kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

二階俊博が蓮舫の「『二重国籍』問題」を「取り上げるつもりはない」と明言

野ダメ(野田佳彦)を幹事長に、細野豪志を代表代行に選んだ蓮舫の救い難いセンスのなさについては改めて批判するとして、この記事では蓮舫の「『二重国籍』問題」(鉤括弧や二重鉤括弧をつけたのは、そんなことは問題視するに当たらないという意味であるのは当然)に対する反応をピックアップしておく。

http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20160915/1473896281#c1473912100

id:kemou 2016/09/15 13:01

松原仁などが「二重国籍は大問題から代表選を延期しろ」みたいな文書を発表したみたいですが、民進党というのは本当に救い難い政党ですね。自民党ですらこの件にはやや距離を置いているのに、不当な攻撃を受けている側である民進党が自らファシズムへの道をせっせと舗装してるのですから救いようがありません。「安倍はアレだけど、ぶっちゃけ中道左派/リベラルサイドからも政党全体として見たら自民党の方が民進党より実はマシじゃね」なんて声がときどきあったりするのは、ファシズムへの道先案内人に平気でなってしまう、こうした民進党の救いようの無さゆえでもあるのでしょうね。本来徹底して反撃すべき側がこれなのですから、無力感以外感じようがありません。


http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20160915/1473896281#c1473926796

id:MakegumiKyoji 2016/09/15 17:06

kemou様
言っていることはわからないわけではありませんが、

民進、新代表に蓮舫氏 総ポイントの6割獲得」
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFK15H2C_V10C16A9000000/

とあるとおり、党首には蓮舫が選ばれています。自民党蓮舫を党首に選ぶと思いますか。この件について、本当に「自民党の方が民進党より実はマシじゃね」なんて思うやつは結局、自民党的な体質の人です。松原仁などが何を言ったかはしりませんが、党首になったのは松原仁ではなく、蓮舫であることは紛れもない事実です。


http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20160916/1473982311#c1473985879

id:mtcedar 2016/09/16 09:31

実際、民進党代表選の"本番"を前に「蓮舫代表代行の国籍問題について」って文書が前原・玉木両候補の推薦人を中心に出され代表選をやり直せ(!)って要求していたんですけど、その中には民進党でも"リベラル"と目されていた面子が少なからず名を連ねていたので唖然としましたよ。 orz

最近では"リベラル"だと有権者への支持の広がりが限られるのか・それとも"リベラル"が嫌われているのか(?)「保守リベラル」と態々保守に媚びる(?)姿勢が目立ちますけど、この件を見てて思うのは一旦"リベラル"が保守に媚びる姿勢を見せるとなし崩し的にネトウヨの煽りにさえ易々と乗ってしまうんだなぁってことですね。小選挙区主体の選挙制度って現実はあれど、やはりリベラルや中道は保守と画すべき一線を持たねばならないと言っても過言ではないでしょう。


さすが自民・二階さん、「二重国籍」問題とせず・・残念だがこれが自民党の「強み」だ : 広島瀬戸内新聞ニュース(社主:さとうしゅういち)(2016年9月17日)より

民進党の代表に蓮舫さんが決まったことについて、二階幹事長のコメント。正直に言って余りにも秀逸でうならされました。

これなら、リベラル層にも

「党内で二重国籍(実際は台湾を日本は国として認めていないので「国籍」ですらない)を問題にしてガタガタ抜かす議員が多い民進党よりも自民党の方がマシやんけ」

と思ってしまう人が増えるでしょう。

二階さんは言ってみれば「ダーティーなハト」。自民党内でかつては本流だったようなタイプの人です。

そういう人を前面に出して、批判を薄める。その点では安倍さんも策士ですね。

今回の二重国籍騒動の「敗者」は民進党だった。内部でガタガタ騒いだことで民進党自民党よりもひどいというイメージすらリベラルな有権者に与えてしまった。本当に、民進党は反省すべきでしょう。

そして、二階俊博こそが自民党の強みだ。本社は「打倒!自民党政治」を社是の一つとしていますが、悔しいがそれは認めないといけない。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160915/k10010687741000.html
(後略)


下記は上記記事からリンクされたNHKニュースより、二階俊博のコメント。

自民

自民党の二階幹事長は、党本部で記者団に対し、「蓮舫新代表が、予想どおり、圧勝して選ばれたことは、民進党という党の安定から言って、大変結構なことだったのではないか。与党、野党の立場はあるが、われわれは、日本のため、国民のために、ともに手を携えて頑張らなければいけない使命があるのだから、お互いに協力し合っていければよいと思う」と述べました。一方、二階氏は、蓮舫氏の、いわゆる「二重国籍」問題について、「これだけ国際社会が進んでいる時代なのだから、蓮舫氏自身が、自分は何らやましい点はない、日本人だということで、これからご活躍をいただくのであれば、それはそれで、結構ではないか。この問題を取り上げるつもりはない」と述べました。

