神奈川・相模原市で19人を殺害した凶悪犯の正体がネトウヨ(ネット右翼)だったことは、ネットでは広く知られている。この男が衆議院議長の大森理森に送った手紙の全文を共同通信が配信し、それが毎日新聞のサイトに載ったものをハフィントンポストが転載した記事にたどり着いた(毎日新聞のサイトからは、「ログインせずに読める今月の上限5本に達しました」といって弾かれたのだが、記事は共同通信の配信だったようだ)。下記記事を書いた吉野太一郎氏は朝日新聞記者だと記憶するが、文章から推測して、朝日も(ネット検索などを除く)自社取材では「手紙」にアクセスできなかったのではないか。
【相模原殺傷】「障害者470名を抹殺できます」植松聖容疑者、衆院議長に手紙(全文) | ハフポスト
【相模原殺傷】「障害者470名を抹殺できます」植松聖容疑者、衆院議長に手紙(全文)
The Huffington Post | 執筆者: 吉野太一郎
投稿日: 2016年07月27日 08時57分 JST 更新: 2016年07月27日 11時19分 JST相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者19人が殺害された事件で、逮捕された植松聖容疑者は2016年2月、大島理森・衆院議長に手紙を渡そうとしていた。
朝日新聞デジタルが捜査関係者の話として伝えた内容によると、2月15日に東京都千代田区の議長公邸を訪ね、土下座して渡すよう頼み込んだという。「障害者は不幸を作ることしかできません」「第三次世界大戦を未然に防ぐ」など、常軌を逸した内容が並ぶが、「作戦」として夜間に職員を縛るなど、今回の犯行を事前に予告した部分もある。
共同通信が伝えた手紙の全文は以下の通り。
この手紙を手にとって頂き本当にありがとうございます。
私は障害者総勢470名を抹殺することができます。
常軌を逸する発言であることは重々理解しております。しかし、保護者の疲れきった表情、施設で働いている職員の生気の欠けた瞳、日本国と世界の為(ため)と思い、居ても立っても居られずに本日行動に移した次第であります。
理由は世界経済の活性化、本格的な第三次世界大戦を未然に防ぐことができるかもしれないと考えたからです。
私の目標は重複障害者の方が家庭内での生活、及び社会的活動が極めて困難な場合、保護者の同意を得て安楽死できる世界です。
重複障害者に対する命のあり方は未(いま)だに答えが見つかっていない所だと考えました。障害者は不幸を作ることしかできません。
今こそ革命を行い、全人類の為に必要不可欠である辛(つら)い決断をする時だと考えます。日本国が大きな第一歩を踏み出すのです。
世界を担う大島理森様のお力で世界をより良い方向に進めて頂けないでしょうか。是非、安倍晋三様のお耳に伝えて頂ければと思います。
私が人類の為にできることを真剣に考えた答えでございます。
衆議院議長大島理森様、どうか愛する日本国、全人類の為にお力添え頂けないでしょうか。何卒よろしくお願い致します。
文責 植松 聖
作戦内容
職員の少ない夜勤に決行致します。
重複障害者が多く在籍している2つの園を標的とします。
見守り職員は結束バンドで見動き、外部との連絡をとれなくします。
職員は絶体に傷つけず、速やかに作戦を実行します。
2つの園260名を抹殺した後は自首します。
作戦を実行するに私からはいくつかのご要望がございます。
逮捕後の監禁は最長で2年までとし、その後は自由な人生を送らせて下さい。心神喪失による無罪。
新しい名前(伊黒崇)本籍、運転免許証等の生活に必要な書類。
美容整形による一般社会への擬態。
金銭的支援5億円。
これらを確約して頂ければと考えております。
ご決断頂ければ、いつでも作戦を実行致します。
日本国と世界平和の為に、何卒(なにとぞ)よろしくお願い致します。
想像を絶する激務の中大変恐縮ではございますが、安倍晋三様にご相談頂けることを切に願っております。
植松聖
(住所、電話番号=略)
かながわ共同会職員
(相模原殺傷:衆院議長宛て手紙 全文 - 毎日新聞より 2016年7月26日 18時07分)
(ハフィントンポストより)
犯人の植松聖がフォローしていたTwitterの中には安倍晋三も含まれるらしい(他に橋下徹や中山成彬、百田尚樹ら極右 and/or 新自由主義の人士がズラリ)。もちろん、「植松聖の思想=安倍晋三の思想」などと短絡するつもりはないが、たとえば在日韓国人に対する例が巷間言われることの多いヘイトスピーチの対象には、障害者も含まれる。2000年の森喜朗以来、2008年からの4年間を除いて総理総裁の派閥である清和会は、小さな政府志向で福祉や社会保障は切り捨ての対象とされている。極右にして新自由主義の人士を総理大臣にいただき*1、今また極右・新自由主義の人士を東京都知事に選ぼうとしている今の日本だからこそ起きた事件ではないかとの疑念は拭えない。