kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

朝日、自民305、民主78、維新27、公明33、次世代2、共産18、生活2、社民2、無所属9と予想

ようやく朝日の衆院選情勢調査が載ったが、朝日らしいというべきか、民主党非右派*1にやや甘めの観測記事が並んでいる。昨日出た共同通信の身も蓋もない終盤情勢調査記事とはずいぶん違う。たとえば東京1区では海江田万里の、東京18区では菅直人の名前が先に出てくる一方、東京21区では長島昭久の名前が自民党候補よりあとに出てくる。また、民主ではないが注目の岩手4区の生活・小沢一郎は「一歩抜け出した」ことになっている一方、岡山3区の次世代・平沼赳夫は自民の阿部俊子と互角だと報じている。また、沖縄では4つの選挙区は1区と4区を含めてすべて自民劣勢とみているようだ。

つまり、大雑把にいえば、朝日は多少「非右派」の巻き返しがあるとみているようだが、それでも自民党の獲得予想議席の中心値は305(290〜318)で、以下紙面の掲載順に民主78(66〜89)、維新27(22〜34)、公明33(31〜35)、次世代2(1〜5)、共産18(15〜20)、生活2(1〜4)、社民2(1〜3)、無所属8(5〜10)と並んでいる。この数字は、まあこんな感じになるだろうと思えるものだが、やはり若干民主に甘いという印象だ。ちなみに、次世代の最大5というのは不吉な数字だが、なんと神奈川18区で、名前があとに出てくるとはいえ、中田宏が接戦らしい。川崎市民は何を考えているのかと思う。私は、自民と次世代の競合なら、平沼の岡山3区も含めて*2、まだ自民の方がマシだと考えているのだ。次世代の党の希望獲得議席は1議席なのである。ちなみに朝日は次世代の議席を、小選挙区で1〜2〜3、比例代表で0〜0〜2とみている。小選挙区では強い順に園田、平沼、中田(呆)と続き、大阪13区の西野弘一はかなり苦しく、東京19区の山田宏は泡沫扱いである。比例で次世代に議席を与えかねないふざけたブロックは、南関東と近畿だ。近畿は、あれほど維新が強いのに次世代の比例議席可能性まであるのかと、その恐ろしい右傾化には呆気にとられるばかりだ。一方、東京は次世代の議席獲得に届かない可能性が極めて高い。なるほど、これでは石原慎太郎が名簿登載順位1位を辞退して逃げ出すはずである。

さて維新だが、民主党右派を抱き込んで海江田万里の頭を抑えつけてゴリ押しした「野党共闘」はやはり失敗で、先日の毎日新聞の情勢調査では、維新が民主党の「野党共闘」で優位に選挙戦を進めているのはわずか2つの選挙区だけだという。私が例に取り上げて酷評した東京6区などは、自民党候補が選挙の弱さでは党内の前職でも有数の越智隆雄であるにもかかわらず、朝日の地方面(第2東京版)の記事によると、越智は民主党支持層からも一定の支持を得て圧勝の見込みだ。維新の落合貴之は、無党派層からの支持も約4割にとどまり、自民支持層からも1割の支持を得ているものの、民主支持層を越智と分け合っているために当選の見込みが全くなさそうなのである。東京6区を維新に明け渡した民主党東京都連の絶望的な政治センスは、これまでにも何度も非難してきたけれども、改めて強く非難せざるを得ない。長島昭久など、比例復活もならずに落選すれば良いと思うのだが、残念ながら、仮に小選挙区で負けても比例での復活は確実だ。

私は今回の衆院選では、いつものように熱心に情勢を追う気にはどうしてもなれなかったので全然知らなかったのだが、「野党共闘」の選挙区では、鼻をつまんで維新に入れろとかいうキャンペーンがあったらしい。冗談じゃない。私も当該の選挙区に住むが、維新の候補なんかには絶対に投票しない。自民、次世代、維新の3党は、私が全的に拒絶する政党である。今回の選挙でも、私は共産党候補に投票することに決めている。ちなみに、選挙後に民主と維新(大阪系を除く)が合流したり、あり得ないとは思うが民主が分裂して、前原誠司細野豪志ら一部の議員が維新と合流したりした場合、当該の政党は遠くない将来に党勢が衰えて消滅する道をたどるだろうと予想している。世の中には、不思議な「リベラル」系の人がいて、維新といくらも経済政策の違わないみんなの党が解党して、一部の政治家が民主に流れた時には、保守系の人が民主に入ってくるのは嫌だと書きながら、江田憲司松野頼久小沢鋭仁らに対しては異様に好意的なブログ記事を書いたりするので信じられない思いだ。私がテレビ討論で江田憲司橋下徹が発した言葉から判断する限り、維新の経済政策は自民よりもひどく、かつての小泉純一郎を彷彿とさせる古くさい「構造改革」を思い出させるものだった。民主をリベラル寄りに持って行きたいと思うのなら、維新への譲歩を批判したり、維新の弱い選挙区では民主は競合候補を立てよと主張すべきだったと思うのだが、「野党共闘」の美名に幻惑されたのか、そのように論じる人間はほとんどいなかった。

