kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「石破首相 来年夏“衆参同日選挙もあり得る”との認識示す」(NHK)/単に石破茂が「俺は不信任されても高市早苗一派なんかに政権を明け渡さずに衆院を解散して衆参同日選挙にするよ」と言っているだけ

 NHKと読売による石破茂の「衆参同日選挙もあり得る」との発言の報道について。

 

www3.nhk.or.jp

 

石破首相 来年夏“衆参同日選挙もあり得る”との認識示す

2024年12月28日 11時43分

 

石破総理大臣は、衆議院の解散をめぐり、来年の通常国会内閣不信任決議案が可決されたり予算案が否決されたりした場合、夏の参議院選挙にあわせた「衆参同日選挙」を行うこともあり得るという認識を示しました。

 

石破総理大臣は28日、読売テレビの番組「ウェークアップ」に出演し、衆議院の解散をめぐり「衆参同日選挙」の可能性を問われたのに対し、「政府として『こういう予算や法律が正しいと思う』と説明し、審議しても、国会に『ダメだ』と言われた場合、国民に決めてもらおうというのが憲法の仕組みだ」と述べました。

そのうえで、「参議院選挙と衆議院選挙を同時にやってはいけないという決まりはない」と述べ、来年の通常国会で、内閣不信任決議案が可決されたり予算案が否決されたりした場合、夏の参議院選挙にあわせた「衆参同日選挙」を行うこともあり得るという認識を示しました。

また、野党との政策協議の状況次第では、来年度予算案の修正を検討するのかと問われ、「あらゆることを念頭に置かなければならない。理屈の通ったものであり、国会の意思がそうであるならば膨大な作業になるが、当然やらなければならない」と述べました。(後略)

 

NHKニュースより)

 

URL: https://b.hatena.ne.jp/entry/4764022544859917568/comment/mutinomuti

 

 内閣不信任案が可決されたら衆院解散か内閣総辞職しかないのだから、単に石破茂が「俺は不信任されても高市一派なんかに政権を明け渡さずに衆議院を解散して衆参同日選挙にするよ」と、ごく当たり前のことを言ったに過ぎない。基本的には下記のブコメの見立てが妥当だ。

 

石破首相 来年夏“衆参同日選挙もあり得る”との認識示す | NHK

マトモに受け取ってる向きが多いけど、「無いとは言えない」「可能性が0ではない」ってだけの話だと思う。学者が可能性0.01%でも「0とは言えない」っていうやつ。無いと言い切っちゃうと首相だけの武器が減るからね。

2024/12/28 19:27

b.hatena.ne.jp

 

 ただ、予算案否決の話がくっついているのは変だ。予算案の審議が年度またぎすることはしばしばあるが、それにしても夏の参院選とは間があり過ぎるからだ。だから下記のようなブコメがつく。

 

石破首相 来年夏“衆参同日選挙もあり得る”との認識示す | NHK

“来年の通常国会内閣不信任決議案が可決されたり予算案が否決されたりした場合、夏の参議院選挙にあわせた「衆参同日選挙」を行うこともあり得る”え?夏まで予算案放置で国会閉じるってこと?

2024/12/28 12:08

b.hatena.ne.jp

 

 結局予算案が否決されたらという話は付け足しに過ぎない。下記読売の記事の方がその点ではすっきりしている。

 

www.yomiuri.co.jp

 

石破首相、内閣不信任案可決なら…衆院解散を基本に検討「主権者の審判を仰ぐことは極めて重要」

2024/12/27 17:41

 

 石破首相は27日、首相官邸で読売新聞のインタビューに応じ、石破内閣に対する不信任決議案が可決された場合、衆院解散を基本として検討する意向を表明した。重大なサイバー攻撃を未然に防ぐ「能動的サイバー防御」を導入するための関連法案は、来年の通常国会に提出すると明言した。

 

 首相は不信任案が可決された際の対応について「衆院の意思と内閣の意思が異なった時に、主権者の審判を仰ぐことは極めて重要だ」と述べた。憲法69条は、不信任案が可決されれば、内閣は「10日以内に衆院が解散されない限り、総辞職しなければならない」と定めている。現在は少数与党のため、野党がまとまれば不信任案を可決できる。

 

 不信任案が可決されたのは、吉田内閣で2回、大平、宮沢内閣で各1回の計4回で、いずれも解散した。首相は大平、宮沢内閣の事例に触れ、「主権者の判断を仰ぐという憲法の趣旨は最大限に尊重されてしかるべきだ」と強調した。

 

