kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

米加州の原発、廃炉へ 三菱重工の装置に不具合(共同通信)

私はかねがね、日本の原発関連技術は「世界一」どころか日本の工業技術の中でも不得手にしているとともに国際的に見ても後進的な分野であり、その理由として長年政治的な理由(「国策」)によって政府に異様に優遇され、甘やかされてきたことがあったと考えていた。この持論を改めて思い出させるニュースが報じられた。

http://www.47news.jp/CN/201306/CN2013060701002432.html

米加州の原発廃炉へ 三菱重工の装置に不具合


 【ロサンゼルス共同】米カリフォルニア州南部のサンオノフレ原発を運営する電力会社サザン・カリフォルニア・エジソンは7日、蒸気発生器の配管に「異常な摩耗」が見つかり運転を停止している2号機と3号機を、いずれも廃炉にすると発表した。この蒸気発生器は三菱重工業製。

 エジソンは早期再稼働を目指したが、東京電力福島第1原発事故を受け、安全性への懸念を強めた周辺住民が反発。米原子力規制委員会(NRC)の許可が得られず、断念に追い込まれた形だ。

 この蒸気発生器は2009年以降に設置されたばかり。今後、日本が国外への売り込みを狙う原発技術への信頼に影響する可能性がある。

共同通信 2013/06/08 05:26)

この記事を読むと、数年前に運転開始されたばかりの原発が、三菱重工製の蒸気発生器のせいで早くも廃炉に追い込まれたかのように錯覚させられるが、サンオノフレ原発の2号機は1983年、同3号機は1984年の運転開始。つまり2号機は運転開始から30年、3号機は29年を経過して、「廃炉適齢期」に入った原発ではある。1968年運転開始の1号機は、運転開始24年後の1992年に廃炉になった。

この原発は、サンアンドレアス断層のすぐ近くにあるという立地条件の問題も抱えている。蒸気発生器が三菱重工製のものに取り替えられたのは2010年から翌2011年(一昨年=東電福島原発事故が起きた年)だが、2012年には早くも蒸気発生器のパイプの破損事故を起こして運転を停止していた。このために電力供給が不安定になったのどうのという話があったようだが、当初予定していた2022年の廃炉を前倒ししたことは、惰性で続く原発推進の動きをどうしても止められない日本との彼我の差を痛感させられ、やりきれない思いにさせられる。

愚かな日本の総理大臣・安倍晋三はフランスと組んで原発推進を加速させるつもりらしいが、上記の事故に象徴されるような日本の技術力が高くない分野に力を入れるのは「成長戦略」として愚の骨頂である。一刻も早くこの馬鹿野郎を総理大臣の座から引きずり下ろさなければならない。