kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

広島、読売を倒してセ・リーグ制覇

プロ野球セントラル・リーグで広島が25年ぶり7度目のリーグ優勝を決めた。10日に東京ドームで行われた読売対広島22回戦に6対4で勝って決めた。

昔はプロ野球、特にセ・リーグのチームが優勝を決める試合は、読売以外の球団でも優勝を決める試合だけは全国放送するという習わしがテレビ界にあったため。毎年のようにテレビの生中継でセ・リーグの優勝試合を見ていた。しかし最近は地上波ではプロ野球中継自体をやらなくなっていたし、読売が優勝した年は、優勝の決まる不快な試合など見る気もしなかったため、テレビで優勝決定試合を見た(といっても8回裏以降だけだが)のは、2006年に同じ東京ドームで中日が優勝を決めた試合をNHK-BSで見て以来ちょうど10年ぶりだった(昨年のヤクルトの優勝決定試合は延長14回のサヨナラ勝ちであり、優勝の瞬間の映像はニュース番組で見ただけだった)。今回は10年前と同じNHKが地上波で放送した。解説は小早川毅彦大野豊という元広島コンビだった。

今年の広島は昨年のヤクルトとは段違いに強かった。2年連続最下位から運良く低レベルのペナントレースを制したヤクルトと比較するのは、さすがに広島に失礼に当たるだろう。広島は、昨年は本拠地で行われた対中日最終戦に負けて4位に終わったが、その前の2年間は連続で3位であり、年々地力をつけてはきていた。ただ、野村謙二郎前監督時代には横浜(のちDeNA)をカモにしながら上位の読売や阪神に負けるのが定番で、その采配は壁にぶち当たっているように思えたので、2014年オフでの緒方孝市監督への交代は良いタイミングだと思った。そして、緒方監督初年度の昨年は、読売と阪神に勝ち越しながら優勝したヤクルトに負け越したほか、下位の中日とDeNAに大きく負け越して4位に終わった。

しかし私は、ヤクルトで高田繁から小川淳司へと監督が交代して一時(2010年のシーズン途中での監督交代から2011年7月頃まで)好成績を収めたのは、高田が「どのチームから勝っても勝ちは同じ」とでも思ったのか、それとも古巣に遠慮でもしたのか、毎年のように読売に惨敗していたのが、小川になって読売戦をターゲットにしたローテーションを組むなどして読売戦の成績が劇的に改善されるや、それが読売以外との対戦にまで好影響を与えた(但し阪神だけは苦手とし続けた)経緯を見ていたから、読売戦と阪神戦を中心にローテーションを回して優勝を狙った緒方監督の方針自体は正しいと思った。ただ昨年は広島のチーム力が優勝するには足りないところがあったのだろう。今年の開幕前にはマエケンの渡米でさらに苦しくなると多くの評論家に予想され、私も今年の広島は苦しいのではないかと予想したが、鈴木誠也の急成長や阪神から出戻りの新井貴浩の打棒復活、投手陣では野村祐輔の大化けなどで投打に他球団を圧倒した。例年セ・リーグの球団が苦戦する交流戦でも、最後のホームゲーム6試合に全勝してリーグで唯一勝ち越した。交流戦終盤以降の広島は、日本ハムソフトバンクを含む12球団でももっとも強いのではないかと思わせるほど圧倒的な力を見せている。投手成績、打撃成績、得失点差などどれをとっても文句なしの成績だ。昨年、読売戦と阪神戦に重点を置いて優勝を狙った緒方監督の方針の正しさが証明されたと私は考える。下位球団をカモにしてチーム成績を改善するという野村前監督の方針は、15年連続Bクラスに低迷したチームの浮上のきっかけをつかむには有効だったかもしれないが、そのパターンから抜け出せずに足踏みの兆しが見えてきたタイミングで監督を野村から緒方に交代させたフロントの判断も良かった。

このあとクライマックスシリーズがあり、おそらく2位になるであろう読売と3位になるであろうDeNAの勝者(個人的にはDeNAに勝ってほしい)との対戦になるだろうが、全試合をホームで戦って1勝のアドバンテージまである広島の優位は動かないだろう。仮に、レギュラーシーズンでこれほど圧倒的な力を見せた広島が負けるようなことがあれば、クライマックスシリーズの存廃が議論されても良いのではないかと思うくらいだ。

パ・リーグ日本ハムソフトバンクの一騎打ちになっており、どちらが勝っても強敵ではあるが、この2球団は栗山英樹工藤公康の両監督の采配に難がある。とりわけあれほどの巨大戦力を擁しながら一時11.5ゲームだかの大差をつけながら、ついに日本ハムに逆転を許してしまった工藤公康は、どうやら「ダメ監督」だったのではないかとの疑念を強く持つようになっている。

ソフトバンクに歯が立たなかった一昨年の阪神や昨年のヤクルトとは打って変わって、今年は日本シリーズでも広島が有利なのではないかと思う。