さて、民主との「野党共闘」が思うに任せない橋下徹が怒り狂っているらしい。赤旗が報じている。

維新が民主を攻撃/「選挙協力」は破たん

維新が民主を攻撃
選挙協力」は破たん

 衆院選で「選挙協力」を行っている民主と維新は、維新が民主を攻撃するなど政策抜きの「選挙協力」の破たんが露呈しています。

 「僕は民主党だけは絶対に許せない。彼らのいいかげんさはすごいですよ。『国民の皆さんの生活を豊かにします』というでしょ、彼らはお金の出どころについては何もいわない」

 維新の党の橋下徹共同代表は6日、大阪市内でこういって民主党を批判しました。

 維新が民主を批判する大阪府では、19小選挙区のうち5人を擁立、大阪市内はゼロ。維新は14人を立てたものの、四つの小選挙区で対立選挙になっているためです。

 政見放送でも橋下氏は、自民、公明と一緒に民主を名指しで、「身を切る改革をやらない政治家に改革を委ねることはできません」と批判しています。

 民主と維新の「選挙協力」は、消費税、原発など基本政策を棚上げしたものでした。その破たんがあらわになっています。

 民主党支持の連合は維新候補を推薦せず、民主党候補がいない小選挙区では比例代表民主党への投票を徹底する方針を決めています。民主党県連が維新候補を推薦しても地方連合が推薦しないなど矛盾を深めています。

 連合加盟労組の役員は「アベノミクス新自由主義、維新も新自由主義だ。橋下氏は今でも連合を攻撃している。推薦するのは難しい」と話します。同時に「民主党政権時代の印象が消えておらず、支持者が戻ってきているわけでもない」と話しています。

しんぶん赤旗 2014年12月10日)


大企業や役所に勤務する正社員の味方でしかないと思われる連合だが、その連合でさえ維新の推薦は行わない。当たり前であろう。公示前、海江田万里が慣れない剛腕を発揮して、維新から一本釣りするなら別だが、民主と維新との「野党競合」は民主にとって有害無益だと書いた。その通りの選挙結果になりそうだ。

そうそう、3日前にこんなブログ記事が出ていた。


同趣旨の記事を、私は毎日新聞記事が出たばかりの時に書いた。


ただ、私は5人の政治評論家が出した議席予想数ははしょって紹介しなかったので、それがブログ『AUT DISCE AUT DISCEDE』の記事に紹介されているのは助かる。

改めて5人が出した数字を見直すと、唯一、野上忠興という人の予想が、民主と次世代が多すぎて自民と共産が少なすぎることを除き、私の大嫌いな鈴木哲夫を含む他の4人よりはいくらかマシな数字になっていることがわかる。具体的な数字を引き写すと、自民267、公明32、民主119、維新24、次世代8、共産11、生活3、社民2、無所属12となっている。民主が維新との自滅的な「野党共闘」にのめり込んでいなかったなら、それでも100議席もいかなかったとは思うが、民主が今予想されている数字よりは若干積み増し、維新は野上氏が出した24議席くらいに落ち着いたのではないか*3。野党第1党が「野党共闘」の美名に自らが縛られて、勢いのすっかり衰えた野党第2党に対して考えられない譲歩を繰り返したのは、やはり致命的な戦術の誤りだった。但し、この責任は海江田万里よりも民主党内の右派(前原誠司細野豪志長島昭久ら)がより強く負うべきものである。海江田万里もまた私の大嫌いな政治家の一人ではあるが、それでも海江田から他の人間に民主党代表が替わった場合、現在の同党の有力議員の顔ぶれを見る限り、民主党はより悪い方向にしか変わりようがないと思われる。

*1:民主党に左派はもちろん、リベラルといえる人がいると言えるのかもはや疑わしいので、こういう表現をさせていただく。

*2:岡山3区の阿部俊子は、自民党としては異例なほどリベラル寄りの政治家だったと記憶する。といっても、党の決定に従って劣悪な行動をとり続けているわけだが。

*3:但し、次世代の党の予想議席を「8」と過大評価したことについては、弁護の余地はない。