kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「日本経済のリセッション入り」は衆院選には全く影響しない模様

日本の7〜9月期GDPの下落幅が速報値の年率換算1.6%から1.9%に下方修正されたことは、一昨日だったかの朝日の一面トップにも出ていたのだけれど、選挙戦を報じるテレビではたいして話題にもならず、相変わらずなんとかのミクスが成功しているかのような報道が続いているのだった。最初に1.6%下落と報じられた時には、円が上がって日経平均が下がるなど、大きな反響があって、つられて安倍内閣の支持率もほんの少しだけ下がったのだけれど、解散でテレビのみならず野党の候補者までもが(批判してはいるのだが)なんとかのミクスを連呼して安倍晋三を宣伝しているのだからどうしようもない。

Recession? - Living, Loving, Thinking, Again(2014年12月8日)のコメント欄

id:osaan 2014/12/09 11:46
四半期のうち二期連続でマイナス成長だと、中身がどうあれRecessionとされるようです。


私もこのことは、先日の年率1.6%の速報値が報道された時に知った。テレビ(報棄てこと報道ステーション)に出てきたコメンテーターが、「景気後退とみなされかねない」と奥歯に物が挟まったような言い方をしていたので変だと思ってネット検索をかけたら、海外のメディアが一斉に「日本経済のリセッション入り」を報じていたので、その時に知った次第。当時、下記の記事を書いた。

まあ、4〜6月期のGDP下落は明らかに消費増税の影響なので、日本経済が本当に、というか本格的なリセッションに入ったかどうかは、10〜12月期を見てみないとわからないとは思うし、さすがに10〜12月期はプラスになるんじゃないかとも想像するけど。ただ、2014年度トータルでマイナス成長になる可能性がますます高まったのではないかといえるとは思う。

で、相変わらずまず金融政策を批判しようとする向きは野党支持者や安倍政権批判者から多く出ているのだけれど、私はなんとかのミクス、もとい安倍政権の経済政策の効果が出ないのは、スティグリッツが1年半前に言っていたように、同政策の柱から再分配が抜け落ちているからだと思う。数理マルクス経済学者の松尾匡は、不況時に金融緩和や財政出動を行えというのはケインズの主張で、金融緩和や財政出動は有害無益だとするのはフリードマンの主張だと指摘しているけれども(『ケインズの逆襲、ハイエクの慧眼』100-101頁=PHP新書, 2014)、日本の野党やその支持者にはフリードマンの信奉者がずいぶん多いようだ。



ちなみに私が危惧しているのは、このまま安倍政権が格差拡大の政策をとり続けて、そのせいで景気が思うように回復せずに倒れたあと、格差縮小と排外主義を同時に叫ぶ勢力(国家社会主義勢力と言っても良いかも知れない)が台頭すること。この時こそ、日本はファシズムの時代に入ると思う。戦時中、日本は極端な累進課税を行って戦費を調達するとともに、「ぜいたくは敵だ」というスローガンを国民に押しつけることを正当化したのだが、実はその首謀者の一人といえるのが、安倍晋三の敬愛する母方の祖父・岸信介だったりする。だから実は安倍晋三にもファシストの資質は十分あるのだが、長年つきあってきた新自由主義勢力との腐れ縁が、皮肉にも安倍晋三ファシストになることを阻んでいるというのが私の見立て。

さて、上記記事の本文より。

ところで、拙blogで「アベノミクス」という言葉は(殆どは引用だが)思ったよりも多く登場していたのだった

これは私も同様で、特に第2次安倍内閣発足直後に、無批判に使っていた。『きまぐれな日々』ではタイトルにあのおぞましい6文字を使ったことさえあった。その後、浜矩子が「アホノミクス」と言い出した時、こういう言い方をするのは安倍晋三を助けるだけだと気づいて、記事でそれを指摘するとともに、つとめて「安倍政権の経済政策」と書くようにしている。ただ、引用文に入ってくる分には手の打ちようがないのだった。