kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

民主党は憲法問題から逃げるな

民主党の候補者に「憲法九条改定、是か非か」を問うアンケートについては、敵(自民党)を利するだけ、自民党憲法「改正」を争点にしたがっているという指摘がある。だが、果たしてそうだろうか?
先日、NHKテレビの朝のニュース「おはよう日本」の報道によると、参院選の争点として有権者が関心を持っているのは、年金問題や格差問題、雇用問題などが中心で、憲法改定問題を挙げた人はわずか7%にとどまっている。つまり、いくら安倍が力み返っても、憲法問題が参院選の争点の中心になることはないのだ。
しかしこれが、民主党憲法問題から逃げても構わないということを意味するわけではない。
一昨年の総選挙は、コイズミの策略によって、「郵政民営化」のシングル・イシューを問う選挙にされてしまったが、本来、国政選挙の争点が一つであってよいはずがない。各政党は、年金問題、格差問題や雇用問題に答えなければならないのと同様、憲法問題についても答えなければならないのだ。
民主党憲法問題から逃げてばかりいると、そこを自民党に突かれ、かえって中心的な争点にしてしまう恐れがある。民主党の各候補者は、勇気を持ってこの問題と正面から向き合ってほしい。
私は、自公には反対であるが、民主党社民党共産党の三党には、今のところ等距離で接している人間である。かつては民主党シンパだったこともあった。護憲は、何も社共だけのものではないとも思っている。
極論をいうと、反米右翼の小林よしのりのような、「対米隷属の安倍政権下の憲法改定なら、しない方がまし」という立場だってありうる。それだって、広い意味での護憲かもしれない。「憲法第九条に、第三項を加える必要があるが、第二項はそのままにしたい」という立場もある。私自身とは見解を異にする人たちの意見だが、それだって安倍のたくらみとは相容れない意見だろう。
とにかく、なし崩しの改憲への協力だけはしないで欲しい。最近の週刊誌その他の観測記事によると、国民新党の綿貫は、自党を橋渡し役にして、自民党民主党の大連立の構想を持っているのではないかと言われている(亀井静香はあまり乗り気ではないとのこと)。そんなことになったら、自民・民主党がそれぞれ抱える問題を温存したまま、国民を裏切る翼賛政府ができてしまう。そんなものができるくらいだったら、民主党が真っ二つに割れたほうがよっぽどましだ。「大連立」など、欺瞞もいいところだ。断じて容認できない。
あの田原総一朗でさえ、「いまの自民党民主党の時代に憲法改正は望ましくない。なぜなら両党の主流派はともに同様の考え方を持つ改憲勢力だからだ」と言い、自民党民主党の両党とも保守とリベラルに分裂すべきだと主張している。
http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/column/tahara/070517_11th/

下手したら、アンケートが自民党を助けるだけかもしれないということは十分承知している。参院選民主党が大敗して小沢代表が引責辞任した場合、新執行部は自民党との協調路線を復活させる可能性が高いからだ。
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/300/2979.html

しかし、今は民主党を甘やかしてはいけない時期だと思う。民主党憲法問題から逃げてはならないし、小沢代表がこの状況を乗り越えられないようでは、政権奪取など夢のまた夢だろう。