kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

極悪企業・東電の歴史的犯罪から目をそらさせるデマに惑わされるな

極悪企業・東電が起こした原発事故の犠牲者は増え続ける一方だ。


asahi.com(朝日新聞社):福島の野菜農家が自殺 摂取制限指示に「もうだめだ」 - 東日本大震災

福島の野菜農家が自殺 摂取制限指示に「もうだめだ」

2011年3月29日5時30分


 福島県須賀川市で24日朝、野菜農家の男性(64)が自宅の敷地内で首をつり、自ら命を絶った。福島第一原発の事故の影響で、政府が一部の福島県産野菜について「摂取制限」の指示を出した翌日だった。震災の被害に落胆しながらも、育てたキャベツの出荷に意欲をみせていたという男性。遺族は「原発に殺された」と悔しさを募らせる。

 自宅は地震で母屋や納屋が壊れた。ただ、畑の約7500株のキャベツは無事で、試食も済ませ、収穫直前だった。遺族によると、男性は21日にホウレンソウなどの出荷停止措置がとられた後も「様子をみてキャベツは少しずつでも出荷しないと」と話し、納屋の修理などに取り組んでいた。

 23日にキャベツの摂取制限指示が出ると、男性はむせるようなしぐさを繰り返した。「福島の野菜はもうだめだ」。男性の次男(35)は、男性のそんなつぶやきを覚えている。「今まで精魂込めて積み上げてきたものを失ったような気持ちになったのだろう」

 男性は30年以上前から有機栽培にこだわり、自作の腐葉土などで土壌改良を重ねてきた。キャベツは10年近くかけて種のまき方などを工夫し、この地域では育てられなかった高品質の種類の生産にも成功。農協でも人気が高く、地元の小学校の給食に使うキャベツも一手に引き受けていた。「子どもたちが食べるものなのだから、気をつけて作らないと」。そう言って、安全な野菜づくりを誇りにしていたという。

 遺書はなかったが、作業日誌は23日までつけてあった。長女(41)は「こんな状態がいつまで続くのか。これからどうなるのか。農家はみんな不安に思っている。もう父のような犠牲者を出さないでほしい」と訴える。(西堀岳路)


原発に殺された」。そう、男性を殺したのは原発事故を起こした極悪企業・東電だ。だが、「原発安全厨」のなれの果ては、「厳し過ぎる摂取制限が男性を殺した」などと破廉恥な問題のすり替えをするのではないか。東電の責任から目をそらさせようとする動きには警戒が必要だ。もちろん経産省自民党から民主党へと引き継がれた政府も強く批判されるべきだが、もっとも大きな責任があるのは東電だ。そんなことは当たり前だろう。


昨日突然流れたこの報道にも驚いた。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2011032802000041.html

保安院 炉心溶融 震災当日に予測

2011年3月28日 朝刊


 経済産業省原子力安全・保安院が、震災当日の十一日夜、東京電力福島第一原発事故に関して、三時間以内の「炉心溶融」を予測していたことが二十七日、分かった。また翌十二日未明には放射性ヨウ素や高いレベルの放射線を検出、原子炉の圧力を低下させる応急措置をとる方針が決まったが、実現するまでに半日も要した。政府文書や複数の政府当局者の話で判明した。

 溶融の前段である「炉心損傷」を示すヨウ素検出で、政府内専門家の間では危機感が高まり、応急措置の即時実施が迫られる局面だった。

 しかし菅直人首相は十二日早朝、原子力安全委員会の班目(まだらめ)春樹委員長と予定通り現地を視察。政府与党内からは、溶融の兆候が表れた非常時の視察敢行で、応急措置の実施を含めた政策決定に遅れが生じたとの見方も出ている。初動判断のミスで事態深刻化を招いた可能性があり、首相と班目氏の責任が問われそうだ。

 政府原子力災害対策本部の文書によると、保安院は十一日午後十時に「福島第一(原発)2号機の今後のプラント状況の評価結果」を策定。炉内への注水機能停止で五十分後に「炉心露出」が起き、十二日午前零時五十分には炉心溶融である「燃料溶融」に至るとの予測を示し、午前三時二十分には放射性物質を含んだ蒸気を排出する応急措置「ベント」を行うとしている。

 保安院当局者は「最悪の事態を予測したもの」としている。評価結果は十一日午後十時半、首相に説明されていた。

 この後、2号機の原子炉圧力容器内の水位が安定したが、十二日午前一時前には1号機の原子炉格納容器内の圧力が異常上昇。四時ごろには1号機の中央制御室で毎時一五○マイクロシーベルトガンマ線、五時ごろには原発正門付近でヨウ素も検出された。

 事態悪化を受け、東電幹部と班目氏らが協議し、1、2号機の炉内圧力を下げるため、ベントの必要性を確認、四時には保安院に実施を相談した。また菅首相は五時四十四分、原発の半径十キロ圏内からの退避を指示した。

 だが東電がベント実施を政府に通報したのは、首相の視察終了後の八時半で、作業着手は九時四分。排出には二つの弁を開く必要があるが、備え付けの空気圧縮ボンベの不調で一つが開かなかった上、代替用の空気圧縮機の調達に約四時間を費やし、排出が行われたのは午後二時半だった。

 与党関係者は「首相の視察でベント実施の手続きが遅れた」と言明。政府当局者は「ベントで現場の首相を被ばくさせられない」との判断が働き、現場作業にも影響が出たとの見方を示した。


