kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

自民支持者も民主支持者も維新になびいた大阪ダブル選

大阪ダブル選の自民2候補の惨敗だが、1日遅れて取り上げた某「リベラル」のブログを見ていると、橋下一派と公明党の取引を批判し、あげくの果てには「この大阪維新の2勝が自民党の弱体化や自公の関係の亀裂につながってほしい」とか「岡田民主党が中心になって野党の再編がしやすくなったかも知れない」などと記事の結びに書いていた。どっからそんな突拍子もない、もはや「希望的観測」を大きく超えた妄想が出てくるのかと開いた口がふさがらなかった。このダブル選で、自民党においては、安倍晋三に楯突く自民党大阪府連はますます勢いをなくして安倍晋三の独裁が強まり、公明党がそれに付き従う卑屈さが増すだけであろう。また自民党候補に乗っかるしか能のなかった民主党が(共産党も同じだが)どうして中心になって野党再編なんかができるのか、足元にはクーデターを企んで党を崩壊させようとする前原とか細野とかいう名前のシロアリがいるというに、駆除、もとい処分ひとつできない岡田克也にいったい何が期待できるのか、私にはさっぱり理解不能である。

一方、前々から「橋下に対抗してきたのは保守だ。橋下になびいているのは『リベラル』だ」と言いつのってきた、ネットのコメンテーターの例を挙げれば「元大阪府民」だかなんだかを名乗る人の言うことも大嘘だ。「リベラル」も「保守」も同じくらいみっともなく橋下になびいていることが、産経の出口調査を伝える記事を読むとわかる。

【大阪ダブル選】松井氏、自民支持層の5割近くに浸透…維新候補、自・民を切り崩し 出口調査分析(1/2ページ) - 産経ニュース

松井氏、自民支持層の5割近くに浸透…維新候補、自・民を切り崩し 出口調査分析

 産経新聞社は22日、府知事・市長の大阪ダブル選で投票した有権者の動向を把握するため、出口調査を実施した。大阪維新の会公認の吉村洋文氏と松井一郎氏が、いずれも自民党民主党の支持層にも浸透し、幅広く支持を広げたことが浮き彫りとなった。

 市長選については、吉村氏が大阪維新を母体とする国政政党「おおさか維新の会」支持層の96・9%を固めた上、自民党の30・3%、民主党の25・7%、公明党も20・5%を取り込んだ。さらに「支持政党なし」の無党派層も45・3%が吉村氏に投票した。

 一方、自民党推薦の柳本顕氏は、自主支援した共産党支持層の74%民主党の65・7%「自主投票」とした公明党の72・4%に浸透したが、自民党を64・8%しか固め切れなかった。無党派層も44・5%で、吉村氏に及ばなかった。

 知事選でも松井氏が、おおさか維新支持層の96・4%を固め、自民党では46・7%も浸透した。その半面、自民党推薦の栗原貴子氏は、共産党の71・8%民主党の70・5%、公明党の70・1%を取り込んだが、自民党については50・9%にとどまった。

 大阪市長選の出口調査では、5月の住民投票大阪都構想に賛成したか反対したかについても尋ねた。その結果、賛成した人は56・3%、反対した人は41・6%だった。賛成した人のうち91・2%が吉村氏に投票し、反対した人のうち79%が柳本氏に投票していた。

(産経ニュース 2015.11.23 07:55)


例によって産経は小数点以下1桁まで表示しているが、実際サンプリング数はどれくらいだったのか等の疑問もある。しかし、少なくとも大阪府知事選に関しては、自民、民主、共産、公明各党の支持者のうちもっとも維新候補に流れたのは自民党支持者であったことがわかる。

一方、「リベラル」が敗戦の責任を押しつける公明党の支持者は実は健闘していた。市長選でふがいない党が自主投票を決めたにもかかわらず、維新候補に流れた割合は自民党支持者や民主党支持者よりも少なく、党を挙げて自民党候補を支援した共産党支持者とほぼ同じ数字になっている。

大阪ダブル選挙で維新を圧勝させたのは公明党のせいなんかではない。ふがいない「保守」とふがいない「リベラル」(ともに括弧つき)の両方が橋下一派を勝たせたのだ。この事実を直視することさえできないのでは、何度選挙をやっても橋下一派に負け続けるだけだ。