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古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

岸井成格、『NEWS23』を降板か

TBSの『NEWS23』を岸井成格が降板するとの情報。ソースはおい「リテラ」の田部祥太氏よ、孫引きしたならリンクを張れよ - kojitakenの日記(2015年4月17日)で批判した、私の好まないリテラの田部祥太氏の記事だが、この件に関して他のソースが見つからないので引用する。

『NEWS23』でキャスター岸井成格の降板が決定の情報!「安保法制批判は放送法違反」の意見広告にTBSが屈服?|LITERA/リテラ(2015年11月25日)より

NEWS23』でキャスター岸井成格の降板が決定の情報!「安保法制批判は放送法違反」の意見広告にTBSが屈服?
【この記事のキーワード】TBS, 圧力, 田部祥太
2015.11.25

 愕然とするようなニュースが飛び込んできた。TBSの看板ニュース番組『NEWS23』で、アンカーの岸井成格氏(毎日新聞特別編集委員)を降板させることが決まったというのだ。

「TBS はすでに後任の人選に入っていて、内々に打診もしているようです。後任として名前が上がっているのは、朝日新聞特別編集委員星浩氏。星氏は朝日では保守派寄りの政治部記者ですが、今年、朝日を定年になるので、退職後の就任をオファーしているようです。岸井さんが契約切れになる3月をめどに、交代させる方向で進めていると聞いていましたが、場合によってはもっと早まるかもしれません」(TBS関係者)

 この突然の人事の背景には、もちろん例の右派勢力による『NEWS23』と岸井攻撃がある。

〈私達は、違法な報道を見逃しません〉──。今月14日の産経新聞、翌15日の読売新聞に、こんな異様なタイトルの全面の意見広告が掲載されたことをご存知の読者も多いだろう。

 この広告の出稿主は「放送法遵守を求める視聴者の会」なる聞いたこともない団体だが、呼びかけ人には、作曲家のすぎやまこういち氏や評論家の渡部昇一氏、SEALDsメンバーへの個人攻撃を行っていた経済評論家の上念司氏、ケント・ギルバート氏、事務局長には、安倍首相の復活のきっかけをつくった安倍ヨイショ本『約束の日 安倍晋三試論』(幻冬舎)の著者・小川榮太郎氏など、安倍政権応援団の極右人脈が名前を連ねている。

 そして、この広告が〈違法な報道〉と名指ししたのが、岸井氏と『NEWS23』だった。9月16日の同番組で岸井氏が「メディアとしても(安保法案の)廃案に向けて声をずっと上げ続けるべきだ」という発言を取り上げ、「放送法」第4条をもち出して〈岸井氏の発言は、この放送法第四条の規定に対する重大な違法行為〉としたのである。

 しかも、『放送法遵守を求める視聴者の会』は意見広告だけでなく、TBSと岸井氏、さらには総務省にまで公開質問状を送りつけたという。

「これに、TBS幹部が真っ青になったようなんです。もともと、局内に岸井氏を交代させるという計画はあったようなんですが、この抗議を受けて、計画が一気に早まったようなんです」(前出・TBS関係者)

 しかし、この意見広告はそんな過剰に反応しなければならないものなのか。たしかに放送法第4条では放送事業者に対して《政治的に公平であること》を求めてはいるが、それは政権批判や特定の法律批判を禁ずるものではまったくない。

 また、岸井氏の「メディアとしても廃案に向けて声をずっと上げ続けるべきだ」という発言にしても、安保法制に単純に反対ということではなく、国民に対して説明不足のまま強行採決したことへの批判の延長線上に出てきたものだ。もしこれが政治的に不公平な発言というなら、たとえば、安倍政権の外交成果を評価するようなNHKやフジテレビ、日本テレビの報道もすべて放送法違反になってしまうだろう。

 しかも、これは別稿で検証するつもりだが、この意見広告を出した「放送法遵守を求める視聴者の会」自体が実体のよくわからない、きわめて政治的な意図をもった集団なのだ。

 どうしてこの程度のものに、TBSは神経質になっているのか。その背景には、官邸と自民党が『NEWS23』を標的にしているという問題がある。

 昨年末、安倍首相が『NEWS23』に生出演した際、街頭インタビューのVTRに「厳しい意見を意図的に選んでいる」と難癖をつけ、その後、自民党が在京テレビキー局に「報道圧力」文書を送りつけるという問題が起きたが、その後も自民党や官邸はさまざまな形で、同番組に圧力をかけ続けていた。

 安保法制審議中は例の文化芸術懇話会の弾圧発言が問題になったこともあって、一時、おさまっていたが、同法が成立した直後から、自民党放送法の改正に関する小委員会」の佐藤勉委員長が、テレビの安保法制報道は問題だとして、「公平・公正・中立は壊れた。放送法も改正したほうがいい」と露骨な恫喝発言をするなど、再びTBS やテレビ朝日への圧力を強め始めた。

