kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

小池ファ★ストの真の「一丁目一番地」は「小池百合子の人事権独占」

昨日から今日にかけても私は「浦島太郎」状態で、一昨日(28日)夜に小池百合子前原誠司の会談が予定されていたことも知らなかったし、それがお流れになったのを知ったのも昨夜だった。それは民進党の議員全員を希望の党が公認するかどうかで、「全員公認」を希望する前原に小池が怒って会談を取り止めたものだとの話だ。で、小池の「リベラル排除」発言へと続いた。

この件を知って改めて思ったことは、前原をはじめとする民進党議員はみんな「大政党病」にかかってるんだなあ、ということだ。まあそれは議員に限った話ではなく、民進党シンパについてもいえることだが。たとえばこの日記で3週間ほど前に例の都会保守氏のとあるブログ記事*1を下記のように批判したことがある。

山尾志桜里が民進党離党届を提出 - kojitakenの日記(2017年9月8日)より

 だが、この記事を読んで、民進党シンパの人たちは、マスコミでもしばしば言われる「民進党解党の可能性」を全然信じてないんだなと思い、その根拠のない楽観論というか民進党という組織に対する意味不明の信頼感には驚きを禁じ得ない。私は民進党なんかいつなくなってもおかしくないと日々思っているのだが。


都会保守氏の話はともかく、前原が事実上の民進党解党を言い出した両院議員総会で誰も反対しなかった理由は、前原が「全員が希望の党公認」なる空手形を発したからであろうことに疑う余地はないだろう。

しかし、この前原発言は小池の「虎の尾を踏む」以外の何物でもなかった。

希望の党」の真の一丁目一番地とは何かといえば、それは小池百合子が独裁権力をふるうことだ。そして、人事権こそ独裁権力の核心であることはあまりにも明らか。誰を公認して誰を公認しないか、あるいは誰を「都民ファ□スト」の代表にして誰をつんぼ桟敷に置くか、それらは「AI」たる小池の独断で決定できるものでなければならない。つまり、「小池百合子の人事権独占」こそ小池新党(=小池ファ★スト)の真の「一丁目一番地」なのだ。小池の言う「情報公開」からは小池自身が適用除外であることは今更いうまでもない。人事権は小池の専権事項であり、厳然たるアンタッチャブルだ。

前原はあろうことか、そのアンタッチャブルに触ろうとした。だから小池の怒りが爆発したのだ。

むろん、その前段階で小池は「民進党議員全員公認」の容認をちらつかせるような言葉を発したに違いない。下記ツイートの推測が当たっていると私は思う。

https://twitter.com/soranionegai/status/913703686169178112

にじいろ曲芸団
@soranionegai

解散直前に希望との決断を迫られた民進党の議員を責めるのは酷だと思う。

それより民進党の全員合流がありかのように振舞った可能性のある小池さんを追及すべきでしょ。

記者が小池さんに質問してたらしいじゃない。嘘ついたんですか?と。

2:55 - 2017年9月29日

私は別に自分たちから前原誠司を党代表に選んだ民進党の議員に同情する気など全く起きないが(それこそ自ら蒔いた種、自業自得以外の何物でもない)、小池が思わせぶりに振る舞ったであろうことはほぼ確実だろうし、その小池を追及すべきだというのもその通りだと思う。

だが、前原の責任が極めて重いことも確かだ。取引の場においては、相手が思わせぶりな発言をした時には、間髪を入れず*2小池から確約をとらなければいけなかった。

もっとも実際に小池、前原、神津(連合)の三者会談で全員公認の話が出て折り合いがつかなかったという報道もあるが、それならそれで前原が両院議員総会で「全員公認」がされるかのような思わせぶりな発言をしたことは大問題だ。いずれにせよ、この件は小池百合子をもっとも強く批判し、前原誠司を次いで強く批判すべき事柄だ。マスメディアはそれをやらないで「踏み絵」を踏むことを迫られた民進党議員ばかりを追いかけ回したらしいが、メディアには2005年の郵政総選挙で「抵抗勢力」を追いかけ回した過去があるから、またかと思う。