◆いずれ回答する

 原子力安全委員会の班目委員長の共同通信に対する書面回答 現在、事態の収束に全力を傾注している。一方、社会への説明責任を果たすことの重要性も重々認識している。今般の質問には答える立場にないものも含まれているが、プラントの状況は時々刻々と変化し、対応に当たっては予断を許さない状況にあり、正確な見解を申し述べることが必要と考えているものの、十分に吟味し、責任を持った回答を作成できる状況にない。今後、状況が一応の安定を取り戻した状態となり、対応が可能となった段階で対応を行う。ご理解のほどよろしくお願いします。


◆視察と関係ない

 東京電力の広報担当者のコメント (応急措置である「ベント」の実施に時間がかかったのは)福島第一原発の現場の放射線量が高かったから(ベント実施を)入念に検討したためだ。ケーブルの仮設など準備作業に時間を要した。(ベントのタイミングと)首相の来訪は関係がない。


なぜ驚いたかというと、「菅が(パフォーマンスで)視察なんかしたからベントが遅れた」という話は、菅首相が視察を行った12日から既に、「2ちゃんねる」でいやというほど何回も目にしたからだ。私は、それが本当なら怪しからん、と思ってネット検索でかなりしつこく調べたのだが、どんなに調べても情報源がわからなかった。だから「ガセネタ」と判断したのだが、「2ちゃんねる」が撒き散らしたそんな話が、今頃東京新聞の記事になったので驚いた次第だ。


この件を取り扱った「はてなハイク」がある。
... 「炉心溶融を震災当日予測 応急措置まで半日も(47NEWS)」 ...... - 首相がベントを遅らせた報道のカオス - Gl17 - はてなハイク

首相がベントを遅らせた報道のカオス


http://www.47news.jp/CN/201103/CN2011032701000673.html
炉心溶融を震災当日予測 応急措置まで半日も(47NEWS)」


http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2011032802000041.html
保安院 炉心溶融 震災当日に予測(東京新聞)」


・政府与党内からは、溶融の兆候が表れた非常時の視察敢行で、応急措置の実施を含めた
 政策決定に遅れが生じたとの「 見方も出ている 。」
・初動判断のミスで事態深刻化を招いた「 可能性があり 」、首相と班目氏の責任が「 問われそう 」だ。


・与党関係者は「首相の視察でベント実施の手続きが遅れた」と言明。
・政府当局者は「ベントで現場の首相を被ばくさせられない」との判断が働き、現場作業にも
 影響が出たとの見方を示した。


東京電力の広報担当者コメント
(「ベント」の実施に時間がかかったのは)福島第一原発の現場の放射線量が高かったから
(ベント実施を)入念に検討したためだ。ケーブルの仮設など準備作業に時間を要した。
(ベントのタイミングと)首相の来訪は関係がない。
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http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C9381949EE0EAE2E4878DE0EAE2E1E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2;at=ALL
官房長官原発応急措置の遅れと首相訪問の関連を否定(日経)」


官房長官によると、首相が訪問を決めたのは12日午前4時半で、首相らはその前から1号機の
 ベントを実施するよう繰り返し指示していた。首相訪問は「ベント実施が前提」だったという。
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http://www.jiji.com/jc/c?g=soc&k=2011032800404
「東電、炉の気体放出渋る=原発事故当初−枝野長官が説明(時事)」


菅直人首相が東京電力に対し、放射性物質を含む気体を原子炉から抜く作業を速やかに行うよう指示した
 ものの、東電側が直ちには対応しなかったと説明した。「将来検証が必要だ」とも語った。
・12日午前1時半には首相と海江田万里経済産業相が(炉の気体を抜く)ベントを急ぐよう指示したと強調。
 「(12日)午前3時ぐらいにはベントが始まると想定していたが、首相が(福島第1原発に向けて)出発する
 6時台になっても始まっていないということで、『早くやらないといけないんじゃないか』『どうして進んで
 いないのか』と、繰り返し東電に求めた」と説明した。
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↓ここからやっとハイク。
・・・といった具合でたいへんカオスな状況です。
結局、首相のせいで遅れたという話はみな「出所不明」なんですよね。
それ以外は関係者当人の物言いが多いですから(東電広報以外)信用性という点で割り引く必要があるにしても。


現場に直接関わってない「政府関係者」が
「なんか遅れたな、事情知らないけど首相が行ったせいじゃね?」くらい言った話が一人歩きしてるような気がするんですが。
by Gl17 2011/03/28 16:29:11


真相は藪の中だが、「菅がベントを遅らせた」という話が出回り、人々が「この空き缶め」と言って怒り狂うことで得をするのは東電だ、ということを指摘しておきたい。

もう一つ、あの弁を開けた3月12日、作業員の一人が106ミリシーベルトの被曝をした事実も。これは、元ファイルをブクマしておかなかったのでリンクは張れないが、政府の資料に明記されていた。現場には強烈な放射線が漏れているのだし、ベントが必要だ、それ弁を開けろと簡単にできる話ではない。ベントは決死の作業だったのだ。


ところで、上記「はてなハイク」についたブックマークより。
はてなブックマーク - ... 「炉心溶融を震災当日予測 応急措置まで半日も(47NEWS)」 ...... - 首相がベントを遅らせた報道のカオス - Gl17 - はてなハイク

oldriver 読売新聞『28日の参院予算委員会では、佐藤ゆかり氏(自民党)が「(略)視察したことによって、初動が遅れたとの指摘もある。(略)ベントの作業が遅れたという意見も現場から出ているようだ」』←ほぼ事実扱い 2011/03/29


また読売か、また佐藤ゆかりか、また自民党か。


本当に懲りない奴らだ。