 実際、こうした動きに、TBSの武田信二社長が9月の定例会見で、安全保障関連法案をめぐる同局の一連の報道について、「弊社の報道が『一方に偏っていた』というご指摘があることも存じ上げているが、われわれは公平・公正に報道していると思っている」と弁明する事態になっている。

「とくに、官邸と自民党が問題にしていたのが、岸井さんの発言だった。岸井さんはもともと政治部記者で、小泉政権時代は小泉改革を支持するなど、いわゆる毎日新聞でも保守色の強い記者だった。それが安保法制に厳しい姿勢を貫いたことで官邸や自民党は『裏切りだ』と怒り倍増だったようです。政治部を通じて『岸井をなんとかしろ』という声がTBS幹部に再三届けられたと聞いています。そんなところに、今回の岸井さんをバッシングする意見広告が出たことにより、TBSも動かざるを得なくなった。総務省にまで抗議、質問状を送りつけられたことで、TBSは非常にナーバスになっている。総務大臣はあの高市早苗さんですからね。これを口実にどんな圧力をかけられるかわからない。大事になる前に岸井さんを切ろうということでしょう」(全国紙政治部記者)

 いや、岸井氏だけでなく、これを機にメインキャスターの膳場貴子氏も降板させ、『NEWS23』を解体させる計画もあるといわれている。

「膳場さんは今週から産休に入りましたが、そのまま復帰させずフェードアウトさせるという計画もあるようです。しかも、岸井さんの降板、星さんの起用とあわせて、放送時間を現在の1時間から短縮させ、番組自体もストレートニュースに変更するプランももち上がっています」(前出・TBS関係者)

 放送法を歪曲した今回の“報道圧力”である意見広告に、本来、TBSは強く抗議すべきである。それが何をか言わんや、相手の攻撃に屈し、ジャーナリズムとして当然の発言をしただけの岸井氏を降板させるとは──。以前、オウム真理教に絡んだビデオ事件の際に、筑紫哲也氏は『NEWS23』の番組内で「TBSはきょう、死んだに等しいと思います」と発言した。しかし、今度こそほんとうにTBSは「死のう」としているのではないか。圧力に萎縮し、服従すること。それは報道の自殺行為にほかならない。
(田部祥太)

(リテラより)


岸井成格は確かに一時期、というより長い間右傾していたが、その岸井が姿勢を改めたのは今年の安保法案に対してからではなく、佐高信との共著『保守の知恵』(毎日新聞社,2013)を出した時には既に再(?)転向していた。岸井は安倍晋太郎の担当記者をやっていた時期があったようで、そのせいか第1次安倍内閣時代には安倍晋三に対して異様に甘く、そのため私は岸井を天敵視していた時期が長い。しかし、『保守の知恵』で佐高信と対談した岸井は、安倍晋三に見切りをつけたというようなことを言い、佐高ともども(「小沢信者」御用達の)孫崎享をも「左」から批判していた*1。そして、第2次安倍内閣が発足して1年目にやらかした特定秘密保護法の審議の時からこれを厳しく批判した。最近も岸井は、特定秘密保護法を「悪法中の悪法と今でも思っている」と明言した。この国会審議中、担当大臣の森雅子が、外務省機密漏洩事件(いわゆる「西山事件」)における西山太吉元記者の取材が「処罰の対象になる」と答弁したことを、岸井が何度も何度も繰り返し、声を裏返らせながら批判していたことが印象に残っている。岸井の若き日に毎日新聞社を揺るがし、社運を大きく傾けさせた「西山事件」の記憶が強く刺激されたことが、岸井の安倍政権に対する対立姿勢を先鋭化させたのではないかと私は想像している。

報ステ攻撃に続く『NEWS23』攻撃と、テレビ朝日に続いて安倍政権に易々と屈するTBS。「崩壊の時代」はその崩壊の速度を増すばかりだ。

*1:ついでに書くと、かつて岸井は小沢一郎らが進めた「政治改革」の支持者だったが、ある時期から小沢が声をかけてこなくなったらしい。佐高信との対談で明かしていた。おそらく、岸井の発言の中に小沢の気に食わないことがあったのだろう。このように「イエスマン」しか近づけない体質が小沢を孤立に追い込んでいった。なお岸井は佐高との対談本で、小沢が2012年に民主党を離党して「国民の生活が第一」を立ち上げた頃、橋下徹にラブコールを送る一方、石原慎太郎にも声をかけていたことを暴露している。本当に無節操な奴である。結局橋下と石原がくっついたが、小沢はそのろくでもなさにおいて橋下や石原と比肩しうるといっても過言ではない。