kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「自民にくすぶる新首相での『衆参ダブル選』」なる毎日新聞・飼手勇介記者の愚劣な駄記事に空いた口が塞がらなかった

 下記毎日新聞の有料記事は、タイトルだけでろくでもない記事であることがわかる。

 

 

 下記は江川紹子氏の反応。

 

 

 これは当然の意見だ。私は普段は江川氏を批判することの方が多いが、これには全面的に共感する。

 

 

 上記Xは東京12区(北区)在住ながら、当該選挙区に衆院選の立民候補がいないこともあって、東京15区補選及び本選で酒井菜摘候補応援に(本選では他の都内の立民候補応援にも)奮戦された方のポストだ。高野勇斗江東区議(立民)が「日本一選挙が多い」と評した江東区は、私を含む多くの区民が、もう選挙はしばらくなくても良いと思っている。それにもかかわらず来年は夏に都議選と参院選とが否応なくある。その上に衆院選はもう勘弁してほしい。

 下記は上記江川氏のXへの反応。

 

 

 こいつ、馬鹿だなあ。「野党の都合で内閣不信任決議案を提出する」ことができなくなったのが今回の衆院選の帰結なんだよ。下手に不信任案を出したら、自民党の安倍派がそれに乗っかって衆参同日選挙になってしまう。それをやらかしたのが1980年5月の社会党であって、あの時は野党自ら自民党圧勝の手助けをしてしまった。

 そんなことも知らないのかこの人は。なんでも文京区本郷の歯科医らしいが、東大の近くか。本当に頭が悪いなあ。東大生はこいつにかからない方が良いぞ。

 

 

 これは本当にその通りで、自民党のおそらく反主流派議員の言い分を垂れ流した毎日新聞の飼手勇介記者のダメダメ記事には呆れるほかない。なお私は朝日新聞毎日新聞のデジタル版有料読者だが、金を払ってこんな駄記事を読まされるのではたまったものではない。

 繰り返し書くが、1979年10月の衆院選自民党が負けた翌1980年5月の「ハプニング解散」による衆参同日選挙は、何も前年の衆院選に負けた自民党が失地を回復するために仕掛けたものではなく、その衆院選直後から自民党内で激しい権力闘争が起きていたところに、社会党がうかうかと内閣不信任案を出してしまったところからたまたま起きた。あれは当時の野党の大失策だった。自民党から仕掛けた例としては1986年の中曽根内閣時代の衆参同日選挙があるが、あれはその前の衆院選が1983年12月だったから時期的にはさほど理不尽ではない。ただ「死んだフリ」をして解散しないと思わせておきながら解散した中曽根康弘の手口は悪質だった。私は当時「中曽根はやる」と予感して、その悪い予感が当たってしまったのだった。

 私が思うに、来年に衆参同日選挙が起きるための条件の一つが自民党内の激しい権力闘争だ。それは毎日新聞の飼手記者が記事で紹介したような自民党内反主流派の願望だけでは実現しない。彼らが活発に動かなければ事態は動かないのだ。しかるに、先の衆院選で安倍派の候補者たちは大量落選した。フルスペックの総裁選など3年後にならなければできないから、党内の衆院議員たちの間で数を確保できない安倍派に政変を起こすことは不可能だ。新興極右政党の日本保守党はまだ零細政党だし、自民党が大敗したので維新もおいそれとは政変に乗っていけない。民民はそもそも親安倍派系ですらない。

 そうなると、ただでさえ都議選と衆院選が重なるのを嫌う公明党を連立のパートナーから切ることはできないから、どう考えても来年夏の衆参同日選挙は実現不可能だ。

 野党は自民党の分裂を狙う、つまり自民党内の極右派に党を割らせる方向に誘導すべきであって、そのための有力な一手段が選択的夫婦別姓だが、現状の参議院議席数では法案を通すのは無理だ。

 前述の高野勇斗江東区議の下記Xをめぐる応答が示唆的だ。

 

 

 

 

 高野区議が言う通り、「参議院をどうにかしないと難し」い。

 せつなりっとく氏のXより。

 

 

 確かにこういう点では野田佳彦はまともだ。弊ブログは普段は野田に批判的だが、こういうところもあるので自民党の政治家と同列にすることはできない。なお上記Xにあるこの点で「キレてた」という「立憲支持者」は多分「紙の保険証」の方にキレたネオリベラリストなのだろうと推測する。選択的夫婦別姓は、もうだいぶ前から世論が賛成多数だし、高野区議が言う通り「経団連どころか国連からも勧告されてるのに恥ずかしい」案件であるにもかかわらず、自民党極右派のこだわりが極めて強く、今回総裁選で小泉進次郎が潰されたのも安倍系の極右たちの逆鱗に触れたためだといわれている。つまり選択的夫婦別姓は、時間が経てば経つほどこちらに有利になり、自民党極右派にとっては不利になるという狙い目の案件なのだ。野田佳彦がこれに目をつけているのも当然だ。しかし残念ながらまだ機は熟し切ってはいない。

 とはいえ今回の衆院選石破茂が「身を切る改革」をやってくれたおかげで安倍派の議席は激減した。議席が減るとその政治勢力は「寄らば大樹の陰」の思考様式を持つ人々にとっての「大樹」ではなくなるので、これまでの安倍派支持者の中でも弱い支持層の人たちは何かと理屈をつけて離反するはずだ。そうなると、いよいよ自民党という巨大政党を分裂させる、というより自民党から高市早苗などの安倍系のトンデモ極右派を切り離すチャンスがめぐってくるかもしれないと思う。彼らは日本保守党とでも一緒になれば良いのである。

 しかし、残念ながら今はまだその時ではない。野党は、まず来年の参院選をなんとかしなければならない。2022年に泉健太が「提案型野党」路線なる愚劣極まりない路線に走って参院選に惨敗したことは本当に痛恨の極みであり、これを取り返すチャンスは2028年まで待たなければならないが、その前段階としても来年の参院選は超重要だ。