結局、小池ファ★ストというのは、権力の核心がブラックボックスあるいはブラックホールだということだ。これが「希望(絶望or野望)の党」の真髄だ。

もちろんこんな政党は自民党よりももっとずっと悪質であるに決まっている。1年後にはこんな政党が残っているとは到底考えられないから、民進党議員で「希望」で冷や飯を食わされそうな議員は、今から見切りをつけた方が良い。枝野幸男もその方向に傾きつつあるようだ。当然の判断だろう。なにせ枝野は民進党代表選で小池新党(=小池ファ★スト)を「自公の補完勢力」と明言した人間だ。野望の党に入っても干されるだけであることはわかり切っている。

https://this.kiji.is/286545000043693153?c=113147194022725109

小池氏、憲法・安保で選別
枝野氏は無所属、新党視野 

 新党「希望の党」代表の小池百合子東京都知事は29日の記者会見で、衆院選(10月10日公示―22日投開票)を巡り、合流する民進党出身者の公認申請に関し小池氏自ら選別し、候補者を決める意向を示した。「安全保障や憲法観といった根幹部分で一致するのが必要最低限だ」とし、政策や理念が合わなければ「排除する」と述べた。民進党枝野幸男代表代行は無所属で出馬する方向で検討に入った。考え方の近い前議員らとの新党結成も視野に入れている。関係者が明らかにした。

 小池氏は「野合」との批判を警戒し強いメッセージを発信した形。政権選択型となる選挙戦の攻防が本格化しそうだ。

共同通信 2017/9/30 02:16)

*1:http://mewrun7.exblog.jp/26031323/

*2:中学生時代に「かん、はつをいれず」と読むと教わるまで、「かんぱつをいれず」と自分勝手な読みをしていたことを思い出す。

山崎雅弘の残念なツイート「今回の小池新党騒動で一番意外な感じがするのは、小沢一郎氏が全面的にこの流れに同調していること。」だってさ

「枝野なら民進党分裂、前原なら民進党解党」は私の予想通りだったが - kojitakenの日記

id:pomme1919 2017/09/29 09:35

某所でつぶやかれていたこたつぬこ氏の「あきらめきれない小沢幻想」にもあきれますが、『「天皇機関説」事件』『日本会議』『戦前回帰』など多数の著書がある戦史/紛争史研究家の山崎雅弘氏のこのツイートにもびっくりしました。

“今回の小池新党騒動で一番意外な感じがするのは、小沢一郎氏が全面的にこの流れに同調していること。一部では「小沢氏が仕掛け人」との説もある。小沢一郎氏と自由党の政治的路線は、日本国憲法の理念に一番近いと思っていたが、大きな勘違いだったのかもしれない。山本太郎議員のコメントも聞きたい。”

https://twitter.com/mas__yamazaki/status/913264796262293504


「9.27政変」以来こたつぬこ(木下ちがや)氏のツイートは迷走しまくりですが、山崎雅弘氏の能天気ぶりには呆れるばかりですね。
上記ツイートに対する反応でも、氏に呆れている人がいます。

https://twitter.com/jossence/status/913367267840106496

すっげぇなぁ…この二十余年、小沢一郎の何を見てきたのだろう。民意を反映せず議員たちが政局に明け暮れる主因である小選挙区制と政党助成金を作り、保守二大政党樹立がライフワークの小沢が日本国憲法の理念に一番近いはずがないでしょうに…


https://twitter.com/jun9905van/status/913419742685229056

いくら何でも山崎氏のこのつぶやきは残念過ぎる。 こういう人以外といるのかね。 小沢一郎氏こそ諸悪の根源である小選挙区制の生みの親にして、自民党の元幹事長。 裏切る可能性も頭にありつつ、野党共闘の為にみんな黙っていただけでしょ。


もっとも、中にはこんな「小沢信者」のツイートも……

https://twitter.com/hana570105/status/913331815754088449

以前の選挙では小池さんは、消費税増税派で、原発推進派、軍備増強派とも取れる発言をしている。それが消費税増税凍結、脱原発地方分権の為の改憲、情報公開の徹底、奨学金など、保守政党と言いながらリベラルな面も多数。小沢氏が動いたなら政策面でも納得がいく内容。


