kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

結局保守二大政党が両方分裂しないとダメだ

報道2001」で福田内閣の支持率降下、民主党の支持率下げ止まりの数字が出たが、サンプルが首都圏の500人ということに注意を要する。「大連立」騒動が地方の民主党に与えた影響は、決して小さくないと思う。

サンプロ」で田中康夫が言っていたのだが、結局のところ今の「二大政党制」は似た者同士(田中に言わせれば「高島屋」と「伊勢丹」だったか? 違うブランドの百貨店)でしかない。それが、「伊勢丹」と「イトーヨーカドー」くらいの違いにならなければダメというのが田中の主張だったが、それには私も同感だ。自民党と似たような性格を持った民主党が中心となる「野党共闘」とは一体何なのか。これが、安易な「野党共闘論」にしっくりしないものを私が感じる最大の理由だと思い当たった。

自民党には、安倍晋三から加藤紘一までいると田中は表現したが、極右(安倍や離党した平沼赳夫)、新自由主義(コイズミや竹中平蔵)、旧保守(加藤紘一ら)がいる。一方、民主党にはこれらに加えて社会民主主義志向の菅直人らがいる。小沢一郎は、一時新自由主義に傾き、現在は社民主義寄りに見せかけているが、もともとは田中角栄から可愛がられていたことからもわかる通り、旧保守の人だろう。小沢の政界進出時の支持基盤は土建業者だった。新自由主義路線や社民主義路線は、時代の流れに乗ろうとしたものに過ぎないのではないかと私は考えている。小沢は現在、旧社会党および旧民社党の勢力と友好的で、前原ら新自由主義勢力とは敵対的だが、小沢をどこに位置づけるべきかは微妙な問題だ。

ともかく、これらの勢力が、主義主張に沿って再編される時、第三極の生まれる可能性も出てくると田中は指摘していたが、その通りだと思う。ここらへんは、たとえば田原総一朗岸井成格は全然言わない。田中の資質は、やはり凡百の政治番組のキャスターとは比較にならない。

田中の言う通り、寄せ集め政党というのは、何も民主党だけではなく自民党もそうなのである。それが、なぜ今のように膠着状態に陥っているかというと、90年代の「政治改革」に伴う選挙制度の改悪が原因だと思う。現行の制度が、政権交代が起きやすくなるどころか、「大連立」なる平成版大政翼賛会を生むリスクが高い制度であることがはっきりした今、選挙制度を再改革する議論を起こしていかなければならないのではないだろうか。

私は小選挙区比例代表併用制(実質的には比例代表制)が好ましいと思うが、次善の策として中選挙区制の復活を挙げたい。

中選挙区制復活は、ナベツネの主張でもあるが、小沢一郎は「大連立」を画策しながら今でも小選挙区制論者だという。私には小沢の考え方が全く理解できない。

なお、1993年の非自民連立政権樹立の実績から小沢一郎を高く評価する向きが多いが、私はその見方はとらない。あの時は、自民党が分裂した時点ですでに連立政権側が多数であり、自民党はかなりの議席増を果たさない限り下野せざるを得ない苦しい選挙だった。そして、その結果はというと、日本新党ブームなどがあった割には、自民党がかなり善戦したといえるものだった。

民意は、必ずしもあの時の「政治改革」を支持したわけではない。私はそう考えている。