kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

郷原信郎氏による「村上ファンド事件」に関する見解(2006年6月)

西松建設献金問題でもコメントしていた郷原信郎氏が、3年前の村上ファンド事件の時に朝日新聞に書いた文章を読んだのを覚えていたので、内容をネットで調べてみたが、下記URLにまとめられていたので、これを参照してメモ。
http://www.asahi-net.or.jp/~mi6m-frym/diary/2006_2q.html#2006_06

・「村上ファンド事件:『インサイダー』が核心か」(朝日新聞 2006年6月10日付)の要約

 郷原はまず「インサイダー取引とは、株価上昇につながる内部情報を得て公表前に株を買う、または株価下落につながる情報を得て公表前に売る行為である。『株式の大量取得』は株価上昇につながる事実であり、その情報を知って買う行為が違反となる」と定義を明確にした上で、「今回の事件は、既にニッポン放送株を大量保有していた村上ファンドが、ライブドアによる大量買いを利用して巧妙に売り抜けたものであり、全体として見ると、インサイダー取引の構造ではな」く、「事件の核心はむしろ、ライブドアによる大量買いが村上前代表に仕組まれたものだった疑いがあることだ」と断じ、「このような行為、つまりインサイダー取引や株価操縦といった具体的要件に当てはまらない非定型的で悪質な不公正取引を処罰するのが『不正の手段、計画又は技巧』を禁止する証券取引法の包括規定(157条1号)で」、これを適用することを主張している。

 そしてインサイダー取引摘発にこだわる危険性を次のように指摘している。「村上側がライブドアによる大量買いの前に株を買った事実を切り取って、インサイダー取引の要件に当てはめることは不可能ではないが、その場合はライブドアによる大量買いが決定された時期と、村上側の買いの時期との前後関係が最大のポイントとなる。違反の成立範囲を広げすぎると、プロ投資家の取引が広範囲に違反にあたることになってしまう。結局、違法と認定できる買いは、あったとしても取引全体からするとわずかな部分にとどまるだろう。インサイダー取引を事件の焦点にする限り、今後の展開は、会見で『微罪』イメージを強調した村上前代表の思惑通りになると予想される」と。

 結語は「今回の事件で何を不公正行為ととらえるのか、経済検察の試金石と言えよう」というもの。

http://www.asahi-net.or.jp/~mi6m-frym/diary/2006_2q.html#2006_06 より)