アパ懸賞論文のトンデモは、田母神俊雄論文だけではなかった。
著者の諸橋茂一は、「(株)KBM」の社長とのことだが、村山富市と河野洋平を提訴した人物らしい。1996年の衆院選にも立候補(もちろん落選)している。
http://www.kbmgroup.co.jp/kyouiku/pdf/siryou-200711.pdf
田母神論文同様、章節立てがされていないことや、数字の全角と半角の混在、特に12ページに「戦後63年」という、同じ数字の中に全角と半角が混在している例まであって、文字間隔だけは田母神論文より詰まっていてマシなだけで、あとは田母神論文とそっくりの(同一人物がタイピングしたのではないかと思うほどだ)、即興で書いたとしか思えない粗雑な「論文もどき」になっている。
しかし、それよりも何よりもぶっ飛ぶのが、論文の冒頭に「アインシュタインの予言」を持ってきていることだ。
かつて、「きまぐれな日々」でも紹介したことがあるように、平沼赳夫もこの「アインシュタインの予言」を信じているが、これはアインシュタインの「真正の」言葉ではない。
平沼にせよアパ懸賞論文の著者の諸橋茂一にせよ、こんなものを真剣に信じている時点で、日本の「反米右翼」の程度が知れるというものだ。
この論文は、田母神のように300万円は獲得できなかったが、佳作に入選して1万円を獲得した。稲田朋美の後援会「ともみ会」の会長として知られ、「知的生活の方法」の著書もある審査委員長・渡部昇一の知的水準も知れる。あるいは、歳をとって○○したものだろうか?