kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

岩手県知事選の無投票と自民党総裁選の行方

岩手県知事選で自公が戦わずして敗れ、小沢一郎系の政治家・達増拓也の無投票3選が決まった。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS20H3O_Q5A820C1PP8000/

岩手知事選、達増氏が無投票で3選 与党「不戦敗」

2015/8/20 20:54

 任期満了に伴う岩手県知事選が20日に告示され、現職の達増拓也氏(51)以外に立候補の届け出がなく、無投票で3選が決まった。同県知事選の無投票は戦後初めて。民主党など野党5党が達増氏支援でまとまる一方、自民、公明両党が後押ししようとした平野達男参院議員(61)が出馬を取りやめ、与党側の「不戦敗」が確定した。

 知事選は当初、達増、平野両氏の一騎打ちとなる構図が予想された。ただ、安全保障関連法案の国会審議などで安倍政権への逆風が強まった。平野氏の出馬によって10月には参院議員辞任に伴う岩手選挙区補欠選挙が見込まれることから、政府・自民党内に「撤退論」が広がった。

 野党は秋にかけて東北地方で相次ぐ地方選で安保法案の審議に絡めて政権批判を強め、反自民票を取り込みたい考え。

 達増氏の3選に関し、自民党稲田朋美政調会長20日の記者会見で「県知事選で安保法制が論点になるのはどうなのか」と指摘。民主党枝野幸男幹事長は国会内で記者団に「自民党が候補者すら擁立できないのは党の足腰が空洞化しているのが背景」と述べた。

日本経済新聞より)


達増拓也は、かつて小沢一郎民主党に移った直後、民主党内に「小さな政府研究会」を立ち上げたことのある、もともとは新自由主義志向の強い政治家だった。

http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/2246/1068688996/317

317 :元豪腕幹事長:2004/01/22(木) 15:54
代表戦にむけて動きはじめた模様です

民主党 「小沢派」旗揚げ 旧自由の若手ら50人規模
http://news.goo.ne.jp/news/sankei/seiji/20040122/NAIS-0122-04-03-06.html
民主党小沢一郎代表代行を支持する若手、中堅議員が党内に政策集団「小さな政府研究会」を
旗揚げすることが二十一日明らかになった。小沢氏自身は不参加だが、旧自由党若手議員に加え
民主党内の保守系議員らが参加し、当面は当選一、二回生を中心に五十人規模の集団を目指す。
小沢氏が率いた旧自由党議員らは解党後、派閥活動を停止しているが、同グループが核となり、
九月の代表選では小沢氏擁立の動きも加速しそうだ。
 「小さな政府研究会」の結成は河村たかし達増拓也一川保夫鈴木克昌衆院議員、海野
参院議員らが呼びかけた。二十日夜に都内の居酒屋で開かれた準備会合には、一、二回生を中
心に約二十人が出席した。二十二日に初会合を開き、週一回のペースで定期会合を持つ予定だ。
 旧自由党は昨年の衆院選で党内最大派閥に匹敵する衆参三十人の勢力を維持。
派閥活動は控えてきたが「小沢氏の一声でいつでも動き出せる状態」(旧自由党幹部)。
加えて、五十八人いる初当選議員には「小沢氏シンパ」が多く、新グループも「旧自由党
出身者より、それ以外の議員の参加者の方が多い」(中核メンバー)という。
 小沢氏周辺には合併後の人事で小沢氏の幹事長起用を求める声もあったが、菅氏は
現執行部の存続を決めた。それ以降、小沢氏は執行部に対して半身の構えを貫いており、
九月の代表選での動きが注目されている。


11年前の達増は、なんと今でもゴリゴリの新自由主義者である河村たかしとつるんでいた。しかし、名古屋市で今も悪政を行う河村とは対照的に、達増はむしろ新自由主義とは逆方向の、サービスを切り捨てない県政を行っているようだから、初当選の時に公約した任期は2期8年までという公約を破っての3選も容認致し方ないかとは思う。少なくとも自公の推す候補(やはり元小沢一郎系の平野達男)が不戦敗に追い込まれたことは歓迎すべきだろう。

自公が不戦敗に追い込まれた理由が安保法案の不人気であることは明らかだ。

しかし、そんな自民党の不人気の元凶である安倍晋三が、自民党総裁選でやはり無投票で3選されるとの見通しが強まっている。

http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2567178.html

自民が総裁選の準備開始、「安倍再選」後にらみポスト争い激化

 来月末に自民党総裁としての任期切れを迎える安倍総理。いわば安倍総理一人勝ちともいえる状況の中、党内ではすでに「安倍再選」をみこして閣僚などのポストをめぐる水面下の駆け引きが始まっています。

