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BPO:政府の介入批判、異例の意見書…NHKやらせ問題(毎日)

http://mainichi.jp/select/news/20151107k0000m040104000c.html

BPO:政府の介入批判、異例の意見書…NHKやらせ問題
毎日新聞 2015年11月06日 21時40分(最終更新 11月07日 02時50分)

 NHK報道番組「クローズアップ現代」のやらせ疑惑の問題で、NHKと日本民間放送連盟による第三者機関「放送倫理・番組向上機構BPO)」の放送倫理検証委員会(委員長・川端和治弁護士)は6日、「重大な放送倫理違反があった」とする意見書を公表した。その中で、この問題をめぐって放送に介入する政府・与党の動きが見られたことから「放送の自由と自律に対する圧力そのもの」と厳しく批判。BPOが政府・与党を批判する意見書を出すのは極めて異例。政治による放送への介入を許さない立場を示した。

 問題の番組は、昨年5月14日に放送した「出家詐欺」の特集。多重債務者が、ブローカーを介して出家の儀式を受けて名前を変え、融資などをだまし取る詐欺の手口を伝えた。放送後、ブローカーとして登場した男性が「やらせだった」と訴えていた。

 BPOの意見書は「記者が積極的に演技をさせて事実に見せかけたという意味での『やらせ』があったとは言い難い」とした。一方で「NHKのやらせの概念は視聴者の一般的な感覚とは距離があり、問題を矮小(わいしょう)化している。放送倫理の観点から自己検証すべきだった」と断じた。その上で、記者が裏付け取材をせずに男性をブローカーとして番組に登場させ、男性が登場した場面を隠し撮りに見せるなどして「報道番組で許容される演出の範囲を著しく逸脱した」ことから、重大な放送倫理違反があったと結論付けた。

 また、自民党国会議員らの6月の会合で「マスコミを懲らしめるには広告料収入をなくせばいい」との発言があったことなどを「圧力」の例として列挙。高市早苗総務相が4月末、NHKを厳重注意したことも問題視した。放送局側にも「干渉や圧力に対する毅然(きぜん)とした姿勢と矜持(きょうじ)を堅持できなければ、放送の自由も自律も侵食され、やがては失われる」とし、努力を促した。

 ただ、NHK内では、来年4月の番組改編期に向け、「クローズアップ現代」の見直しが検討されている。複数のNHK関係者によると、放送開始時からの国谷裕子キャスターを交代させ、放送時間も現在の午後7時半から午後10時に移す案が浮上しているという。

 BPOから批判を受けた高市総務相は6日、談話を発表。NHKに対する厳重注意の行政指導について「昨年5月に放送された『クローズアップ現代』の内容が放送法に抵触すると認められたため、放送法を所管する立場から必要な対応を行った」と説明。「放送法の番組基準は(放送事業者が自律的に守るべき)倫理規範ではなく、(拘束力がある)法規範性がある」と反論した。【丸山進、須藤唯哉】

 ◇第三者の立場示した…音好宏・上智大教授(メディア論)の話

 放送事業者が設置した第三者機関で自主的、自律的に番組の問題を議論する健全性を、政府や政権与党が尊重していないことを問題提起した点でBPOの指摘の意義は大きい。政権与党がBPO改革をしばしば求め、総務省BPOの議論を待たずに厳重注意をしたことを問題視し、圧力に毅然(きぜん)と対応できていない放送局側にも注文を付けており、第三者機関の立場を示した。

 クローズアップ現代の「やらせ」疑惑◇

 NHKの報道番組「クローズアップ現代」が昨年5月14日、多重債務者がブローカーを介して出家の儀式を受け、名前を変えて融資をだまし取る詐欺の手口を紹介した。ブローカーとされた男性が「記者の指示で演じた」と主張。NHKの調査報告書は、「過剰な演出」や「視聴者に誤解を与える編集があった」と結論付けた。やらせは否定した。


この件だが、昨夜(11/6)の報棄てでは、『クローズアップ現代』についての部分だけ報じていた(それもニュースをテレ朝の局アナである小川彩佳キャスターに読み上げさせただけで、古舘伊知郎は意味のあることを何も言わなかった)。だから、BPO自民党、特に高市早苗を名指しで批判したり、例の「文化芸術懇話会」で大西英男が発した暴言を批判した件を昨夜の時点で私は知らなかった(BPO自民党批判を行った件は、朝日(11/7)の1面左上にも出ている。なお、この毎日の記事は、先に書いた同志社大・村田学長落選を伝える朝日の記事などとともに、「きまぐれな日々」にいただいた鍵コメ経由で知った。いつもながら感謝します)。

せっかくのBPOの警告だが、「報棄て」でさえこのていたらくだから、NHKは「クロ現潰し」のお墨付きを得たとばかりにそれだけを利用して、「御用放送」化をますます強めるだけに終わってしまうだろう。それに、BPOは本来、諸悪の根源である安倍晋三の批判をしなければならなかったのではないかとも思う。