kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

毎日新聞の八ッ場ダム関係社説の「数字の誤り」が指摘されている

八ツ場ダムをストップさせる埼玉の会 毎日新聞 9/23社説の金額の間違い より。このエントリの著者は「嶋津 暉之」氏と明記されている。

 八ッ場ダム問題に関する今日の毎日新聞の社説の論調はその通りだと思いますが、「中止の場合は、自治体の負担金約2000億円の返還を迫られ」「単純に考えれば、このまま工事を進めた方が得である。」という記述は事実と違っています。この2000億円には利水負担金と治水負担金の両方が入っています。

 利水予定者が今までに支払った利水負担金1460億円には、厚生労働省経済産業省からの国庫補助金が含まれていて、それを除くと、890億円です。なお、この負担金は特ダム法に基づくものですが、特ダム法には返還の必要が明確に書かれているわけではありません。

 また、関係都県が今まで支払った治水負担金525億円は河川法に基づく直轄負担金(橋下大阪府知事が問題視したもので、ダムの場合は3割負担)であって、返還するような法的な根拠は何もないから、返還を求められるものではないと思います。今まで道路等などの直轄公共事業が中止されても返還されたことはなく、八ッ場ダムの中止についてもしこの返還の話が出れば、今までに中止した直轄公共事業の全部に波及することになるから、国交省はこのことには触れることはできないものです。

 さらに、この社説で抜けているのは、このまま八ッ場ダム事業を継続すれば、地すべり対策や東電の発電所への減電補償、工事予算の追加で1000億円程度の増額が予想されることです。

 これらのことを踏まえると、八ッ場ダム事業は中止した方が継続するよりもはるかに無駄な国費の支出をなくすことができるのです。

毎日新聞の社説は下記。
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20090923ddm005070074000c.html

八ッ場ダム事業は中止した方が継続するよりもはるかに無駄な国費の支出をなくすことができる」という点は重要で、マスコミは、「作ってしまったほうが安上がりだ」というのを、ダム建設中止反対(ダム建設推進)の最大の論拠にしている。これが突き崩されれば、マスコミに影響されている世論も大きく変化するだろう。