 「総裁選の管理委員会を作らなければならない時期となったわけでございます」(谷垣禎一 幹事長)

 20日、選挙管理委員会の初会合を開いた自民党。総裁選はどんな構図で行われるのでしょうか。

 「我々このグループは全員一致して、現在の安倍総理を次回総裁選挙にも、推薦するということを決定しておきたいと思います」(二階派 二階俊博会長・9日)

 もっとも動きが早かったのは二階派。今月9日、ほかの派閥に先駆けて安倍総理の再選支持を決定しました。

 党内第2勢力の額賀派も、「安倍再選支持」に傾いています。

 相次ぐ再選支持表明。安倍総理はこのまますんなり再選されるのでしょうか。

 自民党岸田派の会合に、古賀元幹事長が姿を見せました。総裁選での安倍総理の無投票再選に反対する古賀氏、何を思うのでしょうか。安倍総理とは一定の距離を置く「宏池会」。会長の岸田外務大臣は、「ポスト安倍の1人」ともいわれていますが、今回の総裁選には出馬しない意向です。安倍総理と距離を置く古賀氏も、最近では岸田氏ではなく、野田聖子前総務会長や石原伸晃元幹事長の名前を挙げていますが、石原氏はまだ態度を決めきれずにいます。

 前回、安倍総理と戦った石破地方創生大臣も、出馬に消極的な姿勢を崩していません。

 強まる安倍総理無投票再選の流れ。党内では、すでに再選後を見越した動きも活発になっています。

 「『アフターユー』、『アフターレディー』の精神も少し修正をしなきゃならん」(細田細田博之会長・7月26日)

 総理の出身派閥から飛び出した「アフターユー」「アフターレディ」。総裁選後の人事では他の派閥や女性議員を優先するというこれまでの方針を修正して、「細田派」の議員を優遇するよう求めたのです。露骨なまでのポスト要求は、党内で人事に対する不満が高まっていることの裏返しです。

 相次ぐ支持表明も、少しでもいいポストを得ようという「猟官運動」との見方もできます。早くも再選後を見据えて駆け引きが始まった自民党安倍総理はどのような舵取りをするのでしょうか。

(TBS News i 2015年8月20日 23:26)


昨夜の『NEWS23』で岸井成格が、安保法案を争点にして自民党総裁選を無投票でなく行うべきだ、そういう動きもあるから、この(上記のTBS自身が報じる)流れで行くとは決めつけない方が良い、と言っていたが、残念ながら岸井の強がりにしか聞こえなかった。なぜなら、石破茂岸田文雄はもちろん、野田聖子あたりの野心家であれば、下手に立候補して惨敗すると、そのさらに先の総理総裁への道が閉ざされてしまうと計算するのは明らかだからだ。そもそも、自民党に安保法案に反対とは言わずまでも今国会での法案成立断念を主張して推薦人20人を集められる政治家がいると考える方が非現実的だろう。

だから、国民に不人気きわまりなく、岩手県知事選で自公が不戦敗に追い込まれる原因を作った安倍晋三の独裁が続く。その独裁は自民党内に及ぶだけではなく日本国全体に及ぶことは当然だ。日本の政治はすっかり崩壊してしまった*1

こう考えると、安倍政権の終わりは安倍晋三の持病再発による以外の可能性が小さくなってきた。

週刊文春の“吐血”報道に首相の事務所が抗議 - 産経ニュース

週刊文春の“吐血”報道に首相の事務所が抗議

 安倍晋三首相は20日、19日発売の「週刊文春」に「全く事実無根の内容が含まれている」などとして、文芸春秋の松井清人社長らに対し、事務所を通じて記事の撤回と訂正を求める抗議文を送った。法的措置も検討するとしている。週刊文春は、首相が今年6月30日夜、都内のホテルで会食中にトイレで吐血し、翌7月1日夜には帰宅途中に車中で腹痛を訴えたと報じた。

(産経ニュース 2015.8.20 19:37更新)

週刊文春』報道の真偽は不明だが、仮に病気などの理由によって安倍晋三が退陣した場合、2000年の小渕恵三の例を思い返すと、後継を選ぶのに自民党総裁選によらない可能性が出てくる。その場合、これまで真逆(まさか)あり得ないだろうと思っていた悪夢の稲田朋美政権発足すらあり得ることに思い当たった。

蒸し暑い残暑の曇天の朝に寒気がしてきた。

*1:日本政治崩壊の元凶は言うまでもなく90年代の「政治改革」によって導入された衆院選小選挙区制である。