NHKニュース 2016年9月15日 18時37分)


まあ自民党と言っても竹下登系列(小沢一郎が設立した新生党新進党自由党にも参加したが2000年に小沢と袂を分かって保守党入りしたのち2003年に自民党に復党)の二階俊博ではなく、下村博文だの稲田朋美だの片山さつきだの、ましてや平沼赳夫城内実あたりだったら二階俊博とは全く違った反応を示したに違いないと私は思うけれども(現に片山さつきは2007年の参院選前に消えた年金問題で民主党菅直人を誹謗中傷するポスターを作らせて世論の猛烈な批判を浴びたことがあった)、自分とは系列の違う谷垣禎一二階俊博を幹事長に起用して彼らが軽はずみな妄言を吐いて自らの足を引っ張ったりしないどころか、自らの長期政権化に忠臣として協力させる体制を築いた安倍晋三は、自らのボスである野田佳彦を幹事長に起用して党内の猛反発を招いている蓮舫とは比較にならないしたたかさを持っているとはいえる。それは安倍晋三自身の才覚では全くなく(安倍本人はむしろ「お友達内閣」を作りたがる傾向の強い人間だ)、自民党の伝統によるものではあろうけれども。一方の民進党は、民主党時代の2002年9月の代表選で菅直人を破った鳩山由紀夫が、旧民社の政治家を重用する露骨な論功行賞人事を強行しようとして党内の反発はおろか猛烈な民主党政党支持率低下を招いて代表選当選早々に代表辞任に追い込まれ、同年12月に本当に代表選のやり直しを余儀なくされた(やり直しの代表選では菅直人岡田克也を破った)というろくでもない「負の遺産」を抱えたまま今に至っている。今回の代表選を巡って、ネトウヨの煽りにも等しい蓮舫への悪質な言いがかりを前原や玉木の陣営が利用しようとしたり、勝った蓮舫民主党政権崩壊の大戦犯にして今後の日本の経済政策にとって明らかに全く好ましくない財政再建至上主義に凝り固まる経済極右である野田佳彦を幹事長に起用するなど、どっちもどっちとしか言いようのない惨状を呈しているといえる。

そもそも民進党の政治家のスタンスは、その分布の幅は広いものの平均すれば保守的かつ新自由主義的であり、それは民進党支持層の平均的なスタンスとはかけ離れている。それなのに支持者の方がその現実から目を背けて挙党一致を願ったり(そんなことを願っても、いま実にそうなろうとしている通り右寄り路線を強めるだけなのに)、極右レイシストによる理不尽な蓮舫への攻撃に怒りを感じて反発しなければならないはずなのに「ブルーになって」いたりするていたらくだ。彼らは一体何を考えているのかと激しい憤りを覚える。何をどう言い訳しようが、一部の「リベラル」を「ブルー」にした蓮舫の「『二重国籍』問題」を二階俊博は全く問題視して取り上げるつもりはないと明言したことは紛れもない事実なのだ。民進党の政治家だの「ブルー」になった「リベラル」だのとの格の違いを見せつけられたと思った。政治は結果がすべてである。

もっとも、件の「リベラル」氏は、蓮舫の「『二重国籍』問題」への追及に一定の理を認めているのかもしれないとの疑念も湧く。件の「蓮舫代表代行の国籍問題について」という文書を作成した張本人の一人は「小沢一派」に属する松木謙公だったことをネット検索で知ったが(他に松原仁らも噛んでいたようだが、ネット検索しても原文に当たれなかったので、他に誰が署名したか私は知らない)、昨日私が批判した記事から類推して、「リベラル」氏は小沢グループに(私から見ると異様な)親近感を抱いているように見受けられるからだ。それに、当該ブロガーもその一員だったネット界隈では2006〜09年頃、「『右』も『左』もない」を合言葉として、平沼赳夫城内実を応援するブログキャンペーンなどもあった。その首謀者だった「喜八」と名乗るブロガーは、2008年に城内実が極右レイシストとしての立場から国籍法の改正に反対した時、「城内実さんが反対するのだから問題があるのだろう」と言って城内に「右へ倣え」とばかりに国籍法改正反対になびいたこともあった(もっともこの時には件の「リベラル」氏は城内実を堂々と批判したことを私は記憶しているけれども)。当時私は城内実や「喜八」を激しく批判したが、同様の記事を書くブロガー仲間などほとんどおらず、私は「政権交代を求める」ブロガーとしては異端中の異端だった(結局私は翌2009年、「政権交代」を直前にしてそのブログ村を出て行った)。そういったことどもをよく覚えているものだから、「リベラル」界隈もネトウヨ的なレイシズムに相当程度汚染されているのではないかと強く疑っている。

ともあれ、蓮舫の「『二重国籍』問題」が民進党の悪しき体質を浮き彫りにしたことは間違いない。