流戦は、日本生命がスポンサーになっている関係上かどうか知らないが、毎年5月から6月にかけて集中的に行われる。現在MLBでもインターリーグをやっているが、こちらはヤンキース対メッツなどのダービーマッチを恒例とする一方、何年も当たらないカードがあったりするなど結構いいかげんな運営だ。試合数自体も日本よりむしろ少ない。しかし、MLBの場合は同一リーグで別地区に属するチーム同士の対戦なら年中やっている。だから、同一カードの対戦数はそんなに多くない。

日本の場合は、片一方のリーグが、特定の球団が強い状態を「予定調和」とするかのような異常なリーグで、その弊害が大きいし、リーグ内の同一カードの対戦数が多過ぎるから、交流戦をかつてのような3連戦システムに戻して各カード6試合とするとともに、時期も2回に分ければ良いのではないか。その分リーグ戦の試合数を減らせば良い。本音を言えばもう1リーグ制にしてしまった方が良いのではないかとも思うけれども。

*1:ただ、今年のパシフィックリーグは、監督(星野仙一)が自ら足を引っ張る楽天の不振は予想通りだったが、昨年の日本シリーズ覇者・ロッテがあんなに負けるとは思わなかった。ロッテは好不調の差の激しいチームで、レギュラーシーズンを1位で終えたことはもう何十年もないはずだ。一昨年から昨年にかけて楽天の本拠地・仙台で十何連敗したこともあった。それなのにその昨年を含めて、最近2度も日本シリーズを制覇している。実に不思議なチームだ。