kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

問題含みの「一括交付金」。ましてや小沢一郎が唱える金額の削減など論外

民主党代表選で勝った方が負けた方をどう処遇するかなんてテレビで言っているが、そんなことはどうでも良い。

菅直人のままだとジリ貧は目に見えており、小沢一郎になっても期待できないと私は考えているが、あまりに小沢一郎の「剛腕」伝説にすがる人たちが大きいので、一度小沢に総理大臣になってもらって「伝説」、「神話」、「幻想」、「信仰」、「崇拝」の類を、小沢一郎自身に粉々に打ち砕いてもらいたいと思うばかりだ。下手に菅が勝って、小沢信者が「幻想」にしがみつくのが最悪だ。もっとも、ネットのアジテーターにとってはそっちの方が安泰だから、内心菅直人の勝利を願っている人間もいるのではないかと私は邪推しているけれど。

私が小沢一郎の政策で、もっとも強く疑問視しているのは、あまり強くは打ち出さなかった「所得税・住民税」の大幅減税と、小沢一郎が代表選の争点にしようとしている「財源捻出のための一括交付金」である。

後者は、菅直人の「財政再建のための消費税増税」あるいは「法人税減税の穴埋めとしての消費税増税」と通底する政策だ。「所得税・住民税減税」も、そのあとには必ず「消費税増税」がおまけでついてくるから、極言すれば菅直人小沢一郎の違いは、東京に本社を持つ大企業を優遇するか、地域に根を張る土豪こと地方の資産家たちを優遇するかの差しかない。小沢一郎の売りである「財政出動」にしても、昨日になってようやく国債増発を口にしたくらいだから、腰が引けている。もちろん、それを「財政再建」の立場から批判している朝日新聞は論外だけれど。

一括交付金の問題に戻ると、小沢一郎が金額を3割も4割も削減すると言っているところに最大の問題点がある。


http://www.toyokeizai.net/business/society/detail/AC/47a2210681db47928ed53ba22aea30a2/


上記リンク先記事の5ページ目*1に、2010年度の「地方向け補助金の総額と内訳」のグラフが出ている。総額21.0兆円のうち、社会保障費が14.8兆円と、これだけで7割を超え、これに文教・科学振興費2.3兆円を加えると17.1兆円になる。これが、小沢一郎を批判する人たちが持ち出す数字の根拠だ。

上記のように、金額の削減に問題があるばかりではなく、「一括交付金」自体にも、手放しで持ち上げるばかりにはいかない問題点がある。

上記『週刊東洋経済』の記事より引用する。

補助金の一括交付金化で社会保障予算は削減も

 地域主権改革で、もう一つの重要な政策が、「ひも付き補助金」の「一括交付金」化だ。これは、政策ごとに細かく定められてきた国庫補助負担金を廃止し、大ぐくりにすることで、自治体の裁量権を高めることを狙いとするもの。6月までに制度の大枠を定め、2011年度予算から一部実施する方向で作業が進められている。ここでも問題となるのが、社会保障や教育分野の扱いである。

 民主党は昨年の衆議院選挙で「ひも付き補助金の一括交付金化」を公約に掲げた。マニフェストでは、「社会保障・義務教育関係は除く」と明記していた。しかし、ひも付き補助金の大部分を社会保障・教育関係費が占めていることが判明(下図)。現政権はこれらの補助金も対象に含めることを検討し始めた。

 一括交付金化が実現すると、自治体は予算の使い道が自由になる。反面、全体の財源が不足している場合にはほかの分野に転用されたり、赤字補填に使われる可能性も高い。

 そうした弊害は、先行して補助金一般財源化(交付税措置化)された分野ですでに起こっている。たとえば、85年度に一般財源化された学校図書館の図書費では、国が交付税措置した額の77%しか、図書予算に計上されていない(09年度)。

 また、がん検診では、98年度に老人保健法の対象から外されるとともに国庫負担金の一般財源化が行われ、大きな困難に直面した。「問題は受診率の低迷にとどまらない。検診の精度の低下や、有効性(死亡率低下効果)が確認されていない検診が自治体間に広がるといった、新たな問題が発生している」(国立がん研究センター斎藤博検診研究部長)。

 さらには公立保育園の運営費も04年度に一般財源化。「それ以降、財政難を理由とした廃園や、保育士の非正規職員化が加速している」(村山祐一・帝京大学文学部教授)。

 本来、社会保障や教育では、ナショナルミニマム(国民に等しく保障された最低水準)をしっかりと確保すべきだ。そしてそれを上回る部分については、自治体や住民の判断で創意工夫を凝らしていくことが、地方分権の姿として望ましい。地域主権の名の下に、社会保障や教育に対する国の責任を放り出すとしたら、それこそ本末転倒である。

(岡田広行 撮影:梅谷秀司、風間仁一郎 =週刊東洋経済2010年5月15日号)


一方、「きまぐれな日々」に無記名コメントを寄こしてきた小沢信者はこんな調子だ。
http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-1107.html#comment10148

気まぐれな日々さん


御苦労さんです。(苦労と云う言葉は目下に使う言葉ですけどね)


フィーバーしているのはネット以上に国民がフィーバーしているのですよ。小沢さんに。
先日の新宿、梅田の立会演説会TVででもご覧になりましたか。あれが国民の声なのです。官房機密費を使いまくった上でのマスコミと一体となった(マスコミにヨイショされた)極悪人小泉純一郎の時とは真逆なんですよ。
それから地方への一括交付金、現在の紐付き交付金のから紐を取れば、紐の部分のお金が要らなくなりますよね。こんなことが分からないのですか。
コメントするのも疲れますので、この辺で止めます。

2010.09.08 23:30


こういう能天気な「小沢信者」が「痴呆自恥」を呼び込むのである。