kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

大阪ダブル選挙と「リベラル」と「クーデター」と

大阪ダブル選挙は、もはや保守と極右&新自由主義の戦いですらなく、同じような体質をより強く持っている勢力(橋下一派及びその影の応援団としての官邸)と、そこまでには至らない勢力との争いとみなすべきだ。私としては後者に勝ってほしいと思っているものの、なにせ大阪のことだからたいして期待はしていない。

この選挙の分析について、まずは極右メディアである産経の記事を引用しよう。

【大阪ダブル選】いよいよスタート 3つのねじれで複雑な構図に(1/3ページ) - 産経ニュース

【大阪ダブル選】
いよいよスタート 3つのねじれで複雑な構図に

 大阪ダブル選の一つである府知事選が5日、告示された。「おおさか維新の会」系の政治団体大阪維新の会公認の現職と自民党推薦の新人による事実上の一騎打ちの構図だが、自民党と官邸の温度差、自民党公明党の別対応、自民党共産党の連携など、さまざまなねじれが生じている。

自民と官邸

 「自民党としてしっかり戦おう」。安倍晋三首相は府知事選告示を翌日に控えた4日夜、公邸に同党幹部を集めた会食で、こう必勝を呼びかけた。

 党本部は5月の「大阪都構想」の住民投票では目立った支援を行わずに“静観”した。今回は谷垣禎一幹事長ら幹部が応援に入る予定。谷垣氏は5日、「政治に破壊と混迷をもたらすのではなく、安定と信頼をもたらすのはどちらか。これ以上のゴタゴタは許すことができない」との談話を出し、勝利に意欲を示した。

 首相も対決姿勢を示してはいるが、胸中は複雑だ。首相と菅義偉(すが・よしひで)官房長官はおおさか維新の橋下徹代表と憲法改正などで政治理念が近い。憲法改正を見据え、橋下氏らの協力を得るために良好な関係を維持したいとの思いもある。

 菅氏は大阪都構想にも理解を示してきた。5日の記者会見ではダブル選について「それぞれの候補者、政党の判断だ」と冷ややかに答え、気合の入る党幹部との温度差はぬぐえない。

自民と公明

 公明党は5日の中央幹事会で自主投票とすることを決め、連立政権を組む自民党との足並みが乱れた。山口那津男代表は記者会見で「(府と市が連携する)自民党が掲げた構想が進んでいない。抜本的改革を考えるのが公明党だ」と、政策の開きを理由に挙げた。

 ただ、別の事情もうかがえる。公明党市議団は10月に自民党推薦候補を支持する方針を固めていた。ところが共産党も「自主支援」を決めたため、公明党府本部が却下したのだ。

 共産党は安全保障関連法を進めた公明党を「戦争の党」(山下芳生書記局長)と攻撃しており、公明党幹部は「共産党と一緒に表立って支援はできない」と漏らす。

 大阪維新の影もちらつく。橋下氏らは昨年の衆院選に際し、府内の選挙区で公明党対立候補として出馬することを検討した。公明党の支持母体、創価学会関係者は「今回自民党を支援すれば、再び維新との火種になる」と語った。

自民と共産

 自民党推薦候補を自主支援する共産党は「さよなら維新」を掲げて積極的に応援している。「打倒安倍政権」を訴える同党と自民党の連携は“ご都合主義”に映るが、共産党が意に介す気配はない。

 志位和夫委員長は5日の記者会見で「大阪に民主主義と地方自治を取り戻すとの一点で党派の違いを超えて協力する」と訴えた。さながら独自候補を擁立した選挙のような勢いだ。

 ただ、自共連携は維新の格好の攻撃材料にもなっている。橋下氏は5日の街頭演説で、対抗馬を「自民党共産党の暗黒軍団」と表現し、自身が知事になる前までの大阪府政を批判。「過去には戻さないでほしい」と支持を訴えた。

(産経ニュース 2015.11.6 00:49更新)


さらに産経は、さすがは極右媒体というべきか、次世代の党の動きもしっかり報じている。

関係修復へのラブコール? 次世代がダブル選で大阪維新候補の「支持」決定 - 産経ニュース

関係修復へのラブコール? 次世代がダブル選で大阪維新候補の「支持」決定

 次世代の党は4日の総務会で、府知事・市長の大阪ダブル選(22日投開票)の対応をめぐり、大阪維新の会の公認候補を「支持」する方針を決めた。旧日本維新の会の内紛の末にたもとを分かったかつての仲間と関係修復を図る動きとして注目されそうだ。

 和田政宗幹事長は総務会後の記者会見で「既得権の打破を大阪維新は有言実行してきた。自民、民主、共産などが支援している対立候補では改革の継続はできない」と強調した。

 次世代の党は昨年5月の旧日本維新の会の分裂に伴い、8月に結成された。分裂のきっかけの一つは、旧日本維新を創設した橋下徹大阪市長らが、江田憲司代表(当時)が率いた旧結いの党との連携に意欲を示したため。次世代側は旧結いとの連携に反発していた。