 来年1月24日に召集される通常国会は延長がなければ、6月22日に閉会する。立憲民主党など野党が会期末に不信任案を提出し、可決されれば、7月20日投開票が有力な参院選との同日選となる公算が大きい。野党各党の賛否に加え、提出時期も焦点となりそうだ。

 

 政府が法制化を急ぐ能動的サイバー防御の関連法案に関して、首相は通常国会で「提出する。早期の成立を図る」とした。自民党内で賛否が割れる選択的夫婦別姓制度の導入に向けた議論を巡っては、「(結論を出す)期限を区切らないが、いつまでも引き延ばすことは決していいことだと思わない」との考えを示した。

 

 首相は27日、東京都内で講演し、衆院解散の判断について、「予算案が否決されたとか極めて重要な法案が否決されたという場合に、当然あり得べきことだ」とも述べた。

 

(読売新聞オンラインより)

 

URL: https://www.yomiuri.co.jp/politics/20241227-OYT1T50136/

 

 何度も繰り返すが、やはり石破は「予算案が否決されたらすぐ衆議院を解散するよ」、「通常国会末に内閣不信任案が可決されたら解散して衆参同日選挙にするよ」と言っているだけだ。

 これまでは不信任案が可決される見通しがないから野党第一党が不信任案を出していたともいえる。

 しかし来年はそうはいかない。

 過去の例に言及すれば、1980年の社会党は、前年の自民党内の「40日抗争」があったにもかかわらず、その後の自民党内政局において「解散はあるまい」と甘く見て大平内閣不信任案を出してしまったのが失敗だった。あの当時の政局の流れから言って、同日選をやって野党が勝てる見込みなどなかったところにもってきて、選挙戦中の大平正芳の急死による「弔い票」が上乗せされて、悪夢のような自民党圧勝を招いた。当時は自民党執行部も社会党と同様に不信任案可決を想定していなかったために「ハプニング解散」と呼ばれた。

 1993年は、小沢一郎一派が自民党を割った上で二大保守政党の片割れとして政権を獲るために不信任案に賛成した。これまた小沢一派に乗っかってしまった社会党の大失策だった。結局社会党はさきがけともども小沢一郎らにいびり出されて、翌1994年に自社さ政権で小沢一派にやり返したが、社会党自体にやりたいことがろくになかったために、自社さ政権では社会党らしさをろくに出せなかった。それがその後の現在の社民党が政党要件寸前に追い込まれる原因になった。

 2025年に衆院選が行われた場合、高市早苗一派の盛り返しと国民民主党(民民)のさらなる伸長が予想されるが、今年の衆院選で民民の玉木雄一郎と同様の「積極財政」を標榜していた高市一派と民民とは、次の衆院選では票を奪い合う関係になるはずなので、どういう結果になるかはわからない。何しろ小選挙区制度だから、ちょっとしたきっかけで最大の勝者が高市一派になるか民民の玉木・榛葉分派になるかは想像もつかない。ただいえるのは、どちらが最大の勝者になってもろくなことはないということだけだ。

 私が知りたいと思うのは、2024年衆院選で民民が得た比例票はどこからきたのかということだ。自民党から来た分が最大であろうことは21年と24年の若年層(40代未満)の投票傾向から明らかだけれども、自民党に投票した人のうちどういう傾向の人たちがどのくらいの比率で民民に流れたのかまではわからない。俗にいう「岩盤層」、これは実は極右の人たちを指すのだけども、自民党の安倍派が多く非公認になったことによって彼らが結構民民になだれ込んだのではないかと想像する。しかし彼らの区分をきっちり定義することも簡単ではないから、結局いつかは行われる全数調査である選挙を待たなければ実体はわからない。

 世論調査などを見ると、自民党石破茂内閣は支持しないけれども、当面の石破内閣の交代までは求めないとの意見が多い。私もそれに近い立場であり、高市一派か民民の玉木・榛葉分派のどちらかが最大の勝者になる選挙など真っ平御免だ。

 石破は本音では来年の衆院選などやりたくないだろうが高市一派(安倍派)は早くやりたいし、だから読売や産経はやらせたい。そして民民の玉木・榛葉分派も早くやりたい。しかし野田立民や維新はやりたくないだろう。彼らは民民の玉木・榛葉分派の勢いが止まるのを待ちたいのが本音なのに決まっている。また都議選など地方選での石丸一派、彼らは民民玉木・榛葉分派に近いのではないかと思うが、その動向も注目される。

 そのあたりが政局にどう反映されるか。正直言ってちょっと見当がつかない。