kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

有力議員ほど右翼度が強い自民党につける薬なし

http://www.asahi.com/politics/update/0422/TKY201104220547.html

日独友好決議、自民が多数欠席 歴史認識、党内に溝

2011年4月22日22時52分


 日独交流150周年にあたって友好関係を深めるため、22日の衆院本会議に民主党自民党が提出した「日独友好決議」の採決で、自民党議員116人のうち安倍晋三麻生太郎両元首相ら約30人が直前に退席し、10人近くが座ったままで反対するという異例の事態となった。

 問題になったのは「(日独)両国は、第1次世界大戦で敵対したものの、先の大戦においては、1940年に日独伊三国同盟を結び、同盟国となった。その後、各国と戦争状態に入り、多大な迷惑をかけるに至り、両国も多くの犠牲を払った」という部分。

 本会議直前の自民党代議士会で(1)事前に党の部会などで議論がなかった(2)事実の誤認がある、と執行部批判が噴出。下村博文氏は「ドイツは1939年のポーランド侵攻から(戦争が)始まっている」と採決での全員退席を求めた。

 石破茂政調会長が「党の手続きにのっとって私が賛成ということにした」と説明したが収まらず、石原伸晃幹事長は党議拘束を外すことを決定。この影響で本会議の開会が遅れ、菅首相を含む他党の議員は約15分間、本会議場で待機した。

 採決で反対した菅原一秀氏は「当時の状況があったとはいえ、『迷惑をかけた』では英霊が浮かばれない」。高市早苗氏も「交戦権や開戦権はすべての国家に認められた基本的な権利。自虐的国家観、歴史観だ」と反対理由を語った。

 採決で多数の退席者が出たことは、第2次世界大戦をめぐる自民党内の「歴史認識」に深い溝があることを印象づけた。

 決議は民主、公明両党や自民党の一部などの賛成多数で可決。共産、社民両党は「『侵略行為』という文言が削除された」などとして反対した。


過去のあやまちを直視できない政治家は、現代の友好をふみにじる - 法華狼の日記 は、

自党も提出にくわわった決議に対して、4人もの首相経験者が明確に反対の意を示す光景は珍しい。いくら党議拘束がかかってないとはいえ、あまり記憶にない。

と書き、さらに脚注で、

首相の地盤をうけついだ政治家である、小渕優子議員や小泉進次郎議員も反対派に加わっていた。

と指摘している。

朝日の記事によると、

自民党議員116人のうち安倍晋三麻生太郎両元首相ら約30人が直前に退席し、10人近くが座ったままで反対するという異例の事態

とのことだから、自民党議員も3分の2は賛成したということだ。ところが、存命の自民党首相経験者4人に加えて小渕優子小泉進次郎が欠席や反対をしたことになる。なお、稲田朋美たちあがれ日本平沼赳夫、無所属の城内実らの投票行動については書かれていないが、調べる気もしない。いや、城内の「信念ブログ」だけは見に行ったが、何も書かれていなかった*1


ま、稲田、平沼、城内のような札付きの極右は論外にしても、最近の自民党首相やその子弟の議員が、揃いも揃って党内でも「右」寄りの行動をとるあたりに、現在の自民党の党内力学がよく表れている。有力議員ほど右翼度が強いとは、自民党には本当に困ったものだ。消費税増税厨の谷垣禎一も感心しないが、その足を引っ張ろうとするのが極右の連中だという構図は、やはり消費税増税厨の菅直人を、極右の旧自由党系が多い小沢派が足を引っ張る民主党と似たところがあって、本当にこの保守二大政党には呆れ返るばかりだ。


この件全体の論評については、過去のあやまちを直視できない政治家は、現代の友好をふみにじる - 法華狼の日記 を参照されたい。とても説得力のある記事で、いたく感心した。当ブログが付け加えることは何もないが、石原伸晃が党内の右翼勢力におもねって党議拘束を外したという指摘に注目した。石原伸晃は、復興の財源に消費税を充てるのは被災者も負担するから反対だ、と明言したので、まだ少しは筋を通せる人間かと思ったが、しょせんは石原慎太郎の倅だ。

*1:余談だが、城内実は「脱原発」のスタンスをとることにしたらしい。機を見るに敏な城内実らしいなと思って舌打ちしたが、考えてみたら一昨年まで浪人していた城内が原発利権にありついていたはずがない。もちろんたとえ城内実であっても、原発推進固執されるよりは脱原発議員が1人でも増えるにこしたことはない。