kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

東京・港区長選 清家氏が初当選 自公推薦の現職敗れる (NHK)

 港区長選で多選の自公推薦の現職が負けた。自公(や維新)が特に強いはずの都心3区でも自公が負けるのかと少し驚いたが、さすがは港区だけあって結構な接戦だったらしい。

 以下NHKニュースより。

 

www3.nhk.or.jp

 

東京・港区長選 清家氏が初当選 自公推薦の現職敗れる

06月03日 00時46分

 

任期満了に伴う東京・港区の区長選挙は、新人の清家愛氏が
自民党公明党が推薦した現職を破って初めての当選を果たしました。
港区では初の女性区長となります。

港区長選挙の開票結果です。
清家愛、無所属・新、当選、2万9651票
武井雅昭、無所属・現、2万8123票
菊地正彦、無所属・新、3070票
無所属で新人の清家氏が、自民党公明党が推薦し、6期目を目指した武井氏をおよそ1500票差で破り、初めての当選を果たしました。
港区では初の女性区長となります。
清家氏は49歳。新聞記者を経て港区議会議員を務め、今回、港区長選挙に初めて立候補しました。
選挙戦では、区議会議員を4期務めた実績のほか、子育て支援
介護サービスの拡充、マンションの防災対策などを訴えました。
港区選挙管理委員会によりますと、投票率は30.62%で、
前回4年前の選挙を0.58ポイント上回りました。

 

NHKニュースより)

 

URL: https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20240603/1000105160.html

 

 この区長選はあまり、というよりほとんど注目されていないようだが、さとうしゅういちさんの『広島瀬戸内新聞ニュース』には取り上げられていた。

 

hiroseto.exblog.jp

 

 以下引用する。

 

これは、びっくりする結果です。特別区の現職区長は昔から鉄板だったのですが。自公に逆風の時期でも相乗りで乗り切ってきた方が今回は落選。もちろん、多選批判はあるでしょうけど、それでも特別区長選挙はそれなりに現職が落選することも起きる地方の知事や市町村長の選挙と比べても存外保守的な結果が多いのです。

 

URL: https://hiroseto.exblog.jp/31881065/

 

 そうなんだよね。私も江東区に来て初めて知ったのだが、区長選ほどつまらない選挙はなかった。現職の山崎孝明が鉄板で、毎回死に票を投じていた。それが昨年春に現職区長が急死して保守分裂の選挙になったが、私が投票した社共支持の候補は「おっさん東大生」猪野隆にも負けて得票率12.7%だった。

 例の「小池百合子3連敗」にしても、目黒区長選はもとは民主党系で当選した多選区長に、小池一派、立民、自公の三者が挑んですべて負けた。これも「現職区長は鉄板」の一例だった。

 それが特別区の中でももっとも保守的な「都心3区」の一つである港区からこんな結果が出てきた。

 当選した候補は港区の区議選で3期連続トップ当選した元産経新聞記者とのことで、それだけでも保守系の人だろうと思うが、「左派だ」と言う人もいる。

 

 

 上記Xに貼り付けられた画像を見ると、蓮舫が何やら候補者と一緒に港区を練り歩いていたらしいことと、「港区日本共産党後援会ニュース」に「清家あいさんで港区政を変えましょう」と書かれていたことがわかる。ポストした人は「立憲共産党の候補だ」と言いたいわけだ。

 しかし実際には、両党とも組織として動いたわけではないようだ。共産党の印刷物には「自主支援」と書かれているし、立民も動かなかったと学生党員さんがポストしている。

 

 

 明らかに都知事選での3選を目指しているであろう小池百合子が未だ出馬表明をしていないのは、自民党との距離を測りかねているからだろう。

 昨年12月のやり直し江東区長選では自らの腹心が出馬した候補に自公が乗っかっても全然問題なく圧勝できた。それが、都ファから出た2人の候補のうち一人が野党の支援を受けた今年1月の八王子市長選では自公の候補を支援して逆転勝利をもたらしたものの接戦になった。そして前述の4月の目黒区長選で現職の多選区長に元民進党野田Gの候補(同じ選挙に落選して都議補選で返り咲いた西崎翔都議の先輩に当たる)を立てて負け、その翌週に、もっとも力を入れていたはずの衆院東京15区補選に立てた乙武洋匡が5位で惨敗した。さらに、5月に入って都議選目黒区補選で支援した自民党候補*1を支援したものの定数2なのに負けた。

 どうも自民党に乗っかったり乗っかられたりすると、昨年末にはまだ楽勝だったし1月にも辛勝できたけれども、ここにきてデメリットの方が大きくなってきたらしい。そう考えて自民党との関係をどうするかを決めかねているといったところではないだろうか。

 上記の経緯を見ると、小池と自公の選挙協力江東区、八王子市、目黒区の3つの地域に限られていたことがわかる。江東区と目黒区では二度の選挙があって、江東区では1勝1敗だったが目黒区では2連敗した。

 しかし、本当の発端はどうやら八王子市長選だったのではないか。萩生田光一の地元で野党が応援する元都ファの候補に押されて困っている、助けてくれないかとの要望が萩生田から小池にあり、小池がそれに乗っかったという経緯だ。そのついでにかどうか、江東区長選でも内部調査をやったら木村弥生にも勝てなかった山崎一輝には勝ち目がなさそうだが、公募候補でも酒井菜摘に負けてしまうのではないかとのSOSがあったかもしれない。前にも書いたが、江東区長選での酒井の出馬はそのくらい鮮やかなクリーンヒットだった。あれで維新の機先を制したことが大きかった。結局候補者の公募に追い込まれた維新は供託金没収の大大大惨敗を喫した。あの区長選で自民が当初の予定通り公募候補を立てていたら、今頃酒井菜摘が江東区長をやっていたかも知れなかった*2。つまりその頃から今回の港区長選のような結果が出る下地はあったといえる。

