ところで、政治評論家や新聞記者が適当に書いている予想と違って、衝撃的なのが「サンデー毎日」8月16日号掲載の電話調査結果だ。ここでは、「激戦20選挙区」と銘打って、東京を中心に20選挙区の得票予想が出ているが、新聞や他誌で互角の戦いとされている東京3区の佐藤ゆかりや東京12区の公明党代表・太田昭宏は惨敗、同10区の小池百合子も民主の江端貴子に敗れるという予想が出ている。しかも、後者は小林興起が無所属で立候補することになっていた頃の調査である(小林は、わずかな得票しか得られず惨敗する予想になっている)。さらに衝撃的なのは、神奈川11区で横粂勝仁が小泉進次郎を激しく追い上げ、逆転可能なところまできているとの予想である。これでさらに風が吹いて、小泉進次郎が落選に追い込まれれば見ものだが、果たしてどうなるか。
しかし神奈川県民のネオコンぶりはやはり健在で、神奈川4区では民主党を離党して無所属で出馬する浅尾慶一郎の当選が予想されている。民主の長島一由は、浅尾はおろか自民の林潤にも及ばない三番手との予想だ。
他に目を引くのは、京都1区で自民の伊吹文明が民主の平智之に敗れるとの予想だ。公明党関係では、東京12区のほかにも、大阪16区でも北側一雄が民主の森山浩之に敗れるとの予想が出ている。一方、兵庫8区では冬柴鉄三が田中康夫を破る予想が出ている。
もっとも、東京12区を含めて、公明党には組織票が多いから、実際の得票は無作為抽出の調査より際立って多く出るはずである。だから、実際には東京12区も大阪16区も調査結果通りにはいかない可能性が高い。逆に、この調査でさえ冬柴鉄三に負けている田中康夫の当選可能性はほとんどないと言えるかもしれない。
とはいうものの、一昨年の参院選では、この「サンデー毎日」の電話調査はかなりの確度で結果を言い当てていた。実際の結果は、岡山で姫井由美子が片山虎之助を破るなど、民主党は電話調査でも落選が予想されていた候補までもが当選し、自民党は惨敗したのだった。
[PS]
筆者は、リチャード・コシミズを頼るまでに落ちぶれた小林興起に救いの手を差し伸べた民主党は評価しない。おそらく、小林をレースから外せば江端が小池に勝てると判断したのだろうが、やり過ぎだ。「民主党はトンデモまでも受け入れるのか」と批判されても仕方ないと思っている。せめて、タイゾー並みに小林を名簿記載順位の最下位にしてほしい。