沖縄の米軍基地問題について、発言を二転三転させる小沢一郎を、『琉球新報』が批判している。
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-167124-storytopic-11.html
民主代表選 しっかりと政策論争を
2010年9月3日
民主党の代表選挙が始まった。立候補した菅直人首相と小沢一郎前幹事長の政策や姿勢の違いが鮮明になりつつある。
米軍普天間飛行場の移設問題をはじめ、2009年の衆院選マニフェスト(政権公約)修正の是非、消費税問題、「政治とカネ」の問題が争点として浮上している。
事実上、日本の首相を決める代表選だ。「理念も政策もない権力闘争」(大島理森自民党幹事長)にさせず、しっかり政策論を戦わせ、進むべき方向性を示してほしい。
米軍普天間飛行場移設問題について、小沢氏の発言はぶれている。1日の共同記者会見で、再交渉による日米合意見直しの可能性に言及。しかし2日の討論会で、日米合意を前提とする考えを明言した。
これでは日米合意を順守する意向の菅氏との違いはほとんどない。一夜明けて発言をトーンダウンさせた真意が分からない。鳩山由紀夫前首相の二の舞いはこりごりだ。
2日の討論会で、小沢一郎から「菅氏との違いはほとんどない」発言を引き出したのは、朝日新聞の星浩だという。私は、翌日の同紙を読んで、なんだ普天間問題でも小沢は菅と一緒じゃないかと思ったのだが、翌日(3日)のテレビ朝日の『スーパーモーニング』では、小沢は一転して海兵隊無用論を言い出したとのことだ。
最近劇的な転向を遂げた某有名ブロガーを含む小沢信者の誰一人として、2日の小沢発言を批判せず、3日のテレビでの小沢発言を嬉々としてマンセーする。
おかしいと思わないのか。
だって、相手の菅直人は「日米合意順守」の一点張りである。だから、「左」側から見れば、「ぶれる小沢一郎」でも「(普天間問題では)ぶれない菅直人」よりましかもしれない。「かもしれない」というのは、いうまでもなく小沢一郎が菅直人と同じ「日米合意順守」の政策を行う可能性があるからだが、どちらにしても「菅より悪い」ことにはならない。
だから、支持する候補であっても批判すべき点は批判する、そういう態度をとってしかるべきだろう。ところが彼らはそのようには振る舞わない。小沢一郎の発言に批判すべきところがあっても目をつぶる。
呆れ果てた例では、討論会での星浩や、読売新聞特別編集委員の橋本五郎は詰問調だったから小沢が本音を語れなかったが、テレビの鳥越俊太郎以下スパモニのコメンテーターは小沢一郎にくつろいだ気持ちでしゃべらせていたから本音を語れたのだ、などと小沢一郎を弁護していた文章をどこかで見た。国会での討論と、その晩の料亭での雑談で、後者で飛び出した放言を重視するようなものである。呆れてものも言えないが、これが「小沢信者」の思考様式、行動様式なのだ。
沖縄のメディアはそうはいかない。当事者だからである。だから、「日米合意を順守する意向の菅氏との違いはほとんどない」、「一夜明けて発言をトーンダウンさせた真意が分からない」、「鳩山由紀夫前首相の二の舞いはこりごりだ」などと、小沢一郎を痛烈に批判する。