kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

谷垣禎一出馬断念で思い出す「加藤の乱」

谷垣禎一自民党総裁が今月行われる自民党総裁選への出馬を断念した。

http://mainichi.jp/select/news/20120910k0000e010087000c.html

自民総裁選:谷垣氏が出馬断念 執行部系分裂を回避

 自民党総裁選(14日告示、26日投開票)で再選を目指していた谷垣禎一総裁(67)は10日午前、党本部で緊急の記者会見を開き、「執行部の中から2人出るのは良くない」として立候補の断念を表明した。谷垣氏は7、8両日、石原伸晃幹事長(55)との一本化へ向け協議したが決裂。執行部系候補の共倒れを懸念する大島理森副総裁がなお調整を続けていた。一方、石破茂政調会長(55)は10日午前、衆院議員会館で記者会見を開き、立候補を表明した。

 谷垣氏は会見で、野田佳彦首相と合意した「近いうち」の衆院解散・総選挙について「我が党が政権を取り戻す選挙にしなければならない。それを自分自身の手でやりたいという思いも大変強く持っていた」と出馬断念の悔しさをにじませた。

 そのうえで「だれが総裁になっても政権を奪還し(税と社会保障の一体改革に関する民主、自民、公明の)3党合意を軌道に乗せる仕事をしてほしい」と強調。総裁選でだれを支持するかは明言を避け、「執行部の路線が明確にならなくなるのを心配している」と述べるにとどめた。

毎日新聞 2012年09月10日 11時39分(最終更新 09月10日 13時40分)


ずっと「谷垣総裁を支える」と言っていた石原伸晃が、自民党の長老らにおだて上げられるや前言を翻して「谷垣氏を支えるために政治をやってきたのではない」と言い出し、それを明智光秀になぞらえられてこっぴどく批判されると再び「任にある間は谷垣総裁支える」と言い、それなら出馬を取りやめるかと思いきやそんなことはせず、結局クーデターを成功させた石原伸晃。実にひどいものだけれど、石原の対抗馬と目されている極右政治家にしてやはり極右の安倍晋三とタッグを組む石破茂は論外だし、石破よりは石原の方が与しやすい。もっとも与しやすいのはむろん安倍晋三だが、この男は何をやらかすかわからない恐ろしさがある。それに、いくら弱っちい相手だろうが、「安倍晋三総理大臣」なんて二度と見たくない。死んでも見たくない。真っ平だ。想像もしたくない。だから石原総裁で我慢せざるを得ないのかもしれない。

石原伸晃というと反射的に思い出すのは、小泉政権時代に道路公団総裁の藤井治芳(はるほ)を辞めさせようと画策した当時国交相の石原が、藤井に手玉にとられて日々憔悴し切った顔がテレビに映され、みるみる白髪が増えていったことだ。何度か書いたと思うが、あの時私は藤井治芳を応援していて、石原が顔を引きつらせるたびに快哉を叫んでいた。

ところで目前に迫った総理大臣の座を逃した谷垣だが、このままいけば河野洋平に次いで、総理大臣になれなかった2人目の自民党総裁ということになる。多くの方が今回の谷垣出馬断念から思い出されるのは谷垣が加藤紘一を押しとどめた「加藤の乱」だろう。あの時は森喜朗が極度の不人気で、もう少しの間黙って我慢していれば加藤は総理総裁になれた。そして、加藤ではなく小泉純一郎が総理総裁になってしまったことが、日本の政治・経済・社会が決定的に破壊される大きな原因になった。

今回も、谷垣ではなく、石原伸晃か、さもなくば石破茂が総理大臣になる事態が生じれば、日本はさらに大きく落ち込んでいくだろう。万一安倍がそうなったら、破局の到来までの時間はさらに劇的に短くなる。