kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

粉々に砕け散った安倍晋三・読売・産経の野望(笑)

23日夕〜24日朝にかけての東電原発事故に関する報道より。

http://www.47news.jp/CN/201105/CN2011052301000876.html

原発推進政策に批判相次ぐ 参院委で小出京大助教


 東京電力福島第1原発事故を受け、参院行政監視委員会は23日、小出裕章・京都大原子炉実験所助教や、石橋克彦・神戸大名誉教授(地震学)ら4人を参考人として招き、原子力行政について討議した。参考人からは「破局的事故の可能性を無視してきた」(小出氏)など、これまでの原発推進政策を批判する意見が相次いだ。

 小出氏は、今回の事故対応で「政府は一貫して事故を過小評価し、楽観的な見通しで行動した」とし、放射性物質の拡散予測など情報公開の遅れも批判。また、国が「核燃料サイクル」の柱と位置付けてきた高速増殖炉の例を挙げ、当初1980年代とされた実用化のめどが立たないのに、関係機関の間で責任の所在が明確でないとした。

 石橋氏は、地球の全地震の約10%が日本に集中しており、「原発建設に適さない場所である」と強調。原子力安全委員会経済産業省原子力安全・保安院が「原発擁護機関になっている」とし、安全性の審査が骨抜きになっていると指摘した。

 ソフトバンク孫正義社長は、太陽光など再生可能エネルギーの活用を提言。元原子力プラント設計技術者の後藤政志・芝浦工大非常勤講師も「完璧な事故対策の模索より、新たな分野へのエネルギーシフトの方が容易」と、脱原発を訴えた。
2011/05/23 20:04 【共同通信


この参考人招致の記事は24日付の朝日新聞には出ていないし、毎日.jpにも出ていない。朝日・毎日の「脱原発」もその程度か。

その代わりに朝日新聞が大きく扱っているのは、例の安倍晋三と読売・産経が大騒ぎした「菅の指示で注水が一時中断し、事故を悪化させた」云々に関する国会の質疑と朝日新聞の検証。asahi.comには見当たらないので、一面掲載の記事から一部引用する。

 海水をすぐにでも注入する必要があった。だが、首相らによると東電側が「水素爆発で現場は大混乱し、午後7時半ごろまで水を入れられる状態ではない」と説明。このため、会議は海水注入実施に向け、問題点や課題を議論する流れで進んだ。

 首相は「再臨界の可能性はあるのか」と班目氏にただした。政府・東電統合対策室の説明では、班目氏は「再臨界の可能性がある」と答えたとされたが、同氏の抗議を受け、後日「再臨界の可能性はゼロではない」との答えだったと訂正された。だが、再臨界の議論がなされたのを複数の出席者が認めている。首相はさらに「(再臨界を防ぐには)水がいいか、ホウ酸がいいか、どっちなんだ」などと、出席者に次々と質問。即座に明確な答えがないと、自分で専門家に電話するなどしたという。

 一方、現場の福島第一原発では、午後7時4分から吉田昌郎所長の判断で海水注入が始まっていた。官邸と東電の連絡役の同社元副社長の武黒一郎フェローは同7時前後、官邸で「海水注入による再臨界の可能性などを官邸で検討している」との連絡を東電本社に入れた。

朝日新聞 2011年5月24日付1面掲載記事より)


なんのことはない。東電福島原発の現場は事故収束に最善の努力をしていたが、東電の経営陣は廃炉につながる海水注入に及び腰だったという従来からの定説に、いささかも影響を与えるところはない。安倍晋三、読売、産経らは、「万犬」ならぬ「番犬」が虚に吠えただけだったのである。

朝日新聞は、2面掲載の記事で「注水中断『悪影響少ない』」という見出しで、専門家の意見を紹介してだめ押ししている。

 宮崎慶二・大阪大名誉教授(原子炉工学)は「炉心の損傷を防ぐために、早い段階で注水しなければいけなかった。ただ、炉心が壊れ、爆発が起きてしまった後なら、中断の影響はそれほどないのではないか」とみる。

 奈良林直・北海道大教授(原子炉工学)も、「津波の後、注水できない時間がかなりあった11日の時点で、勝負はついていた」と指摘する。

 奈良林教授によると、汚染拡大などに影響が出たことは考えられるという。注入の中断によって燃料の冷却がさらに不十分になり、圧力容器の底に開いた穴がより大きくなった可能性があるからだ。

 ただ、「判断には詳細な解析は必要。致命的な事態はすでに起きており、同じ負けでも何点とられて負けたという程度の問題だ」と話している。
朝日新聞 2011年5月24日付2面掲載記事より)


このネタを内閣不信任案可決につなげようという、安倍晋三、読売、産経などの野望は粉々に砕け散った。小沢一郎も歯ぎしりしているかもしれない。

安倍晋三の筋の悪いネタで質問をさせられたピエロの谷垣禎一は、国会の質疑応答での不首尾を自民党内でなじられる始末だ。
http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110524ddm005040047000c.html

東日本大震災:復興特別委 谷垣氏、追及甘く 首相反論に二の矢放てず


 自民党谷垣禎一総裁が23日の衆院東日本大震災復興特別委員会で質問に立ち、菅直人首相との間で震災発生後初となる「党首対決」になった。東京電力福島第1原発1号機への海水注入中断問題が浮上し、自民党にとって内閣不信任決議案提出に弾みをつける絶好の機会だったが、首相に否定されると、谷垣氏は二の矢を放てず追及の甘さが目立った。

 谷垣氏は21、22両日、大島理森副総裁、石原伸晃幹事長と入念に戦術を練ってきた。首相が東電への中断指示を否定すると、谷垣氏は内閣府原子力安全委員会の班目(まだらめ)春樹委員長が発言を訂正したことを挙げ「大事なところをすり替えて発表している疑念が出てくる」と食い下がったが、首相は「(海水注入の)判断に影響を与えることはあり得ない」と動じなかった。

 「新証拠」の提示がなく迫力不足の論戦に、山本一太参院政審会長の携帯電話には複数の衆院議員から「総裁は甘過ぎた。参院で(倒閣)ムードを盛り上げてほしい」との声が寄せられた。

 谷垣氏は委員会後、「うその上にうそを塗り固める態度に終始した」と首相を批判したが、民主党岡田克也幹事長は記者会見で「自らの質問の力が足りなかった言い訳と受け取られても仕方がない」と余裕たっぷりに反論した。【吉永康朗】

毎日新聞 2011年5月24日 東京朝刊


だが、自民党の議員が谷垣を責めるのはお門違いだ。真に責められるべきは、「偽メール事件」級のトンデモネタを持ち込んだ安倍晋三である。自民党の議員たちはまず安倍晋三議員辞職勧告を行ない、自らの姿勢を正した上で政府と対峙すべきだろう。