 橋下氏側が旧結いと合流して発足した維新の党も、大阪維新系と旧結い系の間で不和となり、次世代側が大阪維新との関係改善を模索していた。

(産経ニュース 2015.11.4 17:55更新)


「関係修復」も何も、両者は極右同士、主義主張の距離などほとんどない。連携する方が自然であるに決まっている。

世の中にはけったいな「リベラル」ブロガーがいて、橋下徹を「橋下くん」と呼び、「橋下くん」は「フツーの保守」であって、安倍晋三菅義偉と接近するのも、すべては松井一郎の独断であって、「橋下くん」は松井に引っ張られているだけでその本心は松井とは違う、また「橋下くん」は「改憲派ながら立憲主義を理解して」いるから、立憲主義を踏みにじる自民党の会見草案に対抗する勢力として活用したいとかなんとか、そんなことばかり言い(書き)募っていた。今年、「立憲主義に対するクーデター」と評された安保法案に、橋下がいかなる態度をとったというのだろうか。また、平沼赳夫を「経済政策はリベラル」と評するなどと、おおかたどっかの「『右』も『左』もない」元政治ブロガーのデマゴギーを真に受けてでもあろうか、頓珍漢なことを書いていた。

事実はといえば、平沼は「教育への市場原理の導入」を含むサッチャリズムに心酔する人間、すなわち新自由主義者である。平沼は単に「郵政民営化」に反対しただけである。そもそも初代経産相森内閣時代から第1次小泉内閣時代まで)として経産官僚の政策をそのまま自分のものにしていた平沼に、「反新自由主義」の信念の持ち合わせなどあろうはずもない。

また、橋下については別に何も松井一郎の独断専行を許してきたわけではなく、松井の言動は橋下の意を受けていたものにほかならなかったことを、最近はさしもの「『橋下くん』びいき」のブロガー氏も認めざるを得なくなったらしく、大阪ダブル選挙では対立候補の応援を明確に打ち出してはいる。しかし、それに気づくのが遅すぎた。平沼が極右であると同時に新自由主義者でもあるのと同様、橋下も新自由主義者であると同時に極右でもある、つまり「フツーの保守」なんかではないと私は考えている。

話は何も上記の「リベラル」ブロガーに限らず、橋下に親和的な「リベラル」は少なくないし、括弧付きの「リベラル」に入るかどうかも疑わしいが、小沢一郎やその支配下にいた(今では落選してただの人になっている)「小沢なんとかズ」、それに小沢を熱烈に応援、いや信仰していたネットや市井の「信者」たちもひどいものだった。何度も書くが、小沢はまだ自らが権力への野心を示せる立場にあった2012年、「私の考えは橋下市長と同じだ」というのを口癖にしていたし、「小沢なんとかズ」の中には、衆院選では「橋下さんと一緒にやりたい」とほざく者が多かった。しかし現実には橋下は石原慎太郎とくっつき、彼らの期待は空しくも裏切られた。

今、小沢は共産党にやたらとすり寄っているが、上記のいきさつ及び小沢が嘉田由紀子飯田哲也らと一緒になって「日本未来の党」を立ち上げたあげくに衆院選に歴史的惨敗を喫したことを思い出すまでもなく、共産党は易々と小沢にイニシアチブを与えるべきではない。もっとも、最近いかに「野党共闘」(私にとっては嫌な思い出のある言葉だが)を叫んでいる共産党といえども、小沢にイニシアチブをとられるような間抜けな真似をするはずがないとは思うが。

さて、選挙の行方に私が悲観的なのは、過去の選挙結果を覚えているからだ。2011年の統一地方選では、勢いを失った名古屋・河村たかしの「減税日本」とは対照的に、下馬評で不利と言われた維新は大阪で圧勝したし、2012年と14年の衆院選でも同様の結果を勝ちとった。

いうまでもなく、橋下徹は典型的な「クーデター」体質を持つ政治家である。

日本人の「クーデター」*1好きは何も大阪人に限らないが、大阪人は特にその傾向が強いように思われる。

日本人が真に「橋下的なるもの」を克服するためには、「クーデター」を民主主義とはき違えてそれに気づかない上記の「リベラル」や「××信者」や大阪人が目を覚まさなければならないと思われるが、とてもではないが今回の大阪ダブル選挙には間に合わないだろう。

残念ながら、最悪の結果を覚悟せざるを得ないと思う今日この頃である。なおマスメディアの調査でも、大阪都知事選は既に松井一郎の圧勝で決まりとみられているらしい。一方、まだ告示されていないが(8日告示)、大阪市長選は「接戦」とのことである。

*1:クーデターで思い出したが、自民党に長く在籍し、最初は田中角栄の寝首をかき、その後は小選挙区制を導入しながら自民党を割って出て新生党を結成し、政権交代をなしとげた民主党でも党を割って出た小沢一郎は、権力の簒奪を得意とする典型的な「クーデター政治家」というべきであろう。