kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

トンデモAIとトンデモ「日本版MMT」の話

 最近はあまり野球の話を書いていないが、先日、今年までヤクルトスワローズでプレーしていた村上宗隆の行き先がシカゴ・ホワイトソックスに決まった。

 それを知って、日本の最下位球団からアメリカの最下位球団への移籍か、と思った。しかも、ヤクルトは5年ぶり最下位だったがホワイトソックスは2年連続最下位だった。昨年など41勝121敗の無惨な成績だった。

 でもヤクルトは2年連続最下位だった2019年と2020年のあと、「村神様」の活躍で2連覇した。村上はその再現をやるんだと意気軒昂。その意気やよし。

 とはいえ、村上は現DeNAと似た体型で、速球を苦手とし、守備が悪いとの評価があって、それにアメリカの名だたる金権球団群が獲得に二の足を踏んだとされる。私など、村上がメジャーでうまくいかなかったら日本に戻ってくる時の復帰先はスワローズではなくホークスではないかと今の段階から警戒している。村上は九州・熊本の出身だからである。そんな意地の悪い予想を跳ね返してもらいたいとは思うけれども。

 ところでホークスといえば、今年で王貞治の在籍期間が31年になって、読売在籍歴の30年を上回ったはずだ、と気づいたのでネット検索をかけてみた。すると、AIに否定されてしまった。しかし、その言い分が変なのである。以下にスクショを示す。

 

 

 上記は昨夜やったので黒字に白文字になっている。

 王の読売在籍例が30年というのは正しい。「以上」は要らないと思うが。

 しかしホークス在籍歴を「26年以上」としながら、ダイエー/ソフトバンク監督14年+フロント(会長等)17年以上、などと書いている。

 つまりAIによると、14+17=26 らしい。

 今朝もう一度リロードしてみた。やはり間違ったままだった。

 

 

 今度は「14+17=26」とは言わなかったが、読売在籍歴が30年から28年に減っている(これは誤りで30年が正しい)。それでも1995年から今年(2025年)まで足掛け31年在籍しているホークス在籍歴より長いと主張している。

 GoogleのAIには、以前も「長嶋茂雄が黒人差別発言をしたことはない」という虚偽の回答をされたことがある。弊ブログに書いたことがあるが、その時には証拠のスクショはとっておかなかったのでもう一度やってみた。すると今度はAIは出て来ず、検索には弊ブログの記事が2番目にヒットした。

 

 

 どうしてAIはこうも「読売びいき」なのだろうか。世の中、今や阪神ファンの方が読売ファンよりも多いはずだが、まるでテレビの地上波が毎晩読売戦中継をやっていた頃のような変な回答をよこしてくる。あの頃は審判の判定も読売寄りの誤審が多かった。野村克也が初めてスワローズの監督として臨んだ1990年の東京ドームでの開幕戦で、篠塚のファウルを同点2ランにされた記憶は今も鮮明だ。

 AIの話で思い出したが、レバ子さんについてのAIの回答を弊ブログで紹介した記事で、レバ子さんから返事のコメントをいただいていたのだった。ブログのコメント欄はあまりネット検索に反映されないようなので、ここでいただいたコメントを紹介する。そうすれば、AIの回答も変わってくるのではないかと思うからだ。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 レバ子 (id:laborkounion)

お答えします。と言っても、私がAIからプラスであろうとマイナスであろうと評価を下されること自体、正直かなり驚きました。私はいい意味でも労働組合運動の裏アカウントを目指すつもりで、一部の発信は私と別の産別の人などの意見を踏まえていますが、基本的に零細団体のように今までやってきたつもりですが、案外それで組合運動と政治運動について興味を持ってくれると幸いです。
 レバ子の視点とAIに代弁されたので、勝手に私の視点を決めつけるなとは思いますが、岸信介イデオロギー的に言えば社会主義であり、本人が回顧録という形で公表しているので、都合が良い部分を戦後ではアピールしているとは感じつつも、ここで本物の私の視点を残しますが戦後の労働運動の骨格を作ったのは、戦中の産業報国会であり、総評も産業報国会が無ければ存在する事はなかったと確信しています。だからこそ総評の労働運動は戦後に実績があり、現在では転換するべき時期もあり、それは総評運動を全否定するものではなく左翼の強固な基盤としての労働運動、労働者の政党は古典的自由主義でも新自由主義でもなく国家社会主義でもなく、ケインズ経済福祉国家論をさらに前進させた国際連帯を重視した、その地域独自の社会主義社会民主主義の旗手としてあるべきだとここに記録します。日本社会党の敗因は沢山ありますが、政策の大半を保守派に多く模倣されたために、エッジを効かせるためには外交や安保に大きくリソースが割かれ、非武装中立論は決して理想論ばかりではなく専守防衛論の基礎になり得たものであり、折り合いはどこかでつけれたとは思います。自民党田中角栄政権直後の後継者に三木武夫ではなく椎名悦三郎だったら、76年に社会党を中心とした政権ができていたとは、歴史のifとして単なる予測をしておきます。
 AIに言われているように、広報担当は私は自称にすぎないですが、専従の時代は企業に籍はあったとは言え非常に自分の人生観を一変する経験だったので、AIもぜひ労組の専従を経験するべきだと助言します。私達はたとえ産業報国会の残滓のような組織でも、戦後は民主主義国家の労働組合として総評は役割を果たし現在の労働運動に携わる人は大日本帝国全体主義を乗り越え、戦後の高度経済成長やバブル期、失われた何十年からさらにアップデートした共同体を未来に残す!という気概を持って発信したいと思います。連合というナショナルセンターは頼りないと思われるのは、当然です。間合いが近いはずの単組の役員ですら、組合員の素朴な疑問を答えられず、労働運動の面白さをキチンと答えられず、役員ですら自身がなぜ労組の専従を選んだのかキチンと応えが用意できず、全国規模の研修で遊んだ経験ばかりが先行するなら、それはただのサークルで社会運動としての支持を得る事はできないと反省点は述べていきます。
 長くなりました。私は言いたいことを全部一度に言おうとするから、相手も途中で適当になってしまうと専従時代に先輩から言われた言葉ですが、それを克服できないまま今まで来てしまいひょんな事からソーシャルメディアを始めただけで、かつて感じた事を今でも感じているから来年も21世紀の労働運動と21世紀の社会主義運動、21世紀の国際連帯的階級闘争で多くの人の知恵を借りながら、時代の進歩運動の急先鋒として努力していきたいと思います。昨年、私が現代貨幣理論なんて左翼の経済論として何ら意味を持たない。減税を追い求める左翼、左派運動は日本のトランプを生み出す暴論になるだけと半ば怒りながら投稿した記事に、このブログに取り上げて下さってからのご縁となり、非常に感慨深いですね。初めは元々労働運動は、世間や報道やネットで言われるほど単純ではなく、足りない部分がありながらも別に保守派に迎合したつもりは右派労働運動でも一切ない。左派労働運動も理想論ばかり追いかけているわけではない断じてない!総評労働運動は、役割を果たし、それを受け継ぐ私はネットに言いたい事もある!と思って始めたSNSなので、私こそ興味がある体験をさせて頂いています。ともに頑張りましょう。