 小池百合子萩生田光一の誘いに乗って、自民党の延命に一役買った形だ。だがそれが自らの選挙にのしかかる重荷になりつつある。

 思い返せば衆院15区補選でも、自民党との距離感で乙武洋匡は大失敗した。乙武自民党を突き放すような発言をしてしまったから、自民党支持層の票は須藤元気、金沢結衣、飯山陽らに乗ってしまって5位に沈んだ。

 ただここにきて(残念ながら)小池にはプラス材料がある。日本保守党が都知事選に候補を出さないと百田尚樹が明言したらしいのだ。以下東京スポーツより。

 

www.tokyo-sports.co.jp

 

百田尚樹氏 日本保守党の都知事選見送りで批判続出…「見損なった」「カネ使えに」の声に回答

2024年6月2日 19:45

 

 作家で日本保守党の百田尚樹代表が2日、自身のユーチューブチャンネルでライブ配信し、都知事選(20日告示、7月7日投開票)に候補者擁立を見送ったことで、批判の声が渦巻いていることにアンサーした。

 

 百田氏は前日、都知事選対応について、小池百合子都知事相手に勝算がないことや惨敗した場合は党のイメージダウンにつながるとして、見送りを表明していた。すると「7割が非難コメント」(百田氏)とコメント欄が荒れたことで、改めてその真意の説明となった。

 

 百田氏は「日本保守党は見損なった」「もう応援しません」「お金を使うべき」などのコメントを読み上げながら、呆れたり、キレかかる場面もあったが「損得考えずにやれることとやれないことがある」「知名度アップは別の方法で頑張る」「結局はカネというが、カネなしで選挙に出てください」などと一つひとつに答えた。
 

 途中から参加した有本香事務総長も「どなたかに出馬をお願いするケース、あるいは私自身が出るケースも含めていろんな形で考えを巡らせたが、今のウチの体力では本当に消耗するだけ。そこまで都知事を取りに行きたかったのか」とあくまで本丸は国政政党を目指す上での来年の参院選衆院選として、理解を求めた。

 

 百田氏は「都知事選はまだ流動的なところはある。選挙は相手あってのこと」と、小池氏の不出馬や橋下徹氏の立候補があった場合には、対応を変える可能性があるとした。

 

東スポWEBより)

 

URL: https://www.tokyo-sports.co.jp/articles/-/304575

 

 さらに、ここにきて立民の政党支持率も下がり気味だ。以下TBSより。

 

newsdig.tbs.co.jp

 

【速報】岸田内閣の支持率25.1% 先月から4.7ポイント下落 6月JNN世論調査

2024年6月2日(日) 22:54

 

岸田内閣の支持率が先月の調査から4.7ポイント下落し、25.1%だったことが最新のJNN世論調査でわかりました。

 

不支持率は先月の調査から3.7ポイント上昇し、71.6%でした。

 

また政党支持率では▼自民党の支持が前回の調査から0.4ポイント上昇し、23.8%、▼立憲民主党は2.9ポイント下落し7.3%、▼日本維新の会は0.3ポイント下落し、4.3%でした。

 

一方、いま衆議院選挙が行われた場合の投票先を聞いたところ、結果は次の通り。▼自民党24.2%、▼立憲民主党16.9%、▼日本維新の会10.3%、▼公明党5.4%、▼共産党5.5%、▼国民民主党5.1%、▼教育無償化を実現する会0.8%、▼れいわ新選組4.0%、▼社民党0.8%、▼参政党1.7%、▼それ以外の政党0.7%。

 

【調査方法】

JNNではコンピュータで無作為に数字を組み合わせ、固定電話と携帯電話両方をかけて行う「RDD方式」を採用しています。

 

6月1日(土)、2日(日)に全国18歳以上の男女2231人〔固定890人、携帯1341人〕に調査を行い、そのうち45.2%にあたる1008人から有効な回答を得ました。その内訳は固定電話503人、携帯505人でした。

 

インターネットによる調査は、「その分野に関心がある人」が多く回答する傾向があるため、調査結果には偏りが生じます。より「有権者の縮図」に近づけるためにもJNNでは電話による調査を実施しています。無作為に選んだ方々に対し、機械による自動音声で調査を行うのではなく、調査員が直接聞き取りを行っています。固定電話も年齢層が偏らないよう、お住まいの方から乱数で指定させて頂いたお一人を選んで、質問させて頂いています。

 

(TBS NEWS DIGより)

 

URL: https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1206486?display=1

 

 軍畑先輩のXより。

 

 

 パーティーだけではなく、泉健太が「富士山登山客」で極右の野口健に乗っかる右翼排外主義的なXを発信して支持層に「踏み絵」を踏ませようとした件、それに井戸まさえ氏を民民に流出させた件などもあった。

 つい半年前には「ホップ、ステップ。5年後の政権交代を目指す」などと言っていた泉健太の党内ガバナンスはガバガバだというほかない。泉は権力工作のスキルには相当に長けていそうだが、大局観を決定的に欠いている。

 だから、東京都知事選がどうなるかは全く楽観を許さない。いつものように、また「都知事選で自公有利の風向きに変わる」事態にもなりかねない。

*1:この人は弊ブログにいただいたコメントによると2005年の「郵政総選挙」に当選して一期衆院議員を務めた京都の「小泉チルドレン」だったが、その後何をしていたかも不明な怪しげな候補だったらしい。

*2:三戸安弥は都ファから大久保朋果が立ってほぼ鉄板と見られたから、それに我慢ならなかった上田令子が告示直前に立てた候補と思われる。だから、大久保が出なければ三戸も出馬しなかったであろうとみられる。