kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

小渕優子と渡辺喜美/日刊ゲンダイのクソ記事をdisる

衆院選で、ともに不祥事を騒がれた2人の候補が極端な明暗を分けている。小渕優子渡辺喜美である。
やはり小渕優子は、一部で指摘されていたように、後援会の操り人形というか御輿であって、自分の意志では進退も決められない情けない政治家だった。議員辞職をするどころか、スキャンダルが騒がれたばかりの時期に行われた衆院選に平然と出馬したのは、後援会の意向に従順に従った結果だろう。選挙戦の第一声で涙を流して選挙民の同情を買った小渕は、選挙戦は自民党候補の中でも屈指の大楽勝らしい。
一方、好き勝手やったあげくに自滅した渡辺喜美は、新党結成もままならなかったばかりかメディアの情勢調査でも落選確実と見られている。親父の代から強固だったはずの後援会はどうなってしまったのだろうと思うが、自民党を離れて好き勝手に行動したことで、利権のしがらみその他も解体されていったということなのだろうか。
私は渡辺は親父の代から大嫌いな政治家なので、落選しても同情などしないが、「担ぐ御輿は軽くてパーが良い」を地で行く小渕優子のような候補者に対する選挙民の異様な甘さは、これはもうどうにかならないものかと思う。小渕優子はある意味、渡辺喜美以上に選挙民に厳しく突き放されて当然だと思うのだが。

今年の衆院選で本当にどうしようもないと思うのは、マスコミの選挙予想をあげつらう陰謀論である。その最悪の例の一つが、私が産経以上に嫌ってやまない『日刊ゲンダイ』の下記記事である。下記の記事は公示前のもの。

有権者はいいのか? 無党派層が棄権なら「自民大勝」の悪夢|日刊ゲンダイDIGITAL

有権者はいいのか? 無党派層が棄権なら「自民大勝」の悪夢

 選挙区に戻った自民党議員は、思わぬ逆風にさらされているという。

 選挙戦はスタートしたばかりだが、有権者から「大義もないのに、なぜ700億円も使って選挙するのか」「暮れの忙しい時に商売あがったりだ」と文句を言われ、釈明に追われている。地方ではアベノミクスの成果について演説すると、ヤジが飛ぶそうだ。

 それでも“自民優勢”という選挙情勢になっているのは、有権者の関心が薄く、まれにみる低投票率になりそうだからだ。朝日新聞の調査では、選挙に「大いに関心がある」は21%しかなかった。05年選挙は47%、09年は49%、12年は39%だったから半分である。このままでは、無党派層はほとんど棄権しそうだ。投票率が下がれば、組織がしっかりしている自民、公明が圧倒的に有利だ。

 安倍首相を支えている大新聞は、低投票率にするために、わざと選挙前に「自民300議席へ」という記事を1面に掲げる予定だという。無党派層に「もう勝負はついた」「投票に行ってもムダだ」と諦めさせる狙いだそうだ。

 しかし、12月14日の総選挙を棄権したら、安倍首相の思うツボだ。

「ほとんどの国民は、安倍首相の政策を支持していないはずです。むしろ、不安に思っている国民の方が多いと思う。自民党に一票を入れようと考えている有権者も、積極的な支持ではなく、ほかに入れる政党がないから、といった消極的な理由でしょう。しかし、それでも選挙で過半数を獲得したら、安倍首相が『私は国民から信任を得た』と勝ち誇るのは目に見えている。この先、4年間、暴走するのは間違いない。有権者は本当にそれでいいのか。安倍首相の暴走をストップさせるチャンスは、この年末選挙しかない。国民は棄権してはダメです」(政治評論家・本澤二郎氏)

 無党派層が動かずに低投票率になったら、税金で食べるために政治家になっているような連中が、また大挙して国会に戻ってくることになる。日本の民主主義のどうにもならない限界を象徴する選挙結果になりかねない。まだ時間はある。国民は絶対に放り投げてはいけない。

日刊ゲンダイ 2014年11月26日)


こんな記事をうれしそうに拡散している、政権批判派のブログは実は少なくないのだが、私は上記『日刊ゲンダイ』の記事は最低だと思う。というのは、赤字ボールドにしたくだりが陰謀論としてひどいばかりではなく、何重もの問題を抱えているからだ。

というのは、何度も書くように、解散前の各政党の政党支持率と、小選挙区制という選挙制度を普通に考え合わせれば、自民党が少なくとも解散前の議席を維持する程度に勝つのは当然だからだ。そして、マスコミは特に「低投票率にするために、わざと選挙前に「自民300議席へ」という記事を1面に掲げる予定」なんかじゃなくて、これまでやってきた通りに普通の報道をしているだけなのである。

実は、マスコミの選挙情勢報道は、日刊ゲンダイの言いがかりとは逆に、今までほど活発ではない。その最たる例が朝日新聞であって、従来は序盤と終盤に二度選挙情勢の記事を紙面に載せていた。前回は序盤で全選挙区、終盤で注目の選挙区の情勢記事が載った。今回も読売はこのやり方をしている。しかし、朝日は今回は全選挙区の情勢調査記事を11日に載せただけで、序盤は大づかみの傾向は一面トップに載せたが、詳細は載せなかった。

これと重ね合わせて考えるべきは、私は幸いにしてみなかったのだが、安倍晋三が『NEWS23』に出演して、「街の声」に言いがかりをつけた一件だ。つまり、安倍晋三は国民をつんぼ桟敷に置こうとしている。

朝日だけではない。今回の衆院選について報じるテレビ番組の総放送時間が、過去の衆院選と比べて極端に少ないことが指摘されている。これも、何かとマスコミ報道に神経を尖らせる安倍晋三にとっては好都合なことである。こうしたことを考えると、マスコミの選挙情勢報道にいちゃもんをつける日刊ゲンダイがやっていることは、安倍晋三を助けることにほかならない。

何より腹が立つのは、公示前に自民党が負けるぞ、負けるぞという記事を書いている日刊ゲンダイ自体が、自民党が300議席を超える圧勝をすることを正確に予測していたことだ。そうでなければ、赤字ボールドで示したような文章が書けるはずがない。そして、自民党が圧勝するであろうことは、先にも書いたように、常識のある人間がまともに思考すれば、それ以外の結論など出てこようはずがないくらい自明のことなのだ。今回はさらに、維新に譲歩しまくった民主党の自滅までもが加わって、どうしようもない選挙結果になりそうだ。

私が思うのは、この手の『日刊ゲンダイ』のようなくだらない煽り記事を真に受けたり拡散したりする人間が誰もいなくなるくらい、人々のレベルが上がってほしいということである。