kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

山口2区補選〜民意はやはり「ガソリン」より「医療」

一時は山本繁太郎(自民)が逆転したかとも見られていた衆院山口2区補選だが、平岡秀夫(民主)がリードしているようだ。
経済、株価、ビジネス、政治のニュース:日経電子版

記事の見出しは「自民が猛追」などとなっているが、一時勢いのあった山本陣営が押され始めている、というのが正確なところだろう。

その理由は、上記日経の記事から読み取れる。

投票の際に最も重視する政策は「医療・年金・福祉政策」が51%で最も多く「ガソリン税など道路特定財源の扱い」は15%にとどまった。

(NIKKEI NET 2008年4月21日)

毎日新聞は、より踏み込んだ記事を書いている。
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20080421ddm003010090000c.html

 自民、民主両党の一騎打ちとなった衆院山口2区補選は、民主前職の平岡秀夫氏が自民新人の山本繁太郎氏をリードする展開だ。揮発油(ガソリン)税の暫定税率を復活させる租税特別措置法改正案の再可決など今後の政局を占う選挙。与党に危機感が広がる一方、民主党は手応えを感じているが、共通しているのは後期高齢者(長寿)医療制度の導入が選挙戦に影響を与えているとの見方だ。

 15日の告示後、与党からは「山本氏は出遅れていたが、今はわずかにリードしたのではないか」との声が相次ぎ、楽観的な見通しさえ存在した。しかし、20日には「保険料の年金天引きのスタートが告示に重なった後期高齢者医療制度が影を落としている」との見方が広がった。

 自民党は「補選と国政は別」との観点から地域活性化を重点的に訴える「国政隠し」の選挙戦を展開してきたが、27日の投開票に向けて、戦術の抜本的な立て直しを迫られる可能性がある。

 「後期高齢者医療制度が国民に安心を与える仕組みだという点が有権者に正確に伝わっていない」。菅義偉選対副委員長は20日、毎日新聞の取材に語り、終盤戦では国政問題の説明にも力を入れていく考えを示した。

 これに対し、ガソリン問題、後期高齢者医療制度年金問題という「国政3点セット」を主要争点に据える民主党からは「山口という地域の戦いから、ようやく国政選挙らしくなってきた」(鳩山由紀夫幹事長)などの声が上がった。

 自民党の情勢認識と同様に「組織選挙で追い上げられ、厳しくなってきた」との評価が定着しつつあった中、後期高齢者医療制度への反発が予想以上に強いとみられるのは「うれしい誤算」となった。3点セットを並列で扱うこれまでのスタイルから、後期高齢者医療制度に重点を置く戦術に微修正し、中盤の勢いを持続させたい考えだ。

 「民主党が放った矢のうち1発がとうとう命中した」。自民党選対幹部は20日、危機感をあらわにした。

毎日jp 2008年4月21日)

ここでいう「民主党が放った矢のうち1発」とは、「ガソリン問題」ではなく、「後期高齢者医療制度」である。昨年の参院選以来の争点である「年金問題」も、医療制度の問題と合わせて前面に出てきた。

やはり民意は、「ガソリン」よりも「医療制度」にあった。

[参考記事]

きまぐれな日々 衆院山口2区補選?民主党は「後期高齢者医療」で巻き返せ