kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

東京(東日本)で維新が弱いワケ/東京の民主「リベラル」候補落選の可能性が高まる

前の記事にいただいたコメント。

http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20141207/1417914768#c1417920969

id:tanyayoshi 2014/12/07 11:56

2年前の選挙では、民・維・みを足せば、越智氏の倍に迫る票数ですから、その辺りを安易に計算したんでしょうが、これで負ければ、単純な足し算による競合回避優先がいかに間違っていたか、一目瞭然ですよね。

そもそも蓮舫話の他に、ここは一度大河原雅子氏で決まったという話が広まりましたよね。そのほうがなんぼかましだったはずだが、彼女は参院選に続いて執行部のゴタゴタに振り回されたということになるでしょうか。

「維新が強硬に東京6区を欲しがったようです」というメディア記事らしきものを引用したブログがありますが、選挙区の特性を踏まえれば、安易に譲ることにはならなかったでしょう…


そうそう、そんな話がありましたね。2ちゃんねるを覗いていたら、大河原雅子氏は良い選挙区をもらったなあ、なんて書かれてました。つまり、民主党リベラル派にとっておいしい選挙区という意味ですね。ところが、そんな選挙区を維新に持って行かれた。海江田の無能さには開いた口が塞がりません。

東京という都市は、最近は都心部は自民が強くなってしまいましたが、比較的裕福な中間層の多い中央線沿線だとか世田谷は、民主党リベラル系が結構強いわけです*1。一方下町では自民の他に公明・共産が強い。

ところが、民主だけではなく、(自民の補完勢力とはいえ)維新も変な選挙戦をやっていて、前回の衆院選で「自民も民主も新自由主義勢力だ」とブチ上げていた日本未来の党(現生活の党)の初鹿明博が、今回は維新公認で東京16区(江戸川区)から立っている。これでは、維新の右派色を期待する層からも「維新もミンスや汚沢と同じか」とそっぽを向かれ、選挙区の票だけではなく比例票も減らす効果にしかならないと思います。前回の未来の党から維新に移籍した人間には、超富裕層の人間である木内孝胤(東京9区)なんかもいて、こいつも初鹿同様、維新の足を引っ張っていると思われます。

やはり、民主、生活、旧みんな、維新、社民の「野党共闘」には実害が大きいと思われます。その中でも特に愚かなのはやはり民主であって、維新はその民主から票を流される分だけは得をしていると思います。朝日新聞世論調査によると、非共産野党が候補を一本化した選挙区において、民主支持者の50%が維新候補に、維新支持者の60%が民主候補にそれぞれ投票すると答えたとのことで、維新支持者の30%は民主ではなく自民に投票すると答えたとのこと。そりゃそうだろうなあと思いました。それでも、バブル人気が弾けた維新が、半分とはいえ民主の票がいただけるのはおいしい話でしょう。逆に、すっかり減ってしまった維新支持層の60%しか票の上積みのない民主の候補にはさほどの得はありません。

以上で返事は終わり。「ですます」から「だ、である」に戻す。

今回は維新の候補の苦戦が目立つようだが、東京では、15区の柿沢未途のように、前回みんなの党公認で当選して、今回は生活も民主も候補を立てていないにもかかわらず、維新の候補として立った今回の方が前回より苦しい戦いになっている例がある。

それは、「維新」という看板自体が東京での選挙戦にマイナスになっているせいではなかろうか。つまり、「みんなの党」なら良いけれども、「維新」には抵抗がある、と感じる人が少なくないのではないかという推測である。都議選の応援のために橋下が東京にやってきた時、維新候補の応援そっちのけで、なんと関西ローカル放送局である毎日放送MBS)の批判をしていた話は前に書いたが、こんな橋下を見て、「維新=大阪の政党」というイメージを強めた都民は少なくなかったのではないか。また、維新といえば橋下の右翼イメージがあるが、自民党総裁安倍晋三にも右翼のイメージがある。左寄りの有権者は橋下の右翼色を敬遠するだろうし、右寄りの有権者も、「日本の右翼」と「大阪の右翼」との比較なら「日本の右翼」(自民党)を選ぶに決まっている。つまり、「維新の党」の看板それ自体が、東京など首都圏、いや広く東日本の選挙区で不利に働いているのではないかと推測するに至った。

それも含め、今回の「野党共闘」は、何から何までダメなことだらけ、どうしようもないという感想だ。

なお、民主党の国会議員全体を見ると、保守派の方がリベラル派よりも圧倒的に強い。東京でも、得票力の高いのは長島昭久松原仁らである。彼らにとっては、東京6区に大河原雅子氏を立てることは「いい迷惑」だったのではないかと勘繰りたくなる。

こうして、維新に過大な譲歩をした東京の民主党は、今回惨敗する可能性が極めて高い。なにしろ、マスコミの情勢調査報道を見る限り、上記「得票力の高い」と書いた長島や松原らでさえ、小選挙区で負ける可能性がある。海江田万里菅直人には、長島や松原よりももっと苦戦が予想されているので、海江田や菅には、比例復活も果たせず落選する可能性が高まってきたのではないかと私は見ている。比例復活の枠を長島や松原らが占めてしまうと自動的にそうなるわけだ。そうなると、民主党代表選が行われ、保守派の政治家が民主党代表に就任することは目に見えている。その場合、民主と維新が丸ごと合流する可能性が高まる。

上記は最悪のシナリオだが、そんな可能性を孕んだ「野党共闘」を、「リベラル」派と目される朝日・毎日両紙や政治評論家や政治ブロガーたちは応援してきたわけだ。その責任はきわめて重いと思う。

*1:つまり、エスタブリッシュメント層は自民、中間層のうち少なくとも上半分は民主という傾向が見られる。