ちなみに私は、以前から山崎氏に良い印象は持っていませんでした。

市井の人の方が山崎雅弘よりよほど冷静で的確な「小沢一郎」評

下記のツイート、山崎雅弘の「残念な」小沢一郎評とはまさに好対照だ。

https://twitter.com/sntb29481/status/913791576366661633

まつのすけ⊿‏
@sntb29481

民進党自由党希望の党への合流、さらに維新と連携となると、民主党政権崩壊で、各党に飛び散った元々小沢グループだった人たちが、再び結集することになるんだよね。自由党という小政党のオーナーに転落していた、小沢さんにしてみれば、再び強い影響力を持てるビッグチャンス到来なんだわ。

8:44 - 2017年9月29日

小沢というのはもともとそういう人間だ。冷静で的確な「小沢一郎」評だと思う。

昨年1月に前原誠司と山口二郎を引き合わせていた小沢一郎

実は「kojitaken氏は小沢一郎ばかりではなく『野党共闘』やそれに関与している学者たちも批判せよ」との批判も受けているのだが、現実問題として安倍晋三改憲を阻止するためには私には「野党共闘」を棄てるという判断はできない。昨年7月の参院選までは「野党共闘」批判派だったのだが、参院選の「激戦1人区」で結果を出したのを見て意見を変えた。しかし、木下ちがや、山崎雅弘両氏のように、「野党共闘」を支えた学者たちの小沢一郎に対する根拠のない信頼の呆れた実態を知るにつけ、「野党共闘」の弱点を痛感した次第。

野党共闘」系学者には、かつて「政治改革」の旗を振って小選挙区制導入に「貢献」した山口二郎もいる。山口二郎小選挙区制については、もうずっと前から批判してきたが(但し、最近では山口二郎批判の記事は少なくなっていた)、昨年(2016年)1月の下記産経新聞記事を見ると、山口の責任はきわめて重いと思う。

なお、前記の私に対する批判者の方は、山口二郎小沢一郎前原誠司を引き合わせたと書いておられたように記憶するが、産経の記事を読む限り、小沢が山口と前原とを引き合わせたようだ。その頃から、小沢と前原の共謀は既に始まっていたと見るべきかもしれない。

生活・小沢氏、民主・前原氏らとの会談で野党結集や憲法を議論 「僕は『仲人』、多くはしゃべりませんでした」(1/2ページ) - 産経ニュース

生活・小沢氏、民主・前原氏らとの会談で野党結集や憲法を議論 「僕は『仲人』、多くはしゃべりませんでした」

 生活の党と山本太郎となかまたち小沢一郎代表は26日の記者会見で、24日夜に民主党前原誠司元外相らと会談したことを認めた上で、夏の参院選に向けて野党勢力の結集が不可欠との認識で一致したことを明らかにした。前原氏が「シロアリ」と酷評する共産党との連携が話題になったかどうかには「そんなになんやかんやの議論はなかったんじゃないか」とはぐらかし、根強い抵抗感を抱える民主党に配慮した。

 会談は小沢氏が呼びかけ、参院選野党統一候補を後押しする市民団体系の組織「市民連合」の中心メンバーの山口二郎・法政大教授も出席した。

 小沢氏は会談を用意した理由について「山口先生と前原さんは意見も違うから、個別に議論をしたこともないというので、ほんじゃあ、お互い誤解のままで過ごすことはないだろうということで僕がセットした」と説明した。

 会談の話題は野党結集に加え、「憲法論議も(前原、山口両氏の)2人でやっていた」と明かし、「僕は2人を引き合わせた『仲人』だから、多くはしゃべりませんでした」と語った。

 ただ、小沢氏は会見で、前原氏が唱える民主や維新の党の解党による新党結成の実現性に関して「難しい」と断言。一方、比例代表選を野党統一名簿で戦う「オリーブの木」構想を改めて提唱し「参院選までにできると期待している」と述べ、野党の大同団結を訴えた。会談でも持論を展開したとみられ、前原氏を取り込もうという思惑がありそうだ。

(産経ニュース 2016.1.26 20:46更新)


ところで、最終的に小沢が「希望の党」入りを果たすかどうかにはまだ不確定要素があると私は考えている。

しかし、現時点まで小沢は前原や小池百合子を批判する言葉を一切発していないから。小沢が「どちら側」の人間であるかは明らかだ。