吉田昌郎・東電福島第一原発元所長の死去をきっかけに、安倍晋三が虚言を引っ込めなかった件が蒸し返されているようだ。たとえば昨年3月に書かれた下記のブログ記事が改めて注目されている。
菅首相指示による海水注入中断という安倍晋三の虚言 - トムジィの日常雑記(ダイアリー版)(2012年3月9日)より。
菅元首相の原発対応パッシングのおそらく基になったのが、例の3月12日の福島第一原発1号機への海水注入中断の件だ。それが後の調査や報道ではまったくのデタラメであり、菅元首相からそうした指示が出たこともなく、また実際に海水注入中断が行われていないことも明らかになった。
それでは誰がこのガセネタを流したのか。幾つかの報道を読み取っていくと、そのニュースソースが自民党の元首相である安倍晋三のサイトにあることが明らかになっている。いわば民主党政権への対抗勢力であり、菅直人の政敵でもある自民党の有力政治家が、時の首相である菅直人にダメージを負わせるために虚偽の内容を流したということだ。
それに対して安倍晋三からの弁明は一切ない。それ以上に恐ろしいのがこの男、恥知らずにもいまだに自らのホームページにその虚言をそのままアップし続けている。普通、フレームアップを企てて、それが露見したら政治家にしろ、マスコミにしろ、信用の総てを失う。それがたぶん公的な常識であり、欧米では普通のことだろう。しかし美しい国を主張し続ける胃腸に病気を抱えるこの政治家はまったく無反省なまま、このままいくと次の総選挙で政権に返り咲いた暁にはもう一度政権を目指そうと意欲満々なのである。
通常、HP上で虚偽、ガセネタを流したり、引用したりすれば、それが虚偽であることが判明したら、普通ならアップを削除する。それが責任への対処の一義的措置であるだろうし、とりあえず言い逃れするためにも最初に手をつけることだろう。政治家にしろ、企業にしろ、公的な立場ならたぶん確実にそうする。私的な個人サイトであってもいちおうはそうする。炎上とかやっかいなことも嫌だし、まあ普通に倫理的に嘘つきのままでいたくないという心情からもそうだろう。
しかし安倍晋三はそのことにすら気がつかない。1年近くたつ今でさえまだアップし続けている。いつ削除するかと、たまにのぞいてみるのだがいっこう削除される気配もない。一応念のためリンクと、記録の意味で全文を引用する。
『菅総理の海水注入指示はでっち上げ』 – 衆議院議員 安倍晋三 公式サイト
(以下略)
当然ながらリンク先の安倍晋三のサイトの記事は今も生きている。安倍晋三は「気がつかない」のではなく、嘘と知りつつ削除しないのだ。
だが、こんなことは、安倍晋三一派にとっては日常茶飯事である。例えばあの安倍晋三の茶坊主・城内実も、未だに下記のエントリ("bakawashinanakyanaoranai")を削除していない。
記事についた「はてなブックマーク」。
そして、4年前まで狂ったように城内実を持ち上げていた人物がブログに残した虚言も、未だに削除されていないのである。
喜八ログ: 城内実さんは平和主義者(2009年9月11日)より。
城内さんはいわゆる「改憲派」ですが、憲法9条は残すべきと発言しています。
以上を踏まえると、城内実さんはれっきとした平和主義者なんですね。
ことは何も安倍晋三に限らない。安倍晋三に連なる人間、それにさらに連なる人間。歴史修正主義者が自分勝手に行った改変が虚偽であるとわかってもそのままゴリ押しを続けるのは当然のことであろう。