kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

橋下の「出直し選」を菅義偉が「理解」(呆)

これはひどい

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2014020300735

与野党「肩透かし」狙う=政権、橋下氏判断に理解

 日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長が3日、「大阪都」構想の推進を狙い、市長辞職と出直し選挙への出馬を表明したことについて、他の主要各党は「一人芝居だ」などと冷淡に受け止めている。各党は、対抗馬を立てずに「肩透かし」を食らわす構え。安倍政権は憲法改正など保守色の強い課題実現に向け、維新を連携相手とみており、衝突を避けたいとの思惑も見え隠れする。

 自民党石破茂幹事長は3日の記者会見で、「市長と議会の協調は極めて重要。考え方に隔たりがあれば、他にやり方があるのではないか」と述べ、橋下氏を批判した。同党大阪府連は「橋下氏の一人芝居に付き合う気はない」(幹部)として、候補擁立を見送る方針。
 一方、菅義偉官房長官は会見で「市長の都構想に懸ける強い思いがそうさせたのだろう。いいか悪いかは選挙民が判断する」と、橋下氏の判断に理解を示した。政権に協力する「責任野党」として維新をつなぎ留めておこうとの思いをにじませた形だ。
 公明党山口那津男代表は名古屋市で記者団に「大義名分が明確でない」と語り、橋下氏が都構想の住民投票実施を公明党と約束したと主張している点についても「約束はないと聞いている」と一蹴した。都構想の案絞り込みに反対した同党をめぐっては、安倍晋三首相や菅長官が橋下氏と良好な関係を保っているため、「首相官邸と維新を引き離したいのではないか」(自民党中堅)との見方も出ている。
 都構想に反対の民主、共産両党の府組織も、対抗馬を擁立しない考え。だが、不戦敗に終われば、2012年の衆院選時に比べて勢いに陰りが見える維新に反転攻勢を許しかねない。民主党松原仁国対委員長は「選択肢が提供されることが重要だ」と指摘。共産党にも「敵の敵は味方という柔軟な発想で臨みたい」と、反・都構想の統一候補を模索すべきだとの意見がある。
 維新国会議員団の松野頼久幹事長は「全力で支える」と強調したが、党内からは「勝っても都構想が何も動かなければ、橋下氏はたたかれる」と不安視する声も漏れる。野党再編で橋下氏と連携する結いの党の江田憲司代表は、談話で「初志貫徹で頑張ってほしい」とエールを送った。みんなの党渡辺喜美代表は談話で「橋下市長は投げやりになっているようにしか見えない」と非難した。
時事通信 2014/02/03-22:10)


赤字ボールドにした件は、朝日新聞(2/4)の2面にも出ている。「首相は理解 悩む公明」との見出しがついた記事の一部を引用する。

 そんな中、菅義偉官房長官は3日の会見で「橋下市長の都構想にかける執念ということじゃないですか」と、橋下氏と近い安倍晋三首相の胸中を代弁した。
 首相や菅氏は憲法改正集団的自衛権の行使容認、教育改革などで主張が重なる橋下氏との関係を重視し、頻繁に接触を重ねてきた。路線を異にする公明党を牽制するカードでもあり、橋下氏を敵に回さないのが基本戦略。自民党幹部は「首相は対立候補を出したくないだろう」とみる。
朝日新聞 2014年2月4日付2面掲載記事より)

記事はこのあと、自民党安倍晋三とは別の意味で候補を見送らざるを得なかった、それは橋下に勝てる候補がいないからだと解説している。

要するに、一昨年の総裁選で安倍晋三と争った石破茂を初めとする自民党の多くは、橋下を「敵」と認識しているけれども、安倍晋三は橋下を「心強い味方」と考えているということだ。最近私の頭から離れない、坂野潤治氏の言う「異議を唱える者が絶え果てた『崩壊の時代』」において、当の「崩壊を導く独裁者」安倍晋三の認識は、自民党の有象無象どもの一歩先を行っているのではないか、と思ってしまった。

ともあれ、これが政局の「現実」である。「橋下くんを『超保守』に対抗する勢力として活用したい」とか言っているどっかの「リベラル」の方は、現実を直視した方がよろしいのではないだろうか。