kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

やはり! 小沢新党「国民の生活が第一」は集団的自衛権の行使に賛成

次々と出る集団的自衛権の容認発言に、7周年も「日本がアブナイ!」と叫ぶ。 : 日本がアブナイ! にて知る。

 またmew的にちょっと残念&ショックだったのは、小沢新党「生活」が発表した安保外交政策の中身だった。

『3。自衛権の行使に係る原理原則の制定
我が国の平和と安全を直接的に脅かす急迫不正の侵害を受けた場合には、憲法9条に則り武力を行使する。国連憲章上の自然権とされ我が国が国際法上も保有している集団的自衛権については、国民の意思に基づき立法府においてその行使の是非に係る原理原則を広く議論し制定する。原理原則の制定なくして、その行使はしない。原理原則は安全保障基本法に定める。』

 これを素直に読む限りは、安全保障基本法で原理原則を決めれば、集団的自衛権の行使を容認していいという立場であるように思われる。(・・)

* * * * *

 小沢氏は、保守系ではあるもののタカ派とまでは言えず。
 06年に民主党政権公約を発表した時には「自衛権は、これまでの個別的・集団的といった概念上の議論の経緯に拘泥せず、専守防衛の原則に基づき、わが国の平和と安全を直接的に脅かす急迫不正の侵害を受けた場合に限って、憲法9条に則り、行使する。それ以外では武力を行使しない」としていて。
 国連レベルでの国際協力には積極的な立場だったものの、当時、安倍政権が主張していたような一般的な集団的自衛権の行使の容認には、慎重な立場を示していたのだけど。(-_-)

 ただ、「生活」では、幹事長の東祥三氏が、集団的自衛権の行使容認に積極的な立場のようだし。<9条改憲で「国防軍」でもいいとも言ってたし〜。>
 また今回の政策を決めた責任者の牧義夫氏(幹事長代行・政策担当)は、防衛庁広報紙記者→鳩山邦夫氏の秘書を経て、衆院議員になった人で。日本会議のメンバーだった(今は不明)超保守派&改憲派のようだし。
慰安婦問題と南京事件の真実を検証する会などにも参加しているとのこと。先月、生活の議員が、国会で「河野談話」の見直しを求める質問をしていたのも、牧氏の指示かor同士なのか^^;>

 自民党提出の法案に、そのまま賛成するかどうかは「???」だが。民主党にいた頃に比べて、安保軍事強化や憲法改正に前向きな姿勢を示す可能性があるようにも思われる。(-"-)

<それで「国民連合」で社民党みどりの風と連携しているのか、疑問を覚えるところもあるのだけど。(~_~;)>


ブログ主のmewさんにはお気の毒だが、集団的自衛権の行使に関する小沢一郎「自身」の見解は、自民党時代から一貫して「集団的自衛権の行使は憲法解釈上許されない」とする政府解釈の「見直し」論に立っている。この点に関しては、小沢一郎には一点の「ブレ」もない。

たとえば2009年の衆院選前に行われた毎日新聞の「えらぼーと」に対する回答でも、小沢一郎は「集団的自衛権の行使を禁じた政府の憲法解釈を見直すべきだと考えますか。」という問いに「見直すべきだ」と回答している。毎日新聞のサイトからは「えらぼーと」の回答はリンク切れになっているが、「きまぐれな日々」の下記記事に、小沢一郎の回答を菅直人と対比させて掲載した。


きまぐれな日々 菅直人・小沢一郎ついに全面対決へ。議論してほしい諸点(2010年8月27日)


小沢一郎代表時代(2006年)の民主党政権公約に「集団的自衛権の行使の容認には、慎重な立場を示し」ていたのは、単に集団的自衛権の行使に慎重な議員が多い民主党で党内のコンセンサスがとれなかったからに過ぎず、小沢一郎自身の思想信条とは異なるのである。党内のコンセンサスがとれなかった件に関しては、消費税増税についても同様であり、2007年の参院選に向けて、小沢一郎は「消費税増税所得税・住民税の大幅減税」を選挙公約に盛り込みたかったものの党内のコンセンサスが得られず断念した。

多様な意見を持つ議員の寄せ集めである民主党とは違って、「国民の生活が第一」は言ってみれば「小沢党」なので、かつての自由党と同様、小沢一郎が目指す方向に党全体が向く。相当強硬な「軍事タカ派」である東祥三や、以前から「極右」ぶりで名の知られた牧義夫を重用しているのも小沢一郎自身である。

ちなみに、国会で「河野談話」見直しを要求した外山斎という議員は、Wikipediaを参照すると、こんな男だ。

2008年の国籍法改正案の採決では、反対票を投じる。
2009年10月20日小沢一郎民主党幹事長(当時)の要請を受け、民主党へ復党した。
2011年の朝鮮王朝儀軌などの文化財1200点余りを韓国に引き渡す日韓図書協定では民主党からは唯一、造反。


国籍法改正に反対したり、日韓図書協定に民主党から唯一「造反」したという、民主党よりも「たちあがれ日本」か自民党清和会右派(安倍晋三派)に所属する方がどう見てもお似合いなこの議員に、じきじきに民主党復党を要請したのが小沢一郎自身だった。これは、いってみれば谷垣禎一城内実にじきじきに自民党復党を要請するに等しい挙動だ*1

これを考慮すれば、「河野談話の見直し」は「国民の生活が第一」の党としての方針だとみなすほかはない。現に、同党参院幹事長の森裕子(ゆうこ)も「河野談話の見直し」を求めている。

社民党と「みどりの風」に関していえば、「みどりの風」は亀井亜紀子が中心の保守系会派だから、「国民の生活が第一」との共闘には特に問題はない。問題が大ありなのは社民党であって、同党党首の福島瑞穂をはじめとする党幹部は、上記のような小沢一郎や「国民の生活が第一」の体質を知りながらそれに目をつぶって小沢一郎と共闘しているのである。これは非常に欺瞞に満ちた行動であって、私は社民党の現状を決して許さない。最近では私は当ダイアリーなどで同党の解散を求めている。もはや社民党は日本の政治にとって百害あって一利なしだ*2。支持者の大半に見限られてしまったから、マスメディアの世論調査でも社民党の支持率は「0.1%」などという恥ずかしい数字がたたき出される。もはや社民党は歴史的使命を終えた。社民党を解散して新しい社民主義政党を結成する必要があるのではないか。

いずれにせよ、小沢一郎に今なお幻想を抱き続ける方々には、もうそろそろ目を覚ましてほしいと思う今日この頃である。

*1:もちろん、谷垣禎一自身が城内実自民党復党を働きかけた事実はない。

*2:社民党小沢一郎との共闘もひどいが、何かといえば「まずムダを削減する」と口にする、およそ社会民主主義政党の党首とは信じられない「リベサヨ」福島瑞穂の言動には日々呆れ返っている。