 

 数日前に宮武嶺さんのブログでもレバ子さんの言説を取り上げた記事が公開された。

 

raymiyatake09.hatenablog.com

 

 いまやkojitakenの日記さんの盟友ともいえる真っ当な労働組合員ブロガーレバ子さんの

「誰もやらなかっただけで、誰もがやれば失敗するからやらなかっただけです。自民党の一部の亡国財政を唱える人たちは本来最強の抵抗野党の存在を見誤った。好む好まざる関係なく市場経済において、最大の野党はマーケットです。ただもう間に合うかギリギリです。デフォルトを目指す政権は日本史上初。」

という言葉を古寺多見さんがご紹介されたとき、事態の深刻さを示すための少し大げさな表現だと思っていた

「デフォルトを目指す政権は日本史上初。」

 これ、あながち、誇張でも何でもなくなってきましたよ。

(デフォルトとは個人で言うと債務超過で返済不能=自己破産状態になることだが、国家で言うと国債を返せない国家財政破綻状態になること)

 

URL: https://raymiyatake09.hatenablog.com/entry/2025/12/20/102731

 

 今のところ日本では個人資産が十分あるのでデフォルトは起きないわけだが、「デフォルトが起きる」ではなく「デフォルトを目指す」としているところがミソだ。

 1980年代の日本でのバブル経済も、2000年頃のアメリカの「ニューエコノミー」論も、それらが永続するかのように喧伝された時期があったことを覚えているが、結局はそうはならなかった。それと同じで、一方で減税を行いながら国債の発行を無制限に増やせるという今の右傾した「日本版MMT」派の人たちの主張はいつか限界を迎える。そもそも本家アメリカのMMTではインフレには増税で対処するとされているが、日本のMMT論者たちも日本政府も今の日本がインフレだと認めていない。だから『報道特集』でも言っていたけれども日本はインフレ対策の政策がとれず、高市政権はインフレを加速させる恐れの強い政策を打ち出し続ける。もっとも軍事費の大幅な増額を国債で賄うのをやめて「防衛増税」をやるというなど一定の妥協もしているが、高市が「減税はやらない」と言っただけで「褒めてつかわす」木下ちがや(こたつぬこ)氏のような大甘の言説は大問題だ(下記X)。

 

 

 私は高市の「防衛増税」は「総動員体制」への第一歩だとみている。そういえば佐藤周一さんは自民党岸田文雄石破茂を戦前日本の政友会に、高市早苗を「統制派」になぞらえていた。「統制派」は統制経済による総力戦体制によって日本を戦争へと導いた。政治家では東條英機岸信介らがその系列の人たちだ。

 宮武さんのブログ記事から再度引用する。

 

年収の壁の引き上げは中所得層への所得税減税という意味はあるだけではなく、どれくらい効果があるかはさておき、年収の壁を気にして働き控えをしていた方々が働きやすくなるという意味で、人手不足が深刻な日本では意味があるメリットもある改革だとは思うんです。

 

しかし、こうも歳入を減らして少々の政策金利上げでは追い付かないほど市場に円を溢れさせたら、円安は進んで物価高も進み、少々の所得税減税やガソリン税の減税では補いつかないほど生活は苦しくなるんですが、市民はそのことわかっているんでしょうか。

 

そもそも国家の歳入が減るということは、福祉・医療・教育など市民生活にとって必要不可欠な分野への歳出が減る、つまり弱肉強食の新自由主義政策をとることを意味しているんです。

 

みんな、そのことをわかってくれよ~~

 

URL: https://raymiyatake09.hatenablog.com/entry/2025/12/20/102731

 

 上記引用文のうち赤字ボールドの部分が特に重要だ。

 そう、「減税」とは基本的に「小さな政府」を目指す新自由主義の政策だということだ。

 日本版MMTは左派の理論として構築された本家アメリカのMMT理論を換骨奪胎して、歳入面では「減税」を煽る新自由主義、支出面では積極財政というトンデモな理論作りになっているのではないか。だから藤井聡三橋貴明らはケルトン教授に「破門」された(とされている)のではないか。だから高市早苗が「日本版MMT」に頼りたがるのではないか。こんなものが持続可能な政策であるはずがない。

 とにかく現在の私は「日本版MMT」に対しては強い不信感しか持たない。